« 道徳授業の基本スタンス(覚書) | Main | 3年道徳「友だち屋」 »

June 11, 2024

「客観的要約」と「主観的コメント」が読解の両輪

 齋藤孝『子どもの学力は読解力で決まる』(朝日新聞出版)

「要約」の意義について詳細にかいているが、要約後の次の部分の方が重要だ。

==============================

これ(竹田注・要約)が大前提です。

そのうえで、この世を生き抜くためには、それだけで終わってはいけない。

要約力をふまえたうえでのプラスアルファ、「この話にはどんな意味があるのか」を読み解く力です。

 これはいはば、テストでいうと小論文です。

(中略)

つまり人生で役立つ読解力と言うのは、客観的な理解と、ある種の主観的な読み込み、この二つを両輪のように回していくものなんです。

(中略)

名作で言えば、その文章で一番言いたいことは何かをさっさとつかまえて表現できる力とともに、それについて自分はどう思うかの、両方が言えること。

=============================

 この箇所の見出しは「読解力は客観的要約力と主観的コメント力の両輪からできている」とある。要約ができたからと授業を終えていたら「道半ば」なのだ。

 これは、理解するだけでなく、理解した内容を自分はどう考えたか発信するまでが「PISA型読解力」であることと合致している。

 「この話の意味」「その文章で一番言いたいこと」は、まさに「主題」だ。

 学習指導要領から主題指導がなくなったというのは、一つの主題に収束しなくてもよいという意味であって、個々の感じ方・考え方を披露し合うことまで否定されているわけではない。

「この話にはどんな意味があるか」

「その文章で一番言いたいこと」

という問いをためらってはいけない。

 

 齋藤孝『子どもの学力は読解力で決まる』(朝日新聞出版)には「AB読書法」が紹介されている。

 =============================

とにかく、いろいろなことを比較して見るんです。登場人物の性格でもいいし、前後で話が変わったところでもいい、あるいは、人の気持ちがどういうふうに変わったかを比較してもいいでしょう。こういう、 A B という二つの物について比較をし、変化を見つけることがとても大事です。

 A から B に変わったのであれば、Aのところに丸をつけ、 B のところにも丸をつけ、AからBへ→を伸ばす。そしてどう変わったのかを比較してみる。Aの状況と B の状況が全く正反対になったのであれば A B を←→で結んで比べて考えてみる。そしてここで、その変化が起こった箇所を探して、そこに電球マークなど、自分の好きなマークを書き込んでおく。

(中略)この A B の比較と変化でポイント、ポイントをおさえるのが読解力の基本です。

(中略)こうした AB 読書法が身につくと、本を読むときだけでなく、自分が文章を書くときにも使えますよ。つまり、これは考える方法でもあるんですね、 AB思考法とでも言いますか。状況をA B にとりあえず分ける、A の中の小さな変化や、もしくはABの類似点にも気づく、というセンサーが磨かれていくわけです。

これが大人になった時非常に役立ちます。読解力は思考力でもあるんです。5968ページ

==========================

◆ 物語の読み取りには、テーマが大事 ◆

「朝日小学生新聞2023年・7・18号」の折原みとさんの講演記録によれば、
物語を作る最初の一手は「テーマを決める」だった。
自分がどんなお話を書きたいのか、伝えたいことを絶対に決めておきましょうと書いている。「絶対に」である。
ストーリーとテーマの両方が大事なのだ。

 典型的な変化のパターンは

◆主人公の最初と最後、◆登場人物AB、◆ストーリーの最初と最後、◆場面Aと場面B など

 変化や推移なら、 AB

違い(対比)なら、A←→B

変化・推移・対比・対立軸などをベースに、作品の意味を主観的にとらえさせたい。 

|

« 道徳授業の基本スタンス(覚書) | Main | 3年道徳「友だち屋」 »

国語」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 道徳授業の基本スタンス(覚書) | Main | 3年道徳「友だち屋」 »