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March 20, 2024

できることを練習したがるのは、楽だから。

体育の授業を観察していて、物足りないなと思った。

鉄棒や縄跳び・マット運動ののチャレンジカードがあっても、なかなか難しい課題にチャレンジしない子がいるからだ。

できる技ばかり繰り返している。

何かいいアドバイスはないかを探ったら、過去の覚書が出てきた。

 

◆世界に通用する水準のパフォーマンスは、少しばかり手が届かないところにある目標に向けて、そのギャップの埋め方をはっきりと意識して努力することで得られる。

『非才!あなたの子どもを勝者にする成功の科学』(マシュー・サイド 柏書房)P92

 

・・・容易に実現しないレベルの高い目標をめざして励むことを「目的性訓練」と言う。

あまりに難しいチャレンジは無謀だが、できる技だけを繰り返しても成長はない。

とはいえ、高いレベルに自分を追い込めるのは一流選手。

小学生が「できる技の繰り返し」になるのは、ある意味で当然なのだろう。

 

◆「すでにうまくできることを練習したいと思うのは、たんなる人間の性だ。ものすごく楽だし、楽しいからね。」

という言葉も紹介されている。

 

◆ノエル・テイジ―教授は、三つの同心円を描いて解説している。内側の円が快適ゾーン、中間の円が学習ゾーン、外側の円がパニックゾーンだ。快適ゾーンの外で思い切ってやってみようとしなければ、何千時間かけたところで少しも上達しない。

・・・「快適ゾーン(コンフォートゾーン)」の別名は「ぬるま湯」。

快適ゾーンに浸かるのは、楽だし、楽しい。だから、結局「今できること」の繰り返しになってしまう。

 

◆(一流スポーツ分野の)すべての成功しているシステムには一つの共通点があることに気づかされる。目的性訓練の原理を制度化しているのだ。

最大の卓球王国である中国にはマルチボール・トレーニングがあるし、もっとも成功しているサッカー王国ブラジルにはフットサルがある。トップのバスケットボールチームは「エキストラ」を使う。P101

・・・一流スポーツ分野でなくても、小中学校の体育の授業レベルでも、ハンデをつけて、「目的性訓練」を行うことがある。

ドッチボールでボールの数を増やしたり、コートの大きさを変えたり、人数を変えたりする。

中学校の陸上部では、県大会レベルの女子を男子と一緒に走らせたことがある。

でも、振り返ってみると、強い子の中にはハンデ戦を嫌がる子がいた。

現状で「勝ち」が味わえるのに、負ける可能性が出てくるのだから、ハンデをつけられるのは面白くないだろう。

今は、ぬるま湯レベルの練習で安住したい子供たちの気持ちがよく分かる。

分かるからこそ、そこで踏みとどまらず「粘り強く」「自己調整」できる子供たちを育てたい。それが「主体的に学習に取り組む態度」なのだから。

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