January 13, 2026

教育カウンセリング

季刊「理想」2005冬号(理想教育財団)

諸富祥彦先生の教育カウンセリング第7回

次の「管理職と若手教師」の関係は、そのまま「教師と子ども」に置換できるし、「親と子ども」に置き換えることも十分可能だ。

◆管理職として若手教師をどう支えるか

◆若手教師の心を支えることができる管理職になるには

◆若手の意欲を減退させないようなかかわり方

◆若手の「自尊感情に配慮した接し方」

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①ほかの大勢の職員や子どもの前で、若手教師を大声で叱責しない。

②若手教師に何か具体的な変化を求める時には「どうしてあなたは〇〇できないんだ」と叱るのではなく、「私は、あなたなら〇〇できると思う。そうしてくれると私は嬉しい。期待しているよ」と勇気づけをする。

③若手教師の困り感に寄り添い、悩みを傾聴する(若手教師は管理職に「わかってほしい」という気持ちを強く抱いている)。

④「あなたのことをこの学校では必要としている」というメッセージを送る(若者は、自分の所属集団で「必要とされているかどうか」に敏感である)。

⑤若手集団の具体的な頑張りに目を向け、具体的な行動を評価し承認する(若手は、上司に「ちゃんと見てもらえているかどうか」に敏感である)。

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・・・多くの小中学校では、この十数年、教師はこのように子供に接してきた。だから、今の若者にとっては、このような対応が標準なのだ。

甘やかした小中学校の先生が悪いなんて言わないでくださいね。

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December 19, 2025

保護者対応の危機管理

 かつて管理職研修で「危機管理(クレーム対応)」についてお話を講演を聞いた。

◆授業後、担任が自分の教室で1人で保護者と対応させるのは危険。誰にも伝えずに懇談していると、担任が追い詰められていても誰も気づかない。

・・・単独で家庭訪問するのも危険だし、電話も危険。

 「管理職に隠れてコソコソ単独行動で処理しようとして、ますますこじれることがある」という話もあった。それも含めて管理職の責任だから、そうならないように各校で策を講じろと。

 今は、電話もコードレスの子機があって、職員室の外で子機を使って電話している先生も多い。雑音を避けるためだろうが、周囲に聞かれては困る「言い訳」をしているケースがなくもない。

1)トラブル処理について電話する前に、主任や管理職に報告・相談する。

2)主任や管理職のいる場所(聞こえる場所)で、電話をする。

  相手には、近くに主任・管理職がいることをお伝えする。

3)必要に応じて主任・管理職と電話を代わる。
 
 これからのシステムの課題としては

◆民間企業と同じく、電話内容を録音する

◆スピーカー状態にして、複数で話を聞く。

ができるといい。保護者の側も録音している場合があるのだから。

 要するに、担任と保護者の1対1では「言った・言わない」の騒ぎになるので、複数対応が大事になる。

若い先生の場合、1対1では保護者がマウントしやすい。まして夫婦で押しかけられたら、若い先生は話し合う前からメンタルをやられてしまう。

 

※自分自身、電話口や家庭訪問先で拘束状態になったことがあります。失敗を活かし、次の先生方に伝えていきたいです。

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「バウンダリー」(自他境界)を意識すると・・

 かつて2年目に辞めた初任者は、T2が入る算数の授業をすごく嫌がっていました。その時のT2は退職したベテランの女性で、面倒見の良い先生だったが、悪く言えば熱心すぎる先生でした。

 T2の授業になると「今日はテストをやるから、T2は要りません」のような繰り返しで、結局それは「授業を見られたくない」という意思表示でした。決して授業が下手だったわけではなく、クラスの子供たちは素直でいい子ばかりでしたが、生真面目な先生は「いい授業を見せなくては」というプレッシャーがあったのでしょう。

