« 自分の発想プラス生成A! | Main | 「知的好奇心」と「内発的動機づけ」 (3) »

November 08, 2024

『本当は大切だけど、誰も教えてくれない授業デザイン41のこと』

ある4年生理科の授業。
①タオルを放置すると乾くのは分かる。
②コンクリートの水たまりは放置すると乾くのは分かる。
③ではビーカーの水を放置したらどうなるのか。
という流れで、ビーカーに水を入れて火曜日まで放置するよう準備した。

1つのビーカーはそのまま、もう1つはラップで蓋をしておくが、その比較実験の理由は提示されなかった。

『本当は大切だけど、誰も教えてくれない授業デザイン41のこと』大前暁政著(明治図書)の一節を思い出した。

◆授業の最初に教師が「今日の問題はこれです」と提示していると、子どもはいつまでも受け身のままです。「授業は主体的に進めていくもの」という意識にはなりません。

しかし、毎回5分でも、気づきや疑問、調べたいことを尋ねている学級は違います。だんだんと「授業は主体的に進めていくもの」という意識に変わるのです。P164

「今日の実験はこれです。問答無用」という流れが確かにあったと、授業者自身も納得していた。
この日の授業に即していえば、
「汗でぬれたタオルも汗でぬれたシャツもそろそろかわいてきたね。汗はどこに行ったのですか?」
という問いがあれば、実験に必然性(自我関与)があった。

◆授業の中で、「かわく」ではなく「じょうはつ」と書く子がいた。
◆「水がなくなる」ではなく「水分がなくなる」と書く子がいた。
◆コンクリートの水は「雲になる」と書く子がいた。
◆炊飯器の経験を持ち出して、「ご飯を炊くと水がなくなっている」と発言する子もいた。

そういう子供の発言を取り上げたら、全体の発言レベルも上がってくる。
授業の最後、「家で調べたいこと・確かめたいこと」を書き込ませたら、授業がオープンエンドになる。
実験をしたい、実験結果を知りたい(予想を確かめたい)というモチベーションが高まるように仕組むのが我々の仕事である。
61ys6ishdkl_sl1000_

|

« 自分の発想プラス生成A! | Main | 「知的好奇心」と「内発的動機づけ」 (3) »

教育」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 自分の発想プラス生成A! | Main | 「知的好奇心」と「内発的動機づけ」 (3) »