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July 28, 2024

「振り返り」の質の問題は奥が深い。

昨夜、サークルの臨時ZOOMで「振り返り」について議論した。

 「振り返り」の質の問題は、何度か書いている。
 春日井市の研究推進に堀田龍也先生が関わっていた頃、教務主任だった自分も何度かお話を聞いたし、資料も読み込んだ。
 堀田龍也先生は、2015年の研究資料の中で次のように指摘している。
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◆感想やわかったことを書かせるだけでなく、めあて、課題に対しての振り返りとなるように問いかける。
◆「振り返り」として、何が書けたり言えたりすればよいのかを、教師がしっかりと捉えておく。
◆例えば高学年の実際の授業では、授業の終末に、教師がまとめとして振り返る際のキーワードを伝えます。すると子どもがノートに学んだことを自分の言葉で速やかに書き始めます。教師はその様子を把握し、まとめが終わった頃に全体のまとめにつながる数人を意図的に指名し、その発言について、指名した理由や必要なキーワードなどを伝えながら学級全体にの学びについて確認していきます。
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・・・「振り返りを書きましょう」と子ども任せにし、「書いたら提出して授業は終わり」という流れでは、振り返りの質が上がらない。
「子ども自身のメタ認知」が大事だと言うのは、多分、このことかなと思った。
「どんな振り返りを書くことが望ましいのか」の明確なイメージを教師と子どもが共有していなければなるまい。
 3年前の音楽の研究授業。
 振り返りのヒントとして、本時のプリントには、次のように指標が書いてあった。
◆できるようになったこと、わかったこと、
◆楽しい面白いと思ったこと、うれしかったこと、
◆次がんばりたいこと、むずかしかったこと、
◆そのほか気づいたこと
 しかし、子どものプリントを見ると、次のような一言感想ばかりだった。
「いい曲ができるようにがんばった。」
「いい曲ができてうれしかった。」
「今度も、もっといい曲を作ってみたい。」
 残念ながら、授業者が、この振り返りで「良し」と思っているのかどうかは分からなかった。
 授業への取り組みは活発だったので、参観者は、子どもの振り返りの文面とは無関係に、この授業を高く評価していた。
 確かに、子どもは意欲的に作曲活動に取り組んでいたが、だからと言って、振り返りがこの程度の一言感想でかまわないかは、疑問だった。
 そして、振り返りプリントとはいったい何の意味があるのか、考えてしまった。
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