 そこは「境界」の意識の問題ですが、年長者側が「そんなことぐらい」と軽く考える行動が負担になりかねません。

「お手伝いするよ」という気持ちで補助に入っても、それこそ迷惑ということもあるわけです。

 もし子供たちが騒乱気味だったら、授業だけでなく、朝の会も給食も入ってほしくないでしょう。

 もしテストの出来が悪かったら、テストの採点も手伝ってもらいたくないでしょう。

 相手がどう思っているかを配慮(メタ認知)できないと、自分がパワハラの加害者になってしまいます。

 「よかれと思って」の「よかれ」は自分基準で決めてはいけないのです。

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 以前、書いたことをまとめてみました

T2の先生の動き~自戒を込めて書きます~

 T2の立場の先生は、よくも悪くも、余裕がある(支援員を含む)。

例えば、次のようなことを自分もやってきたし、やっているT2の先生を見かけたこともある。

1)子供の机上を整理する 2)学用品を拾う 3)子供のロッカーを整理する

4)子供のプリントを整頓する 5)窓をあける 6)ごみを拾う・掃除する

・・・ 気の利いたことをしたと思われるか、余分なことをしたと思われるかはケースバイケースである。

 人間とは勝手なもので、「よかれ」と思ってやっている自分の行為の」正当性は信じて疑わないが、他のT2の先生の行為に対して「余計だな」と思うことがある(思わないこともある)。

 だから自分の行為も「よけいなお世話じゃん」と思われてることがあるだろう。

 T2の良かれと思った行為は、自分の思いとは裏腹に、T1のためにも、子供のためにもなっていないことがある。

◆Over teaching is no leaning

◆小さな親切、余計なお世話

◆人のふり見てわがふり直せ

なのだ

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「バウンダリー(自他境界)」について(その1)

〜「指導」の名のもとに,土足で踏み込んではならない〜

バウンダリー(Boundary)とは、心理学用語で「自分と他者を区別する目に見えない心の境界線」を指し、物理的な距離ではなく「どこまで踏み込んでほしくないか」「どこからがプライベートか」という領域を守るためのものです

・・・ネットが例示した「バウンダリーが侵害される例」は,なるほど自重しなければと深く納得しました。

  • 「あなたのため」と言って意見を押し付ける。
  • 勝手に予定を決める、プライベートな領域に踏み込む。
  • 悪気なく急に抱きつく、触る。
  • 相手の趣味や好みを否定する。 

バウンダリーの重要性

  • 人間関係の健全化: 依存や支配の関係を防ぎ、互いを尊重し合える関係を築けます。
  • 自己肯定感の向上: 自分の気持ちを大切にし、自分の領域を守ることで、自己肯定感が育まれます。 

 

◆バウンダリーが曖昧だと疲弊しやすくなるため、自分の「嫌だ」「やめてほしい」という気持ちを明確に伝え、相手の気持ちも尊重することが、心地よい人間関係の鍵となります。 

・・・とあるが,上司に対して「嫌だ」と言うのは難しいから、そこは上司が「察する」必要があります。

 なお、以下の受け止める側の「バウンダリーの役割と特徴」は,ライフスキルとしての「断る勇気」を身につけることの大切さですから、小学校の頃から確実に教えておきたいです。

  • 自分を守る: 他者の感情や行動に振り回されず、自分を犠牲にすることなく心身の健康を保ちます。
  • 「私とあなた」の区別: 「私は私、あなたはあなた」という自立した関係性を築くための基盤です。
  • 「皮膚」のような機能: 外部からの刺激(悪意など)をブロックし、必要なもの(良いアドバイスなど)は受け入れる「浄化機能」も持ちます。
  • 状況・相手で変化する: 親しい関係では曖昧になりやすい一方で、年齢や関係性に応じて適切な「線引き」が必要になります。 

・・・コロナ禍で徹底した「ソーシャルディスタンス」は、物理的にも精神的にも大切にされなければいけません。

バウンダリーとは - Google 検索

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April 24, 2025

「おい、仕事してる場合じゃないぞ!」

 少し前のことですが、林修さんの出演する健康番組で、朝から片方の腕が脱力する女性を扱っていました。

 再現ドラマの中で、出勤した彼女が職場の同僚に朝の症状のことを笑い話のように話していると、上司が怒った顔をして言いました。

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「おい、仕事している場合じゃないぞ、すぐに病院に行け」

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 結果は、脳神経に関わる症状で、早期発見・早期治療に至ったという話です。

