November 11, 2023

『いちばんすきな花』第4話(2)

自分が傷つかないために、相手を傷つける「辛さ」

 

第4話では、「あなたはぬいぐるみにならないでね」というアドバイスがあった。

それは「言いたいことはちゃんと言わないと壊れちゃうよ」というメッセージだ。

ドラマのヒロイン(夜々)は、溺愛されてうんざりしていた母親に

「私の好きなもの、分かった気になっとるところがすっごい嫌い」

とぶつけ、そう言ってしまった自分を責めて苦しんでいた。

母親に「嫌い」と言うのは、よほどのことだ。

これ以上自分が傷つかないためには、鈍感な母親に傷ついてでも分かってもらうしかなかった。

いや、きちんと分かってもらうためには、きちんと傷ついてもらうしかなかった、

通過儀礼のいっときの辛さかもしれないが、言いたいことをちゃんと言うのは「覚悟」が必要だ。「決別」とも言えようか。

 

ごくごく親しい人から受ける「いじめ」「パワハラ」「セクハラ」・・・。

たとえ、相手に嫌な思いをさせる結果になったとしても、嫌な思いをしている自分が我慢する必要はない。

コミュニケーションが取れていないことに気づいていないのなら、こっちから正すしかない。

「決別」するしかない。

ただし、相手を傷つければ。それもまた自分の心を傷つける。

言いたいことを溜め込んで傷ついている人は多い。

 

深いな。

このままでは、重すぎて、小学生の授業には使えない。

じっくり溜め込んで、棘を抜いて、マイルドに加工して授業化してみたい。

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September 06, 2015

国家を守る人たちに感謝したい

「S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」

 一言で言えば、プルトニウムを積んだ輸送船を乗っ取ったテロリストと対峙する警察・海上保安庁の映画。
 プルトニウムの奪還は、この国の未来の奪還。
「この国は俺たちが守る」という気迫にあふれる映画だった。

 架空の組織NPSを含め、4つの「S」が登場する。

➀SAT 特殊急襲部隊 (Special Assault Team)
②SIT 特殊捜査班(Special Investigation Team ) (Sousa Ikka Tokusyuhan)
③NPS 警察庁特殊急襲捜査班 (National Police Safetyrescue)
④SST 海上保安庁所属特殊警備隊(Special Security Team)

 現在議論している安保法案(集団的自衛権)とは別の個別自衛権の問題になるが、

「国民の生命と平和な暮らしを守るために命を懸けている人たちがいる」

という認識を新たにする素晴らしい映画だった。
 海上保安庁、防衛省、航空自衛隊の協力を得ており、迫力のあるシーンの連続であった。

 映画を観た後、現存する組織の主な任務や過去の実績を調べてみた。

➀SAT
主な任務は、ハイジャック事件、重要施設占拠事案等の重大テロ事件、銃器等の武器を使用した事件等への対処。また、刑事部の特殊犯捜査係だけでは対処できない凶悪事件にも出動する。

②SIT
特殊犯捜査係は各都道府県警察の刑事部捜査第一課に編成されており、人質立て篭もり事件や誘拐事件、企業恐喝事件、業務上過失事件などに出動し、犯人を逮捕することを主要な任務としている。

④SST 
海上保安庁所属特殊警備隊(Special Security Team)
海上テロ事案等への対処を任務とする。
プルトニウム輸送船護衛のために設置された「輸送船警乗隊」が前身となっている
1995年に「地下鉄サリン事件」などのテロ事件が発生したことを受け、海上保安庁は海上におけるテロ事件に対処するため、本格的な特殊部隊の創設を計画した。その結果、同種の部隊を統合して運用することが効率的であったことから、1996年に海上警備隊と輸送船警乗隊が統合され特殊警備隊(SST)となり、第五管区海上保安本部大阪特殊警備基地に配備された。
SSTはテロリストなどに占拠された船舶や、麻薬密輸船に対して、ヘリコプターからファストロープなどを用いて降下し、制圧を行う。また閉式潜水器具等を使用して、水中から船舶への突入、制圧を実施する。

 ドラマは、警察庁の中に、国民の危機意識のなさを憂うグループがあるというのが布石になっている。
 テロリストの脅威や、今すでに命を懸けて国民の安全を守ろうとしている人達の存在を考えさせてくれる映画だ。
 SAT・SIT・SSTの「制圧」が「人殺し」になったとしても、それは自己防衛である。
 テロリスト襲撃のような個別的自衛権については、多くの野党も「問題なし」としている。

