理科記述問題は「三段論法」で考える
4年の理科テスト。
雨が降った後の「じゃり」と「校庭」の水たまりの残り具合から、どちらの粒が大きいかと尋ね、選んだ理由を書かせるテスト問題があった。
模範解答は「じゃり」
選んだ理由は「つぶが大きい方が、水はしみこみやすいから」
「じゃり」を選んだ理由を聞いているのだから、ロジックは次のようになる。
①「つぶが大きいと水はしみこみやすい」・・・・・・前提
②「写真では、じゃりの方が水がしみこんでいる」・・現象
③「だから、じゃりの方がつぶが大きい」・・・・・・結論
要するに「3段論法」だ。
だから①②③を全部含んだ解答であれば申し分ない。
が、①のみの次の解答を〇も判断した。
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〇土のつぶが大きいと水が早くしみこむから、すぐ水たまりがなくなる。そうするとじゃりのほうがつぶは大きい。
〇つぶが大きいと、水がしみこみやすいから
〇つぶが大きいほうがしみこみが早いから
〇土のつぶが大きいので、早くしみこみやすいから
〇水がはやくしみこむのは、おおきいつぶの方だから。
〇じゃりだから、土のつぶのすきまができてしみこみやすくなっているから。
〇じゃりはきゅうしゅうりょくが強いから。
〇次の日の昼、アは水たまりがないということは、大きいということだ。土は大きい方が水をしみこみやすいから。
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一方、写真の様子を説明しただけの②や②③パターンは説明が足らない。
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△「ア」は次の日に水たまりがなくて、「イ」は次の日に水たまりがあるから
△水たまりが多くたまっていないから(「水が早くしみ込んだから」の意味)。
△雨がふって次の日の昼になったときに早くかわいていたから
△次の日の昼には水たまりがないから
△次の日の昼には水がなくなっていたので、つぶが大きいと考えました。
△「アの方が水がしみこんでいるから、アの方がつぶが大きい」
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・・・これらは「水が早くしみこむのは、つぶの大きい土だ」という前提条件がないと伝わらない。
確かに、授業を通して、この前提条件が自明になってしまったのかもしれない。
今さら説明するまでもないのだと考えてしまったのかもしれない。
言葉足らずだから△かと思うが、担任が〇にするなら、それはそれでいい。
これに対して、③のみを書いた次の解答はバツと判断した。
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×じゃりの方が大きいから。
×じゃりはつぶが大きいから
×じゃりの方が校庭の土より、粒の大きさが大きいからです。
×じゃりは、もともと土のつぶが大きいから
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・・・「じゃり」と「校庭の土」のどっちの粒が大きいかを聞いているのだから、「じゃりの方がつぶが大きい」という答えではおかしい。
「じゃりの方が粒が大きいと考えた理由は、じゃりの方が粒が大きいからです」
と補足すると、その解答のおかしさが伝わるだろうか。
3段論法で言うところの結論にか書いてないから、理由になっていないことが分かるだろうか
それにしても、記述問題の採点は難しい。
たまたま時間のある立場の自分だから、採点しながら考察できたが、忙しい担任は大変である。
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