 この時、「あなたの知らない怖い病気」よりも、上司の即断即決の一言に心を打たれました(演出かもしれないけれど、まさに決めゼリフです)。

 仕事をしている場合じゃないぞ。

 早く病院に行きなさい。

 早く帰ってお子さんの世話をしてあげなさい。

 早く帰ってゆっくり休みなさい。

 早く帰って「合格おめでとう」と言ってあげなさい。

などなど、いろんなケースがありますが、世の中には仕事より大事なことがあるのです。

 遠慮して仕事している場合じゃないのです。

 もちろん、自分からは、なかなか言い出せないでしょう。

 そんな時は上司がキッパリ言うしかありません。「休んでもいいよ」ではなく「休みなさい」です。

 この場合、彼女の雑談(部下のわずかな異変)に気づかなければ、忠告のしようもありません。

 「上司は忙しそうにするな」

とは、部下の様子が見えなくなるほど仕事に没頭してはいけないという意味です。

 小指の動きをキャッチできるような上司でありたいです。

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April 08, 2025

4年生は「天才」

4年生は誕生日を迎えると10才になる。

10だからテン。

「おめでとう、これで君も天才の仲間入りだね」

と言うと、ほとんどの子はドン引きする。

ただの親父ギャグだと思われているが、そうでもない。

『8歳で脳は決まる』平山諭(河出書房新社)2005年をまとめると

(1)

生まれた時、「脳幹」は既に働いており、食欲・性欲・集団欲・睡眠欲を満たすことを欲している。

(2)

誕生から3歳頃までは「扁桃体」という感情の脳が「好きー嫌い」で判断する。

「みつめる」「ほほえむ」「話しかける」「さわる」「ほめる」の5つのスキルが大事な時期。

(3)

3歳からは「前頭葉」が、人間らしさを担当する。

「考えさせる」「見通しを持たせる」「希望をもたせる」「我慢させる」「楽しませる」「緊張感をもたせる」など親と子の関わりで前頭葉は発達する。

(4)

6歳頃から個性が明確になり、知的好奇心や記憶力が飛躍的に高まる。感情の抑制も、この時期によく育つ。

この時期の学習環境の差が後の能力差につながることも大いにある。

(5)

小学校4年生から6年生のころは思春期のスタート。本格的に大人としての人格を完成させる時期になる。

・・・思春期への入口が小学校4年生、つまり10歳頃。

だから、10歳を迎える4年生が「天才」の仲間入りで間違ってはいないのだと勝手に思っている。

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April 07, 2025

キャリアアンカー理論

アメリカの心理学者エドガー・ヘンリー・シャインが「人がキャリアを形成する際の根源になるもの」として提唱した概念である。

(1)どんな仕事がしたいのか(動機)

(2)自分は何が得意なのか(コアコンピタンス)

(3)何に価値を感じるのか(価値観)

 これらはキャリアを判断する上で重要な問いであり、この3つが重なる部分がキャリアアンカーと言われる。 

https://career-research.mynavi.jp/column/20220512_27198/

 サイトによっては、「動機」の部分を「夢〜何をやりたいのか〜」としている。

 小学校から、こういう発想で自分の将来を考えさせたいです。あっ60歳を過ぎた自分も同じです。

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遊ぶように仕事できるかな?

1 「遊び」と同じ情熱で仕事に向かわせたい

 「遊び」に夢中になる意欲を「勉強」や「仕事」にも転用できたら多くの人が幸せになれる。

 「楽しい」「好き」「フロー(熱中体験)」は強い推進力をもつ。

  石田淳氏は、行動科学マネジメントの立場から次のように言う。「やりたい」と思っている社員と「ねばならない」と思っている社員では、「行動自発率」が異なり、成果も違ってくるからだ。

 『仕事は面白い』『楽しい』と思わせ、それを習慣化させることが重要。

 「『やる気を出せ!』は言ってはいけない。」石田淳著(フォレスト出版)p73 

 

 落合陽一氏も、「好きなこと・やりたいことを仕事にすべき」を述べている。

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 ワーク・ライフ・バランスが問題になるのは、「好きなこと」「やりたいこと」を仕事にしていないからです。解決したい問題がある人間、僕だったら研究ですが、そういう人は、できることなら24時間、1365日をそれに費やしたい。

「これからの世界をつくる仲間たちへ」落合陽一 小学館 P164

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2 好きなだけでは仕事にならない。

  落合陽一氏は、「好きなことをやれ・やりたいことをやれ」と言われて困惑する学生のために、次の5つの問いを勧めている(P108110

①それによって誰が幸せになるのか。

②なぜ、いま、その問題なのか。なぜ先人はそれができなかったのか。

③過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか。

④どこに行けばそれができるのか。

⑤実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。

 この5つにまともに答えられれば、そのテーマには価値があると言う。

 ただし、仕事選びが「好きなことをやる」ことがベストチョイスではないことも分かる。

 いくら自分の好きなことであっても、「ニーズ」がなければ、仕事としては成り立たないし、すでに誰かがやっているアイデアや、誰がやっても(今のところ)不可能なアイデアでは、相手にされないからだ。なお、落合氏は、自分が解決したいと思う小さな問題を探していけば、それが「好きなこと・やりたいこと」につながっていくと言う。

