責任をかぶるのが上司の仕事
5年前のこと。「働き方改革」については、いろいろ手を打ってきた。
◆子供のためであればどんな長時間勤務も良しとするという働き方の中で、教師が疲弊していくのであれば、それは子供のためにはならない。
学校における働き方改革の目的は、教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになること。
・・・何のために、疲弊してまで働いているのか。ここが「本末転倒」のカギになる。
長時間勤務が続けば、授業力を磨くことも、自身の人間性や創造性を高めることもできず、子どもに対して効果的な教育活動を行うことができなくなってしまう。「子供たちに対して効果的な教育活動を行う」という目的を見失ってはいけない。
◆今後学校へ新たな業務を付加するような制度改正等の際にはスクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底
・・・1つ増やしたら1つ削る「スクラップ・アンド・ビルド」。この方針を貫きたいものだ。
引用は「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」の【概要】平成31年1月25日中央教育審議会より
ところで、本校でも年度当初に業務の削減について
「新学習指導要領のせいにしてもいいし、新しく来た校長のせいにしてもいい。変えるならこの2年がチャンスだ」
と伝えた。
文科省初等教育局財務課長の合田哲雄氏は、堀田龍也氏との対談で次のように語っていることを後日知った。
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堀田「こういった業務の見直しは、保護者や地域の方から反発される恐れもありますね。
合田「そのときは、どうぞ文科省のせいにしてください。『学校としては今まで通り行いたいのですが、文科省がダメと言っているので・・」と文科省を悪役にしていただきたいと思っています。
フリーマガジン「ウータン」42号(JEES発刊)
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・・・誰かがスケープゴートにならないと改革が進まないのは寂しいが、合田先生のような方が文科省にいると心強いのだ。
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