February 19, 2017

働き方改革は「時短感覚」から

 2月17日(金)の中日新聞に「クルマ革命」の特集記事が掲載された。
 中でも後半の「自動運転の衝撃 開発スピード段違い」と題した箇所は圧巻だった。

◆これまでの自動車業界は技術をこつこつ積み重ね、改良を加えていく「擦り合わせ型」。トヨタは水素と酸素から起こす電気で走り、水しか排出しない画期的な燃料電池車「ミライ」の開発に二十二年かけた。だがIT業界は、例えば一年半の間に同じコストで情報処理能力が二倍に進化する世界。自動運転の開発でも運転支援のレベルから段階的に進もうとする自動車メーカーに対し、IT勢は一足飛びに完全な自動運転を目指すイメージだ。

 AI開発を進めるトヨタの坂井克弘(43)も、スピード感の違いに戸惑った一人だ。昨年六月から自動車産業発祥の地・米ミシガン州の「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」でIT転職組と机を並べる。会議時間はトヨタ時代の三分の一。会議資料もパソコン上で仲間と意見交換しながら作る。「とにかく時間を効率的に使う。フットワークも軽い」

 完全な自動運転による究極の「ぶつからないクルマ」が実現すれば、車体の強度や安全装置をはじめ自動車メーカーが培ってきた技術の蓄積は、不要になりかねない。グーグルが実用化のめどとする二〇二〇年まで三年を切った。日産のゴーンは今後十年の自動車産業を、こう予測する。「過去半世紀で起きた以上に変化する」
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017021702000095.html

・・・スピード感の違いは、自分たちも十分感じている。
20年前は、サークル通信などによって情報交換がされた。印刷から郵送までは、時には1週間を要したが、現在は瞬時に発信できる。。
教材研究も、書籍中心からネット中心になって、資料収集の時間、資料作成の時間は格段に早くなった。

現在は、瞬時に情報伝達できる。そのスピードの違いは圧倒的で、そのような「時代感覚」=「時短感覚」をしっかり自覚し、活用していける子どもを育てていかないと世界とは競合できない。

 16日のラジオ番組「ボイス」で上念司氏が、「仕事の遅い人が残業手当をもらい、仕事の早い人が手当てをもらえないおかしい。これからは仕事の速い人に対価が支払われるべきだ」と主張していて、なるほどと思った。
 そして、その根本の原因は、学校教育にあると言われた。

 「なぜ学校の掃除時間は決められているのか。与えられた仕事を終えたら終わればいいではないか。早く終わったらできる仕事を見つけなさいというやり方では、効率的に仕事を終えようという意識を育てられない」

というような意見で、これもなるほどと思った。
 時間感覚の改善は、社会の在り方・仕事の在り方を変えていく。
 子供に「時短感覚」を教えることは教師の務めである。
 子供の「時短感覚」を鍛えることは、国家戦略の最先端を担う仕事でもある。その責任は重い。

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December 27, 2016

「確証バイアス」と、逆転現象の授業

 非認知スキルの重要性を説いているのが

 「『学力』の経済学」中室牧子
 「成功する子・失敗する子」ポール・タフ
 「幼児教育の経済学」ヘックマンなど。
 

 「成功する子・失敗する子」(ポール・タフ著)について、もう少し。
 チェスの上達に必要なスキルを究明する中で出てくるキーワードが「確証バイアス」(p113~114)
 簡単に言えば、自分の都合のよいデータだけを流用してしまう傾向だ。
 我々教師も都合のよいデータだけを引用して自説を補強することがないよう留意したい。

◆何かの理論を実証しようとするときに、人はその理論に反する証拠を探そうとはせずに、どうしても自分が正しいことを証明するデータを探してしまう。
「確証バイアス」として知られる傾向である。これを乗り越える能力がチェスの上達においてはきわめて重要な要素だった。

◆当然のことながら、ベテランのグループは初級者のグループよりも正確に状況を分析していた。
驚くべきは、どのようにちがったか、という部分である。ひとことでいえば、上級者のほうが悲観的だった。
初級者は気に入った手を見つけると確証バイアスの罠に陥りやすい。
勝利につながる可能性だけを見て、落とし穴は見過ごしてしまう。
これに比べ(中略)上級者は自分の仮説を反証することができ、その結果、致命的な罠を避けることができる。

