« 条件の説明は正確に | Main | 算数の問題文を視覚的に整理する »

March 26, 2024

多くの子に活躍の場を与える手順

初任の算数の授業を見ていたら、式と答えと解き方を全部1人の子に言わせる場面があった。
ああ、もったいな。
①式だけでいいから言える人にあてる。
②答えが言える人にあてる。
③その答えでいいと思う人に挙手させる。多くの子が手を挙げる。
④手を挙げたままで「理由が言える人?」と聞く。
 すると、慌てて手を下げる子と、手を上げたままの子に分かれるので、理由を言える子に言わせる。
「理由が言える人?」と聞いて、ほぼ全員手が下がることがある。
あるいは、「理由が言える人」と聞いて、多くの子の手が下がったのに、誰かに理由を言わせて「そう思った人」と聞くと、みんなの手が上がるとき。「おいおい、理由が言えるなら手を下げるなよ」と笑顔であおる。
 どんな場面でも、理由を説明するのは難易度が高いので、無理強いはできない。
 でも、理由が言える子を育てたいから、勇気を奮って理由を言った子は持ち上げたい。
「なるほど、いい理由だったから、もう一度言ってもらうよ」
「今のすごくいい理由だったから、前に来てもう一度言ってもらうよ」
などと、優遇する。
ちなみに
「今の意見、よかったからもう一度言って」
「今の意見、前に出て来てもう一度言って」
「○○さん、さっきノートにいいこと書いてあったから、それ言って」
という指名は、あらかじめ先生から合格をもらった意見なので、子供は自信を持って発言できる。
特に自分の意見に自信のない子は、こうして合格した意見を指名発言させることから始めるとよい。
いい意見を言った子に「いい気持ち」になってもらうと、次もがんばろうという気にさせられる。
他の子には「今度は自分も」という気にさせられる。
「自分も言えばよかった」と悔しい思いをする子がいるかもしれないが、それもいいきっかけになる。
というわけで、1人の子に、今回のように、式と答えと理由を1人の子に全部言わせるなんてもったいないのだ。
無論、授業を進行する時間配分にもよるのだが。

|

« 条件の説明は正確に | Main | 算数の問題文を視覚的に整理する »

教育」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 条件の説明は正確に | Main | 算数の問題文を視覚的に整理する »