 

3 自分が解決したい問題を仕事にする

 

◆解決したい問題を発見し、「5つの問い」に答える形でそこに文脈をつけることができれば、その時点で問題の70%ぐらいは解けていると思っていいでしょう。

◆したがって、問題を探すときには、コンピュータがあることによって何が解決できるかを考えてみるのもひとつの方法。

◆これからの時代、コミュニケーションで大事なのは、語学的な正しさではなく「ロジックの正しさ」です。(中略)まずはその内容を自分の母語できちんとロジカルに話せることが大事です。

◆ロジカルな言語化能力は思考を深めていく上で欠かせませんが、それによって対人コミュニケーション能力が高まることも見逃せません(P151)

 具体例は本書を読んで納得してほしい。「好きなことをやれ・好きなことだけやれ」というメッセージの危険さが、よく分かる。 

 しかし、西洋的な職業観には合わないかもしれないが、「道を極める」「寝食を忘れて」という生き方もあっていいと思う。

 四六時中、そのことを考えるくらいの熱がなければ、生き残れないし、一人前にはなれないということもある。休みの日に本を読んだり、自己研さんに励んだりするのは、ごく自然な行為だ。

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  日本人はアメリカ人よりも愛社精神、会社に対する忠誠心が強いとよく言われますが、愛社精神に対する考え方が異なります。アメリカでは、社員は自分が会社にどんな貢献ができるか、どういう付加価値を提供できるかが重要で、会社側はその社員を最大限に活用するために最高の環境を与えます英語には「プロフェッショナリズム」という言葉があります。日本語だと「プロ精神」と訳されることがありますが、具体的には「一人前に働く人がプライドを持って、自分がその専門に対して、最善の仕事をする」という意味を含みます。アメリカでは重視される考え方で、その精神があるからこそ、今置かれた環境で全力を尽くすのです。だから働く場所は問題ではなく、自宅勤務でもきちんと働くのです。(中略)

プロフェッショナリズムを身につけるために、社員が得意なことや今後歩みたいキャリア形成を自分でしっかり考え、もっと積極的に自分の夢を見つけて追求できる機会を企業が提供していくことが求められます。

  そして、社員も将来に起こりうるキャリア変更のため、または現在の企業で自分の進路を設定するために、こんな自問をするといいでしょう。

「自分は何をすることが好きか?」

 「自分は何に情熱を持てるか?」

 「自分は仕事の何に意味と目的を見出すか?」

 「自分は何が得意か?」

  これらに自答して、それを自分の向かうキャリアに対する展望と共に考察し、積極的に自分の長所を他人と共有していくことが必要です

「会社に尽くすアメリカ人、会社に居座る日本人」PRESIDENT 2015817日号

http://president.jp/articles/-/16918?page=5

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 ・・・やりたいことを「ワーク」としている人は、「ワーク」と「ライフ」と切り離せるものではない。 

  やりたくない仕事を勤務時間の範囲内で無理無理こなしている人と、楽しくて仕方ない仕事に没頭している人を同等に扱うことはできない。

 

4 やりたくないこともやる

 一方、受験勉強のように、好きでなくても面白くなくても、その重要性を考えたらやらざるを得ないこともある。目的が明確なら、たとえ嫌なこと・面倒なことでも頑張れるものだ。

 「モチベーションがあろうがなかろうが、とにかく仕事をこなせ」という主張もある。

 「今日は調子いいから120%の仕事。今日は調子でないから会社を休みます」では、誰も信頼して仕事を任せられないし、安定した質の仕事は期待できない。

 好き嫌いや気分に左右されず、コンスタントにベストを尽くし、契約義務を果たすのがプロの仕事である。

 ただし、やる気の有無・好きか嫌いかで質が左右するのはプロの仕事ではないことは、大人としては分かるが、さすがに子どもに強いるのは難しいだろう。

 人には「他者と関係をもちたい・人の役に立ちたい」という承認欲求がある。この「役に立つ」という意味付けがきちんとできれば、子どもにもやりたくないことへの動機付けができる。

