「困難は分割せよ」
3年算数の円の模様のページを見ていて、これは「漢字の読み書き支援」と重なるなと思った。
(1)漢字が苦手な子の要因の1つに、手先の不器用さの問題がある。
これと同じで、手先の不器用な子は、コンパスを一周させられない。圧が弱いせいか、中心がすぐに外れてしまう。
(2)漢字が苦手な子は漢字をややこしい図形として認識する。
これと同じで、模様をパーツに分けられない子は1つの図形として覚えようとするので、複雑な模様になると混乱する。
継次処理・・漢字を部首や構成要素に分解して覚えるやり方。
同時処理・・漢字全体をイメージとして捉え、図形のように覚えるやり方。
でいうと、当然、同時処理の方が難しいので、パーツに分けて継次処理で取り組ませる。
(3)部首を意識すると、部首だけ浮かび上がって見える。
これと同じで、どの模様も、円・半円・扇の3つの弧の組み合わせであることを確認する。
この3つのワードが漢字の部首のような働きをする。
「ここに半円がある」
「ここに円が6つある」
「扇が12個ある」
のように発見させる。
(4)面の彩色を無視して、線(弧)を意識させる。そもそも「円」は面ではなく線だ。
(というか、この問題は面に色を塗ることで混乱させている。)
①円(弧)の線を色分けする。
②円(弧)の線を指でなぞる。
③円(弧)の中心(針の位置)に×をつける。
④×に針を置いて、円(弧)をコンパスでなぞる。
(5)なぞった時の同じように、ノートに描く。
ノートに描くのに迷ったら、もう一度なぞる。
(6)いろんな模様を描く楽しい活動を繰り返して、コンパスを回すスキル・「円・半円・扇を見分けるスキル」の上達を図る。
中学国語で扱う「握手」のルロイ神父の言葉は「困難は分割せよ」
完成形を見て「わー何だこ難しい!」と思う模様も、落ち着いて分割すれば、どれも円の組み合わせにすぎない。
3年でここをクリアしないと、高学年面積が求められない。
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