汎用的な読解スキルの考察(1)
2003年の調査でPISAショックと呼ばれ、日本の読解力の不振が騒がれた時、注目されたのがフィンランドの読解教育だった。
2007年、特設科目「論理科」で研究を進めた安芸高田市立向原小学校の発表大会でフィンランドメソッドに詳しい北川達夫氏の講演が行われた。
資料が散逸して、自分なりにまとめ直し「汎用的な読解スキル」を整理してみたい。
フィンランドの読解指導(論理教育)には、次の4つの流れがある。
①問題の認識・・・・何が問題かを掴む
②問題の分析・・・・どうすれば解決するかを自分で考える
③解決策を模索・・・・・他にも解決策はないか、他者の意見も聞く
④最善の解決策の提案・・・最終的に自分なりの判断を下す。
①②は、テキストの読解(本との対話)
③は、自己のブレーンストーミングや他者との意見交流(人との対話)
④は、(人との対話を踏まえた上での)自分の意思決定
③④がテキストから離れた自己表現の部分で、そこまで含んで「PISA型読解力(リーデイングリテラシー)」だ。
さて、これを「桃太郎」のお話に当てはめると
①「桃太郎」の中で何が一番の問題か(鬼の存在)
②どう解決することになったか(鬼退治に行き、宝物を取り返す)
③他に解決策はなかったのか(住み分ける・お互い関わらない・話し合う)
④自分にとっての一番の解決策は何か・自分だったらどうするか。
「桃太郎」以外でどんなお話に当てはまるかを考えて、汎用性的を探りたい。
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