1 「遊び」と同じ情熱で仕事に向かわせたい
「遊び」に夢中になる意欲を「勉強」や「仕事」にも転用できたら多くの人が幸せになれる。
「楽しい」「好き」「フロー(熱中体験)」は強い推進力をもつ。
石田淳氏は、行動科学マネジメントの立場から次のように言う。「やりたい」と思っている社員と「ねばならない」と思っている社員では、「行動自発率」が異なり、成果も違ってくるからだ。
『仕事は面白い』『楽しい』と思わせ、それを習慣化させることが重要。
「『やる気を出せ!』は言ってはいけない。」石田淳著(フォレスト出版)p73
落合陽一氏も、「好きなこと・やりたいことを仕事にすべき」を述べている。
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ワーク・ライフ・バランスが問題になるのは、「好きなこと」「やりたいこと」を仕事にしていないからです。解決したい問題がある人間、僕だったら研究ですが、そういう人は、できることなら24時間、1年365日をそれに費やしたい。
「これからの世界をつくる仲間たちへ」落合陽一 小学館 P164
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2 好きなだけでは仕事にならない。
落合陽一氏は、「好きなことをやれ・やりたいことをやれ」と言われて困惑する学生のために、次の5つの問いを勧めている(P108~110)
①それによって誰が幸せになるのか。
②なぜ、いま、その問題なのか。なぜ先人はそれができなかったのか。
③過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか。
④どこに行けばそれができるのか。
⑤実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。
この5つにまともに答えられれば、そのテーマには価値があると言う。
ただし、仕事選びが「好きなことをやる」ことがベストチョイスではないことも分かる。
いくら自分の好きなことであっても、「ニーズ」がなければ、仕事としては成り立たないし、すでに誰かがやっているアイデアや、誰がやっても(今のところ)不可能なアイデアでは、相手にされないからだ。なお、落合氏は、自分が解決したいと思う小さな問題を探していけば、それが「好きなこと・やりたいこと」につながっていくと言う。
3 自分が解決したい問題を仕事にする
◆解決したい問題を発見し、「5つの問い」に答える形でそこに文脈をつけることができれば、その時点で問題の70%ぐらいは解けていると思っていいでしょう。
◆したがって、問題を探すときには、コンピュータがあることによって何が解決できるかを考えてみるのもひとつの方法。
◆これからの時代、コミュニケーションで大事なのは、語学的な正しさではなく「ロジックの正しさ」です。(中略)まずはその内容を自分の母語できちんとロジカルに話せることが大事です。
◆ロジカルな言語化能力は思考を深めていく上で欠かせませんが、それによって対人コミュニケーション能力が高まることも見逃せません(P151)
具体例は本書を読んで納得してほしい。「好きなことをやれ・好きなことだけやれ」というメッセージの危険さが、よく分かる。
しかし、西洋的な職業観には合わないかもしれないが、「道を極める」「寝食を忘れて」という生き方もあっていいと思う。
四六時中、そのことを考えるくらいの熱がなければ、生き残れないし、一人前にはなれないということもある。休みの日に本を読んだり、自己研さんに励んだりするのは、ごく自然な行為だ。
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日本人はアメリカ人よりも愛社精神、会社に対する忠誠心が強いとよく言われますが、愛社精神に対する考え方が異なります。アメリカでは、社員は自分が会社にどんな貢献ができるか、どういう付加価値を提供できるかが重要で、会社側はその社員を最大限に活用するために最高の環境を与えます英語には「プロフェッショナリズム」という言葉があります。日本語だと「プロ精神」と訳されることがありますが、具体的には「一人前に働く人がプライドを持って、自分がその専門に対して、最善の仕事をする」という意味を含みます。アメリカでは重視される考え方で、その精神があるからこそ、今置かれた環境で全力を尽くすのです。だから働く場所は問題ではなく、自宅勤務でもきちんと働くのです。(中略)
プロフェッショナリズムを身につけるために、社員が得意なことや今後歩みたいキャリア形成を自分でしっかり考え、もっと積極的に自分の夢を見つけて追求できる機会を企業が提供していくことが求められます。
そして、社員も将来に起こりうるキャリア変更のため、または現在の企業で自分の進路を設定するために、こんな自問をするといいでしょう。
「自分は何をすることが好きか?」
「自分は何に情熱を持てるか?」
「自分は仕事の何に意味と目的を見出すか?」
「自分は何が得意か?」
これらに自答して、それを自分の向かうキャリアに対する展望と共に考察し、積極的に自分の長所を他人と共有していくことが必要です
「会社に尽くすアメリカ人、会社に居座る日本人」PRESIDENT 2015年8月17日号
http://president.jp/articles/-/16918?page=5
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・・・やりたいことを「ワーク」としている人は、「ワーク」と「ライフ」と切り離せるものではない。
やりたくない仕事を勤務時間の範囲内で無理無理こなしている人と、楽しくて仕方ない仕事に没頭している人を同等に扱うことはできない。
4 やりたくないこともやる
一方、受験勉強のように、好きでなくても面白くなくても、その重要性を考えたらやらざるを得ないこともある。目的が明確なら、たとえ嫌なこと・面倒なことでも頑張れるものだ。
「モチベーションがあろうがなかろうが、とにかく仕事をこなせ」という主張もある。
「今日は調子いいから120%の仕事。今日は調子でないから会社を休みます」では、誰も信頼して仕事を任せられないし、安定した質の仕事は期待できない。
好き嫌いや気分に左右されず、コンスタントにベストを尽くし、契約義務を果たすのがプロの仕事である。
ただし、やる気の有無・好きか嫌いかで質が左右するのはプロの仕事ではないことは、大人としては分かるが、さすがに子どもに強いるのは難しいだろう。
人には「他者と関係をもちたい・人の役に立ちたい」という承認欲求がある。この「役に立つ」という意味付けがきちんとできれば、子どもにもやりたくないことへの動機付けができる。
※エドワード・デシの内発的動機付けの源
①自律性の欲求(自己決定したい)
②有能さの欲求(できるようになりたい)
③関係性の欲求(人間関係を築きたい)
※マクレランドの欲求理論
①達成動機(欲求)
②権力動機(欲求)他人に何らかの行動をさせたい欲求
③親和動機(欲求)
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