「どんなところ」と「どんなこと」
特定の教科書批判をしたいわけではないので、どこの会社は触れません。
ある学年の国語の物語作品の「学習の手引き」に次のような課題がありました。
◆この物語の、どんなところをおもしろいと思いましたか。理由とともに、まとめましょう。
そのページには、見本の「ノートの例」が示してあります
◆わたしがおもしろいと思ったのは、東君と西君が「油性ペンをさわろうともしなかった」ことに、「ぼく」が着目したことです。
なぜかというと、その部分を読んで、二人が油性ペンをさわりたくないと思うような出来事があったのかなと、想像できたからです。
厳密に言うと、「どんなところをおもしろいと思いましたか?」と聞いているので、
「わたしがおもしろいと思ったのは、・・・ところです」になります。
しかも、この例文の場合、
「さわろうともしなかった」ことに、「ぼく」が着目したことです。
と、「こと」が重複していて、読みづらくなっています。
「さわろうともしなかった」ことに、「ぼく」が着目したところです。
と、すれば、素直に読めたのです。
「どんなこと」と聞かれたら「こと」で答える。
「どんなところ」と聞かれたら「ところ」で答える。
「なぜ」と聞かれたら「から・ため」で答える。
聞かれ方に正対して答えるから、言葉に敏感になれるのです。
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