 少なくとも、自分自身の幸福やの家族との平穏な暮らしを後回しにして、日夜、国家の安全に努めている人達に感謝の念を抱く国家であってほしい。 

 そんな思いを強くした映画であった。

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December 10, 2006

がんばれ!ニッポンの環境ビジネス

12月5日放送の「ガイアの夜明け」第241回に感激した。

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview061205.html

テーマは「中国“水の危機”を救え!~海を渡る日本のエコ技術~」
特に旭化成の技術が注目だった。
「旭化成」の「汚水・排水処理」では世界トップクラスの技術を持っているのだそうだ。
牛乳をろ過装置に入れたら透明になったのでビックリしました。

もう1つは納豆菌の殺菌力を利用した水質浄化ブロック。
ブロックを作ったのは、従業員わずか5人の熊本のベンチャー企業「ビックバイオ」と福岡のコンクリートブロック会社。
このブロックを河川や池の底に並べれば、納豆菌が水中の有機物を食べ、水を浄化してくれるという。
先日「未来をひらく微生物」という説明文で、環境を守る微生物の授業をしたばかりで、自分にとってはタイムリーな話題だった。

この特集の最後は、こう締めくくられていた。
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かつて日本経済の牽引役だった化学繊維産業はアジア諸国の台頭で競争力を失いました。
しかし、その技術力は衰えるどころか進化を遂げ、環境ビジネスという新しい分野を切り拓いて今世界をリードしています。
公害に苦しんだ経験を持つ日本が環境保護の技術力で世界を守る。
これこそ日本ならではの国際貢献。
そして同時にビジネスとしてもまだまだ可能性を秘めています。

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「環境ビジネス」というとお金儲けのいやらしい響きもあるが、
それは「環境分野での国際貢献」でもある。
何かと批判の多い一部のODAのように、相手国のためと言いながら結局日本に企業だけが儲けるような話はウンザリだ。
でも、日本の技術力で国際貢献できるなら、こんな誇れることはない。
がんばれニッポン、がんばれニッポンの環境ビジネス!

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January 29, 2006

「当たり前」の大切さ

 先週NHKで放映された「プロフェッショナル」はパテイシエの杉野英実さんを特集していた。
 「細部にこそ神は宿る」 「あたり前のことが一番難しい」というようなテロップが流れ、教師修行中の自分には衝撃的な45分だった。
 開店前にまず行うのが翌日の仕込み。
 味にかかわる作業は弟子には任せず、杉野さん本人が必ず手を下していた。
 クリームを絞っている時も手を氷につけて冷やし、体温がクリームの味を損なわないように配慮していた。
 弟子がオーブンを早めに開けてしまった焼き菓子はすぐさま捨てる。
 弟子が切ったショウガは3ミリ、それでは食感が悪いからと2ミリに切りそろえる。
 おいしい菓子を作るためには、どれも当たり前のことではあるが、大変なこと。
 30年菓子づくりに徹してきた杉野さんが大切にしている言葉が
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 「あたり前のことが一番むずかしい」
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だった。
 当たり前のことではあっても、みんな楽をしてしまう。楽をしようという誘惑にも負ける。
 でも職人は楽をしたら、ろくなものにならない、と杉野さんは言う。
 そのことに気付いたのはパリでの修業時代。
 3年間弟子入りの手紙を出し続けてやっと入れてもらったある有名店。
 しかし、そこで出されるお菓子のレシピは料理学校のものと変わらなかった。
 特別な食材も使っていなかった。
 それでもおいしい理由は「あたりまえ」の徹底だった。
 飾り付けのいちごは少しでも痛んでいたら捨てる。
 菓子を少し焼きすぎた職人は店から追い出される。
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 あたり前を積み重ねると特別になる
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・・・なんと素晴らしい言葉だろう。
 我々の仕事も決して目新しいことの積み重ねではない。
 当たり前のことをきちんとこなしていくことが日々の教師修行なのだ。
 少し具体的にイメージしてみよう。
 欠席やちょっとした変化が生徒にあれば家庭連絡するのは当たり前だ。
 それでも、ちょっとしたことで連絡を怠ってしまうことがある。情けないことだ。
 生徒のノートや作文を点検するなら一言添えて当たり前だ。
それなのに、赤まるやサイドラインですませえしまうことがある。情けない。
 
 自分の授業の力量・学級経営の力量が低いのは当たり前の積み重ねが足りないからだ。
 

 

