図画工作の取り組みについて試行錯誤(3)
(1)丁寧な子は、しばしば時間内に完成しない。
技能は優れているし、最後まで手を抜かない態度もすばらしい。
でも、決められた時間に終わることも大事な技能なので、完成しなかった事実は事実として評価しないといけない。
「20分放課ぐらいは使っていいよ」というおまけは認めることもあるが、
あまり延長をみとめると、時間内に完成させた子の努力を否定することになってしまう。
「すごく上手だよ。でも時間内に終わることも大事だからね。」という支援を続けていきたい。
(2)雑な子は、さっさと終わって仕上げもしない。
時間が充分あるのに「先生、終わりました」「終わったら何をすればいいですか」と見せに来る子がいる。
時間があるから、もう少し仕上げてごらんと伝えても
「もう終わった」「これでいい」と耳を貸さない子がいる。(こういう事態は図画工作に限らない)
自分の中では完成して作成モードを終了しているので、今さら制作意欲が上がらないのだ。
そういうのが「判断力の甘さ」「自己調整能力の足りなさ」「ねばり強さの足りなさ」なのだが、そこで「勝手にしたら」と放置すると、このタイプの子は不足部分を改善しないまま育ってしまう。
この手のこの場合「もう少しがんばってみて」では、あまりに抽象的だから
「△△だから、この部分を〇〇してきて」と、具体的に指示してもいいと思う。
もちろん、やりすぎると、本人の作品ではなくなるが、作文指導だったら「ここ直して」と明示する。
きちんと直させることも大切な指導だ。
直させて「ほら、さっきと全然違うよ。すごく△△が良くなったよ」と肯定的フィードバックすれば、成功体験になる。
なぜ直すか、直すとどうよくなるのか説明して「一般的にどういう作品が良いのか」を示してあげることが「知識」になる。
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