「探究的な学習」の探究(2)
「探究型の授業」
正直なところ、それまでは
◆えっ、探究型の授業って学習指導要領で強調されていたっけ?
◆総合的な学習のキーワードだけど、他教科でも重視されてたっけ?
ぐらいの認識だった。
学習指導要領でも「総合」以外で、端的な解説を見つけることができず、二次資料に頼ると
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◆探究的な学習においては、「探究の過程」(プロセス)が重要な意味を持っています。探究の過程とは、
日常生活や教科内容の学習を通して課題を見つける(「課題の設定」)
課題を追究する過程でさまざまな情報を収集する(「情報の収集」)
その情報を整理することで精査したり、考えを交換しながら分析したりして問題の解決に取り組む(「整理・分析」)
取組の成果をまとめ、他者に向けて表現する(「まとめ・表現」)
といった学習活動を繰り返すことです。
◆総合的な学習の時間においては、設置の当初から探究的な学習の方法を基本としてきました。「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること」は、総合的な学習の時間の中心概念です。
・・・この探究的な学習は、総合的な学習を充実させるための学習方法というだけでなく、他教科等の見方・考え方を結びつけて総合的に活用することや、実社会・実生活の課題を探究して自己の生き方を問い続けるあり方として示されています。
すなわち、「探究」は総合的な学習の時間だけで展開されるものではなく、もう一段高い地平から、各教科の探究の学習を結びつける役割を持つものであると位置づけられています。
◆新しい学習指導要領においては、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)が基本的な学び方の一つとして挙げられています。
探究的な学習は、まさにこの学び方に通じるものでもあります。
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・・・というわけで、一次資料ではないが、
◆「探究的な学習」の考え方は、各教科の原則の中に取り入れられて、教育課程の中心に位置づけられています。
と書かれると、なるほどそうなのかと思う。
主体的・対話的で深い学び=アクティブラーニング=探究学習という理解でいいのなら、違和感はないのだが、それでいいのかどうかが分からなかった。
先に示した「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」は、総合的な学習でよく使われる「探究的な学習のサイクル」の4項目である。
指導要領解説では
◆総合的な学習の時間における学習では、問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく。これを探究的な学習と呼び、(中略)「探究的な学習における児童の学習の姿」として、図のような一連の学習過程を示した。
とある。
春日井市の先進校では、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」を「学習過程」と呼び、マグネットシートで授業中、子供に明示している。
これが「学び方」の習得につながっている。(「Wutan」2022年2学期号より)
また同冊子で高橋純先生が「シンキングサイクル」と呼んで、次のように解説している。
◆子どもが自分で学びを進めていくには、「学び方」を知らなければなりません。それが春日井市でも子どもたちに教えている、問題解決のための汎用の学習過程(私はシンキング・サイクルと呼んでいます)です。
「課題の設定」し、「情報を収集」して、その情報を「整理・分析」し、「まとめ」「説明・発表」する。学びの道すじ」であるこの学習過程を、子どもが自分で行き来できるようになれば、先生の指示がなくとも、生涯にわたって学び続けられます。
そして先進校ではない勤務校の研究では、「習得ー活用」の「活用」部分で、思考・判断・表現する力の育成のために、この探究的な学習過程が必要だとされている。
学習活動の多くの部分を子供に委ねなければ「探究的な学習」とは言い難いとなると、実現はなかなか難しい。
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