学力調査の課題は、PISA調査の課題と変わっていない。
相変わらず、記述式問題の正答率の低さと、無解答の多さが話題になっている。
PISA型読解力の定義は「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」とあり、従来の「読解力」と区別して「読解リテラシー」とか「PISA型読解力」と呼ばれてきた。
PISA調査で話題になった読解力は、○×式やマークシート式ではなく記述式で、次の能力を問うていた。
======================
「テキストから情報を取り出す」だけではなく、
「テキストから推論したり、2つ以上のテキストを比較し理解したりする【統合・解釈】」
「テキストに書かれた情報を自分の知識や経験に位置づけ理解し評価する【熟考・評価】」
========================
・・・平成20年度の中教審答申で「言語活動の充実」が提言されたのは、PISA調査によって、読解力低下の実態が明らかになったことが直接的な理由である。
PISA調査では、記述式解答の正解率の低さと無回答の多さが目立ち、「必要な情報を見つけ出し取り出すことは得意だが、それらの関係性を理解して解釈したり、自らの知識や経験と結び付けたりすることがやや苦手である」と考察された。
簡単に言うと「日本の小中学生は暗記した知識問題には強いが、応用問題には弱い」ということだ。
こうして、今の学習指導要領にある「思考力・判断力・表現力」の育成が求められるようになった。
現場感覚で言うと
国語の市販テスト(おもて面の文章問題が10問、裏面の漢字言語問題20問)に30分も40分もかけていては、学力調査問題は解けない。
しかも多くの国語テストの問題は、既読の文章だ。長文や図表を目で追う速さ、正解を導く判断の速さが「カギ」だと思う。
Recent Comments