ルールを押し付ければいいわけじゃない!
学習ルール(○○スタンダード)を、きまりだからと子供たちに無理矢理押しつけても成果は上がらない。
ルールだと分かっていても衝動的に行動する子がいる。
彼らの特質を踏まえ、未然に防いだり、やってしまった行動をフォローしたりする教師の日々の指導が大事だ。
というわけで、「学習ルール設定の基本的な考え方」という文書を運営委員会で見てもらった。
参考文献は「実践障害児教育」2020年2月号。全文コピーしても読みづらいのでピックアップした。
例1:指名されていないのに、答えを口にしてしまう子。
①いくら正しい発言でも、取り合わない。静かに手を上げた子を指名することを継続する。
②「黙って手を上げるんだよ」「先に答えは言わないで」と事前に注意を促す。
③「自分も言いたい・授業に参加したい」という意欲を受け止めながら、「今は、話を聞こうね」と言葉をかける。
④次のチャンスで静かに挙手していたときに指名する。我慢できたときにOKサインをおくる。
⑤自分の意見を言うだけでなく、人の意見を聞くことも大事な学習であることを日ごろから教える。
また、人の話を聴かないと困るような場面やゲームを意図的に取り入れる。
例2:授業中、静かにすべき場面で、ほかの子と話す子
①「今は、大事な説明だから聞いていないと困る」というように、静かにする必要性を話す。
②具体的な場面で、話してよい時とそうでないときの区別を教える。
③授業時間の中で、ペアやグループなどで話ができる時間を設定し、メリハリをつける。
④きちんと静かにしていた場面をほめる。「あの時はできていたから、やればできる」などと励ます。
⑤友達と席を離す・教師の近くにするなど、座席の位置を工夫する。
⑥相手の子が迷惑しているなら、それを伝える。
相手の子がおしゃべりを望んでいるなら、相手の子も話に応じるべきではないことを指導する。
⑦授業に関する事や、隣にしか聞こえない声ならOKといったルールの有無を全体で再確認する。
例3:授業中、なかなかノートをとらない子。
①(全体に・あるいは個別に)書く分量を減らす。
②ノートの新しいページなど書く場所を明確に示す。書き込みのワークシートを用意する。
③書く時間を確保する。「鉛筆を持って。よーいはじめ」などスタートを意識させる。
タイマーを使って、所要時間を意識させる。
「書けた人は○○をする」など、終わりを意識させる。
④児童の発達段階によっては無理強いしない・字が汚くても書き直しさせない。
我々教師が困っている子は、本人も困っていることを忘れないで対応したい。
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