整合的に物事を理解したい
「人はいかにして学ぶか 日常的認知の世界」(中公新書1989)
稲垣佳代子・波多野誼余夫氏の共著。
文章の読み取りというか、イメージ確定についての次の箇所も印象に残った。
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書いてあることがわかるだけで満足するのではなく、そこに直接書いてないことを推測し、書いてあることに照らしてその推測が正しいかどうかを吟味していく。こうすることによって、書いてある事を超えてより深く理解することができる。54ページ
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◆人は、たえず自分なりに納得のいく、整合的な世界のイメージを構成しようと努めている存在なのである。
◆理解するためには、新しく入ってくる情報を既有の情報と関連づけ、そこに整合的な関係を見出すことが必要である。
・・・「AとBの事態を理解するには、Cという解釈をしないとつじつまが合わない」といった思考過程だろうか。
子どもは「整合性」なんて言葉を知らなくても、整合性のある解釈をする。
それが「知性」なのだと理解した。
ちなみに、何の根拠もないが、子どもは「穴うめ」問題が好きだ。
空欄を見ると、前後の内容からの類推で埋めてみたくなる(「文字数指定」があると類推もさらにやる気になる)。
それは「整合的に物事を理解したい」という知性の表れなのだと思う。
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