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August 23, 2005

「愛は霧のかなたに」

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「愛は霧のかなたに」少し前にNHKのBSでやっていた。
 タイトルと筋は知っていたので「ああ、あれか」と思って見ていたら、ひきこまれ最後まで観てしまった。そして、ずいぶん感動も感激もしたし、おおいに考えさせられた。
 タイトルから想像されるのは、まちがいなく恋愛映画。
 しかし、原題は「霧の中のゴリラ」。まあ、原題通りでは、ちょっと観る気にはなれないかも。
 ただ、原題は、まさにこの映画にふさわしい。「なんだ、恋愛ものじゃないのか」と落胆する者を作り出すくらいなら最初から「霧の中のゴリラ」で観たい人だけに観てもらった方がいいだろう。
 絶滅寸前の「マウンテンゴリラ」の生態を調査しに、一人の女性がコンゴの山奥へ入る。
 そして、ゴリラに魅了され、保護に奔走する。
 貧困ゆえに、平然とゴリラを捕獲し殺してしまう原住民との確執。
 熱意のあまり同僚スタッフにまで厳しい生活を強いる。恋人はついに彼女の元をは去ってしまう。
 実話をもとにしている。彼女が殺されるラストは残念だが実話なら仕方ない。
 ゴリラはもちろん本物である(どこまで演技か分からない!)。
 アクションものが好きな私だが、これはお奨め。
 「自分の好きな仕事に者の没頭する」ことのすばらしさ、尊さも感じられる。
 小学生は無理かな?中学生にもお勧めの映画(ビデオ・DVD)である。

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June 02, 2005

洪水を救った薩摩藩士

 6月1日のNHK「その時歴史が動いた」は「洪水と戦った千人の薩摩義士」。木曽三川の治水工事に携わった人たちの記録であった→ここ
 地元愛知では4年生の郷土の歴史で「宝暦治水」として取り扱う。千本松原や治水神社輪中の郷は社会見学のコースでもある。
 今回の特集で知ったのは、
・平田靱負(ゆきえ)が江戸幕府に、治水の専門職人の雇用を頼んだが、ことごとく断られたこと。
・薩摩藩士の抗議の切腹も、平田の切腹も内密だったこと。
・平田は上方の商人に藩の作物の買い付けを担保に個人的な借金をした。薩摩藩の名を出して迷惑をかけない ため。
・治水の記念碑は明治時代に建立されたこと。
 
 私自身、授業もしたし、授業記録もアップした。→ここ
 しかし、地元の歴史である。もっともっと情報を収集して骨太な実践を作り出したい。

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March 07, 2005

3月10日は東京大空襲の日

p0306_001 昨日は、西武の堤氏のくだらない特集がテレビで多いことを批判した。
 しかし以前も書いたように、あなどれないテレビ番組もある。
 3月6日にNHKスペシャルで特集された「東京大空襲 60年目の被災地図」である。
 HPはいずれ更新されて詳細が出ると思う→ここ
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昭和20年3月10日午前0時7分。空襲は突然始まった。目標は東京の下町。超低空で進入してきたB29は、2時間半の間に32万発の焼夷弾を投下した。一夜明けた下町は一面焼け野原。至るところに遺体が横たわり、未だに行方の分からない人を含めるとおよそ10万人が亡くなった。
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 風化しそうな史実を3月10日近くににきちんと放映したNHKはさすがだと思った。
 内容は、少し難しくて、録画して中学生に見せても我慢できないかな、という印象はあった。
 しかし、個人的にはすごく興味を持って鑑賞できた。
 6年の息子も黙って見ていた。
 もっとも安全といわれた防空壕に逃げ込んだ人が全員焼死してしまい、防空壕に入れず駅の脇のような所で死を覚悟した人が生き残ったという。インタビューに登場した方は、無事防空壕に入った家族を失い、自分だけ生き残ってした無念さを語っていた。
 焼夷弾は木造の屋根を貫通し、あちこちに飛び火して家屋を焼き尽くす。その焼夷弾の性能もユタ州に実際に日本の木造家屋を建てて試作を重ねたものがこの日の空襲で用いられたという。2時間で1700トンの焼夷弾が落とされる夜空は我々の想像を絶するものであろう。「まさに火の海だ」という言葉も、残念ながら実感できない。
 私は、昨年の秋に向田邦子の『父の詫び状』を読み、壮絶な「東京大空襲」のことを知った。その読書体験がなければ、今回のテレビの特集も見なかったと思う。
 3月10日は東京大空襲の日。そんなことも知らずに平和に過ごす今の世の中は本当に平和なんだろうか。
 これだけ堅苦しい番組が民放には作れないなら、私はNHKの存在も認めようと思う。喜んで受信料も払う。

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