汎用的な読解スキル(4)
フィンランドの読解教育で用いていたという2つの読書カードは、そのまま子供たちに課題追究させられる。
2年用読書カード (1枚目)
① 主人公はだれかな?
② 主人公が直面した問題はなにかな?
③ ほかにどんな問題が起こったかな?
④ 主人公のほかに、どういう人が出てきた?
⑤ 物語の中で好きなところはどこ? どうして好きなのかな?
⑥ この物語を読めば答えが分かる問題を作ってみよう。
2年用読書カード (2枚目)
① 主人公はどういう人だと思う? 物語から証拠を挙げて説明しよう。
② 主人公にききたいことはないかな?
③ 主人公に教えてあげたいことはないかな?
④ 主人公はどうやって問題を解決したかな?
⑤ 自分だったら、どうやって問題を解決する?
⑥ いろいろな解決方法を比べてみる。
項目をよく見ると、読み取りで答えが確定する問題と、自分の考えを答える問題がある。
そこで、5W1Hの観点で整頓してみた。
基本的には、どれも「物語から証拠を挙げて説明しよう」の問題である。
(いつ)
(どこで)
(だれ)
◆主人公はだれかな?
◆主人公のほかに、だれが出てきた?
◆ 主人公はどんな人?
◆主人公以外の人はどんな人?
(何をした・何が起きた)
◆ 主人公が直面した問題は何かな?
◆ ほかに起きた問題は何かな?
(最後はどうなった・どうやって解決した)
◆ 主人公はどうやって問題を解決したかな?
◆ 自分だったら、どうやって問題を解決する?
◆ いろいろな解決方法を比べてみる。
(読み終えて)
◆ 主人公に聞きたいことは何かな?
◆ 主人公に教えてあげたいことは何かな?
◆ 物語ので好きなところはどこ? それはなぜ?
◆これ以外に、 物語を読めば答えが分かる問題を作ってみよう。
答えが確定する問題は、作品の一読後、「一字読解」で、さっさと解決させてしまった方がいい。
場合によっては、陥りやすい誤読を解いておく必要がある。
まずは、設定に関する「いつ」「どこ」「だれ」「何を」。
簡単に摘出できるなら「どんな」「なぜ」・
「5W1Hで読む」ことを「一字読解」で繰り返し、5W1Hを基準にして自力読みができるように促していきたい。
その上で、フィンランドの読書カードにあるような「あなたなら問題」についても、自力読みにチャレンジさせてみると良い。
「国語」カテゴリの記事
- 都道府県の旅(カンジー博士)(2024.08.24)
- 何のために新聞を作らせるのか?(2024.08.23)
- テスト問題の意味を教えないと汎用的な技能が身につかない。(2024.08.22)
- 「対比思考」は情報処理能力(2024.08.06)
- 「おもしろい」を強要するのはなぜか?(2024.08.05)
Comments