・・・第三章「考える力」の一節だ。
 確証バイアスの罠に陥るのは、深く考えないことが原因だ。
 だからこそ、深く考えないと失敗する経験を意図的に仕組む必要がある、

 ※よく考えろ
 ※常識にとらわれるな
 ※他に手はないか

と聞いて、思いつくのが「逆転現象」の授業だ。
 多数決でも常識でも決まらない「逆転現象」の授業は、確証バイアスの罠に陥らない秘策であるとも言える。
 
 また、他人とつるまない一匹狼のたくましさを育むのは、自分の都合のよいデータだけに振り回されない強さと慎重さだも言える。
 
 ところで、『成功する子~』には、慎重さ(悲観的な見方)が大事だと書きつつも、一方で大胆さ(楽観的な見方)も大事だと述べている。

◆ダブリンの研究についてスピーゲルに尋ねると、どんな動きの結果についても少し悲観的であるくらいのほうがいいという考えには同意するといっていた。
ただし、チェスの能力全般については、楽観するほうがいいという。
演説のようなものだ、とスピーゲルは説明した。マイクのまえに立つときには少しばかり自信過剰なくらいでないと困ったことになる、というわけだ。
「どんなに上達しても、死にたくなるほど馬鹿げたまちがいをすることは絶対になくならない」。だから自分には勝てるだけの力があると自信を持つこともチェスの上達の一部なのだ、と。

・・・「慎重に、かつ大胆に」「悲観的に、かつ楽観的に」といったところか。
「繊細かつ大胆」で検索するとたくさんヒットする。
黒澤明監督の語録「天使のように大胆に、悪魔のように繊細に」という言葉とニュアンスが近い。
「大胆と繊細」「楽観と悲観」は相反する言葉ではあるが、両方を兼ね備えることが成功の秘訣のようだ。

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December 06, 2016

マイクロソフトのAII開発原則

 11/29付日本経済新聞 朝刊に「米マイクロソフトCEOに聞く」という記事があった。

◆人間中心のAIめざす 「代替」より「能力拡張」◆

という見出しで、特に注目したのは、AI開発原則の表であった。
 とりわけ、「人間に求められるもの」については、意義深いと思った。
 人間にしかできない能力にさらに磨きをかけることでしか、AI時代を生きられない。
 そのヒントが書いてある。

【人間に求められるもの】
〇共感力
 他者に共感する力をAIが身につけるのは極めて難しい。
だからこそ、AIと人間が共生する社会において価値を持つ。

〇教育
AIの普及には必要な知識とスキルを兼ね備えた人材の育成が欠かせない。

〇創造力
AIは人間の創造力をより豊かにし、拡張するが、創造力そのものは人間だれもが望む能力であり、それはこれからも変わらない。

〇結果に対する責任
様々な分野ではAIの判断を受け入れることはあっても、その結果に対する最終的な責任は人間が負う。

 なお、インタビュー記事の一部は以下の通り。
 知らないことが多すぎて、自分の考察など入れられない。
 引用ばかりですが、日経新聞さんには、どうかご理解いただきたい。

①AIはパソコンや携帯電話、インターネットに匹敵する『ネクスト・ビッグ・シング』だ。
すべての人々、あらゆる産業を大きく変える力がある。
だが、社内には技術や応用例に関する資料はあっても、AIをどうとらえるべきかといった高い次元で書かれたものがなかった。

②「AIの研究者は人間の『置き換え』を目指すのか、それとも『能力の拡張』を目指すのかを選択しなければならない。
我々は後者にすべてを懸ける。能力を拡張するといっても、あらゆるシステムを動かすのにいちいち人間が関わるという意味ではない。
自律型のシステムは今後ますます増えていく。人間の幸福とは何かを考え、その増進に役立つ『人間中心』の発想を核に設計するという意味だ」

③「ある仕事が機械に置き換わり、コストが削減された場合、そこには余剰が生まれる。
一つの解決策はその余剰に課税し、最低収入保障として再配分する方法がある。
一方で、新たに生まれる仕事や、機械には簡単には置き換えられない仕事もある。
医療の世界でいえば、“医師”の仕事は自動化できたとしても、看護師や介護福祉士などは人が足りない。
AIが普及した社会で一番希少になるのは、他者に共感する力を持つ人間だ」

