視点の再考(6) 主観表現と客観表現
「お店にかわいい置き物があった」と表現した場合、そこには「かわいい」と判断した話者の感情・話者の判断が入っている。
下の写真の置物なら、「かわいい」で共通理解されるだろうが、昨今の「ぶさかわいい」「キモかわいい」となると、まさに主観の問題だ。
「客観表現」と「主観表現」という用語があることを知り、なるほど、言葉には主観を含む表現があるなと思った。
「速報です」は客観表現だが、「今日、悲しい知らせが入りました」は、主観を交えている。
「巨人が勝ちました」は客観表現だが、「見事逆転勝ちです」「圧勝です」は主観が入っている。
「たった・もっと・ずっと・やっと」のような副詞は、感情が含まれる。
「寝坊してしまった・帰らなければならない」のような語尾にも、感情が含まれる。
「コーヒーがいい・コーヒーでいい」の一言の違いにも感情が含まれる。
だから、視点の検討は、「どのような感情を汲み取れるか」の検討を含めるものなのだと思う。
新明解国語辞典では、「ごきぶり=さわると臭い」「おこぜ=不格好だがうまい」とある。
「くさい」「不格好」「うまい」と感じる特定の人物=話者が存在するに違いないということで、その人物が「新解さん」と呼ばれた。
新解さんは「魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない」と特定されたのだった。
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