「学習評価」は大丈夫か?
「今求められる学習評価」という市川伸一氏の論稿が出されたのは、2021年1月。
新しい学習指導要領のもとで、「評価の3観点」は正しく機能しているだろうか。
例えば、従来の「知識・理解」が「知識・技能」に変わったことで、学校現場は何か意識改善が起こっただろうか。
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まず,「知識・技能」はあまり変わっていないといわれますが,評価の方法に目を向けてもらうと,そうではないことが分かると思います。「知識・技能」とは,まる暗記で対応できるペーパーテストで評価するような,断片的な知識だけではなく,記述式問題や実演などを通して,知識どうしが関連づいた状態,例えば原因や理由などの理解を伴った知識を評
価することが求められています。算数・数学であれば,公式を暗記するだけでなく,その公式がどうやってできてきたかや,他の公式との関係まで理解する。歴史であれば,年号を覚えるだけでなく,その出来事が起きた原因や影響など全体の流れまで理解する。従来よりも,知識の高度化が求められているともいえます。先生にしてみると記述式問題は採点がたいへんです。大学入試でも,ついついおろそかにされてしまいます。だからこそ,定期テストなどの機会に学校できちんと評価することを,「知識・技能」では求めています。
☆東京書籍「教師の窓」2021年1月号、市川真一氏の論稿
https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2021/2021017255.htm
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覚えるだけでは「知識・技能」ではない。
記述問題だから「思考・判断・表現」というわけではない。
国語にいたっては「知識・技能」に「情報の扱い方」が含まれることになった。
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◆話や文章に含まれている情報を取り出して整理したり、その関係を捉えたりすることが、話や文章を正確に理解することにつながり、また、自分のもつ情報を整理して、その関係を分かりやすく明確にすることが、話や文章で適切に表現することにつながるため、このような情報の扱い方に関する「知識及び技能」は国語科において育成すべき重要な資質・能力の一つである。
指導要領解説(国語編)P23
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・・・国語の市販テストのおもては読み取りだから「思考」、裏は漢字や語句だから「知識・技能」という配点では、指導要領の意図に沿っていないのだ。
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