「読解力」について再び考える
初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第376号 2020/1/24
当時の初等中等教育局財務課長 合田哲雄氏の論稿は、なにげに書いてあるが、中身は重い。
意図的に改行を加えて提示する。
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では、「子供たちが未来社会を自立して切り拓くための資質・能力」って何でしょうか。
〜中略〜
・ 教科書や新聞、新書などの内容を頭でベン図などを描きながら構造的に正確に読み取る力、
・歴史的事象を因果関係で捉える、比較・関連付けといった科学的に探究する方法を用いて考えるといった教科固有の見方・考え方を働かせて、教科の文脈上重要な概念を軸に知識を体系的に理解し、考え、表現する力、
・対話や協働を通じ、新しい解や「納得解」を生み出そうとする態度、
が大事なのですが、これらは、「書くことは考えること」という指導、多様な子供達がともに学ぶなかでの「学び合い」「教え合い」の学校文化、教科教育研究や授業研究といった固有の財産を持つ我が国の学校教育が150年にわたって重視してきた力そのものです。
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情報の正しい読み取りと、分析、解釈、自分なりの見解の表明といった一見目新しい情報リテラシー、読解力リテラシーの課題は、決して目新しいものではなく、我が国がこれまで重視してきた力であると主張されている。
だからといって、昭和に戻れといってもいるわけではないが、全く新しいことに取り組む「ゼロ発進」というわけでもない。
「論理的思考力」についてちょっと取り組んできた自分にとっては、「まことにその通り」なのだが、かといって油断していると、最新の知見や最新の情報を取りこぼしてしまう。
自分の都合のいい情報だけを取り上げて自分の主張を正当化する「認知バイアス」に陥らないように謙虚に学んでいきたい。
合田氏の主張に「わが意を得たり」で慢心すると、置いてきぼりになる。
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