「対比思考」は情報処理能力
「学習指導要領(国語)」の情報の扱い方に関する事項
情報と情報との関係の1・2学年の項目は、次のようになっている。
ア 共通,相違,事柄の順序など情報と情報との関係について理解すること。
その内容についても具体的な記載がある。
これらは、ズバリ「対比」の思考とも言える。
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◆共通する関係を理解するとは,事柄同士の中から同じ点を見いだしたり,そのことによって共通であることを認識したりすることである。
例えば,一見異なるように見えるもの同士にも見方によっては共通する部分が見いだせることを理解したり,似ているもの同士のどことどこが似ているのかを明らかにしたりすることなどが考えられる。
◆相違する関係を理解するとは,事柄同士の様子や特徴などについて違う点を見いだしたり,そのことによって相違していることを認識したりすることである。
例えば,一見似たように見えるもの同士にも見方によっては異なる部分を見いだせることを理解したり,異なるもの同士のどこが異なっているのかを明らかにしたりすることなどが考えられる。
◆事柄の順序の関係を理解するとは,複数の事柄などが一定の観点に基づいて順序付けられていることを認識することである。
例えば,時間,作業手順,重要度,優先度などの観点に基づいた順序が考えられる。
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この「共通する関係」「相違する関係」は、ほぼほぼ「対比」のことだ。
「事柄の順序」は「変化」のことだと理解できるが、この「変化」も対比で思考すると整理しやすい。
光村図書の場合は、「対比」は、4年の「学習で用いる言葉」として提示されている。
◆二つのものをくらべて、ちがいをはっきりさせること。
対比して説明することで、それぞれのにているところとちがうところ、長所や短所などが分かりやすくなる。
という解説は、指導要領の「共通する関係の理解・相違する関係の理解」のことを表している。
具体的には
①説明文「思いやりのデザイン」では、案内図のAとBを対比的に紹介している。
②説明文「アップとルーズで伝える」では、アップとルーズのそれぞれの長所短所を対比的に紹介している。
③物語「一つの花」では、戦争中と戦争後の様子等を対比的に描き、戦争の悲惨さを強調している。
3つのテキストでトレーニングしたら、「対比」についてはおよそ理解できるような仕組みになっている。
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