「検索してコピペ」は、情報活用能力ではない。
情報は、自分と関わらせるから価値がある。
(1)読書感想文の基本構造は、大袈裟にいうと「作品に触発された自分の成長」である。
その作品を読んで想起された自分の体験。その実体験をくぐらせた上で作品についての意見・作品に触発された自分の生き方を書くから「オリジナル」な感想になる。
ストーリー展開をなぞるだけの感想文では「それで、何?」「そこからあなたは何を感じたの?」と突っ込まれてしまう。
(2)子供の読書感想文、社会見学記録、探究レポート、あるいは教員採用試験の論文を読んでいて、評価基準の1つになるのが「お題とあなたの関係」である。
それであなたはどう思ったのか。自分の意見がどこにあるのか。
自分の意見にオリジナリテイがあるか。「自分」のフィルターを通しているのか。
自分がモヤモヤしているところを齋藤孝氏が
「自分をくぐらせる」
「 暗黙知にくぐらせ、情報を自分化するイメージ」
とうまく言語化していた。
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◆ 情報に出会ったとき、一度、自分をくぐらせておくと、その情報が自分のものになった、という感覚が生まれやすくなる。
◆情報を吸収するその段階から、しっかり自分を関わらせていくのが、「知的生産」の第一歩なのである。
◆本と出会う。人と出会う。あるいは会議で何かのアイディアと出会う。こうした出会いで得た情報を、自分のフィルターを通して記憶しておくと、それが積み重なって次第に自分の思考や発想のベースを形成していき、「読む・書く・ 話す」力の土台になる。p 24・25
「 読む、書く、話すを一瞬でものにする技術」(大和書房)2009年
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だから
◆コピペしただけの情報に価値はない(P18)
◆これ(ネット検索してコピペしてレポートを書くこと)が、情報活用だと思い込み。こんなことを繰り返しているのでは、毎週レポートを提出しても、自分の思考はいっこうに鍛えられない (P21)
ということになる。
「ネット検索してコピペ」は、情報活用スキルでも探究スキルでもない。
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