 

※エドワード・デシの内発的動機付けの源

 ①自律性の欲求(自己決定したい)

 ②有能さの欲求(できるようになりたい)

 ③関係性の欲求(人間関係を築きたい)

 

※マクレランドの欲求理論

 ①達成動機(欲求)

 ②権力動機(欲求)他人に何らかの行動をさせたい欲求

 ③親和動機(欲求)

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April 04, 2025

『なぜあの教師は保護者を怒らせるのか』関根眞一著

やることだらけの若い先生に保護者対応のスキルまで求めるのは酷だ。

ただ、そのスキルがないから、苦情がなくならないし、保護者を味方に付けられないのだとしたら損失は大きい。

対応が悪い(対応を知らない)教師は、保護者を怒らせる。あるいは失望させる。

そうならないための「未然防止策」くらいは、知っておくとよい。一生役に立つ心得だから。

著者の関根氏は苦情・クレーム対応アドバイザー。

裏表紙には、本書の肝である2つの言葉が提示してある。

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①ひとまずすべて「苦情」として受け止めることができれば対応の失敗は最小限となる。

②言わずにいられない保護者の気持ちの「落としどころ」が見つかるかどうかがポイントになる。

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①は、「最悪を想定する」という意味だ。

保護者の電話や来校する理由を軽く考えない方が誤解がなくて済む。

 

②は、わざわざ電話や来校した苦労に報いる結果を出さないと、さらに不満が増えてしまうという意味だ。

「電話してよかった・来校してよかった」と思ってもらえれば、それ以上悪い方向に進まない。

 

保護者が不満を持つ多くの原因は学校サイドにあるとして次の11点を挙げている。P34

1、教師が保護者の話を最初から真剣に聴かないことがある。

2、申し入れは嫌なものだと頭から否定している教師がいる。

3、相手の申し入れを苦情と考えていない。

4、苦情対応の能力が、教師は一般人より劣ることを認めたくない。

5、話の腰を折り、言いわけや正当性を主張する。

6、詳細を調査しないで話を終結させようとする。「時間をいただけますか」が言えない。

7、時系列に添った正確なメモをとらない。

8、多少でも自分に非があると、独力で穏便に解決しようとする。

9、上司への報告が遅く、対応が自分の判断能力内に留まる。

10、事が大きくなるまで幹部に相談をしない。

11、苦情の対応事例等を学ぶ場がない。つくらない。研究しない。

 

・・・我々教員は苦情・クレーム対応専門の職員ではないから、その対応スキルだけ特化して技量を磨くことはありえないが、せめて、この11項目の指摘を受け止めておきたい。

 

なお、次の様子は「学校アルアル」だと思う。

◆多くの教師が保護者を、管理職のいる職員室近くの応接室ではなく、教室に連れていき、二人きりになる。さらに「どこに座りましょうかなどと、保護者に尋ねてしまう。通常、担任がセッテイングしておくべき場の設定でさえ決定できず、挙げ句は主導権を保護者に委ねるときもある。保護者も、校長室の隣の応接室なへ通されたなら、軽々しい発言はつつしみ、いい加減なことは言えないし、悪態もつけなくなるだろう。

・・・この後、保護者が座ったらお茶ぐらい出すべきで、お茶は問題解決の最適な小道具なのだと書いてある。

 明らかに問題がありそうな場合は校長室を使わせたが、担任が自分の判断で教室で済ませることが多かった(しかも担任1人で)。

 今思えば、明らかに問題がありそうな場合は2名で聴くのが基本だろう。

 また、私自身、1人で自宅を訪問したこともあるが、明らかに問題がありそうな場合は2名で行くのが基本だろう。

 自分自身もそうだったから自戒を込めて書くが、何でも1人で済まそうとすると事態が悪化する。事態が悪化してから、管理職に報告されても、手が打てないのだった。

 だから、先の8・9・10「多少でも自分に非があると、独力で穏便に解決しようとする」「上司への報告が遅く、対応が自分の判断能力内に留まる」「事が大きくなるまで幹部に相談をしない」は、まさにその通りだと思う。

 

 保護者対応で苦労された先生方、みんなで事例を共有して苦しむ教師を減らしていきましょう。

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March 17, 2025

「レジリエンス」と「超回復」

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