④「いつの時代も、新技術が登場すると雇用への影響が議論されてきた。
今回は2つの点でこれまでと違う。
一つは対象がホワイトカラーであること。
もう一つは変化が次の世代ではなく、いまの世代が現役の間に起きることだ。
どの国も企業も抽象論ではない雇用対策や職業訓練の議論を今から始める必要がある」

⑤ ――AIのリスクを強調するほど一般人の恐怖心は増幅します。AIはやはり潜在的に危険な技術なのですか。
 「そうではない。こういう話を声高にするのは、我々の技術が使われる場所や場面が昔に比べて格段に増えたからだ。
以前は一家に1台あるパソコンぐらいだったが、今は自動車の安全にも自分の健康にも学校を卒業できるかにも我々の技術が関わっている。
ITが主流になり責任も増えたからこそ早め早めに考えておこうということだ」

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO10049350Z21C16A1FFB000/

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October 09, 2016

進路指導に役立つ「GRIT」

Grit  先日のサークル例会で、「進路の学年集会」の話題になった。
中3対象の進路の集会だから、ラストスパートであるとはいえ、これ以上頑張らせたら壊れてしまう子もいるし、何度言っても焦りのない子もいる。全員の心に沁みるような全体指導の言葉かけは難しい。
 直近の受験対策ではなく、もう少し長期的な視野に立っての進路選択の大切さを伝えたいとの話題に沿って、手持ちの「GRIT」(ダイアモンド社)をパラパラめくっていると、使いたい箇所がたくさんヒットした。
 念のため解説しておくと、「GRIT」は、TEDトークの「成功するカギは、やりぬく力」のプレゼンテーションで注目されたダックワースの待望の1冊である。t

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若い人たちに「自分が本当に好きなことをしなさい」とアドバイスするのは、バカげたことなのだろうか。
じつはこの問題については「興味」を研究している科学者たちが、この10年ほどで最終的な結論に達した。
第一に、人は自分の興味に合った仕事をしているほうが、仕事に対する満足度がはるかに高いことが、研究で明らかになった(中略)
第二に、人は自分のやっている仕事を面白いと感じているときのほうが、業績が高くなる。(中略)
自分の興味に合った分野を専攻した大学生は、成績が高く、中途退学の確率も低いことが分かっている。(P140)
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というくだりは、「好きな進路を選べ」というメッセージにはなる。
 ただし「好きなことなら努力しなくていい」とは言っていない。

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「誰だって、自分が本当に面白いと思っていることでなければ、辛抱強く努力を続けることはできません」(中略)
「ただ、好きだからといって、上達できるとは限らない。努力をしない限り、上達するはずがないのだ。
だから、多くの人は、好きなことをやっても全然うまくならない」
 私もそう思う。自分の興味があることを掘り下げるにしても、練習に励み、研究を怠らず、つねに学ぶなど、やるべきことは山ほどある。だからこそ言っておきたいのは、好きでもないことは、なおさらうまくやれるはずはないということだ」(P147)
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というくだりは、「好きなことでさえ努力が必要だ」と釘をさしている。

 だから、逆に言うと

◆好きでもないことをやらざるを得ない場合は相当の覚悟が必要だ◆  

ということになる。
 目先の受験勉強で言えば、不得意教科の努力は大変だということ。
 決して「好きな教科だけやっていればよい」ということにはならない。

◆得意な教科から先に取り組んでモチベーションを上げたり、調子を上げたりしておく。
◆徹底的な得意な教科をつくって、確実に点数を稼いでおく。
などの策を講じることになる。

 さて、長期的な進路選択の話というと、次の箇所も外せない。「モチベーション3・0」にも同様の指摘があった。
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自分の仕事は重要だと確信してこそ、「情熱」が実を結ぶ。
目的意識を感じないものに、興味を一生持つ続けるのは難しい。
だからこそ、自分の仕事は個人的に面白いだけでなく、ほかの人びとのためにも役立つと思えることが絶対に必要だ。P133

「大きな目的」のためなら、粘り強くがんばれる P215
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 「GRIT」をそのまま中学生に読ませたいとは思わないが、エッセンスをうまく伝えていけるといいなと思う。

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August 30, 2016

niftyのホームページサービス終了

「@homepage(アット・ホームページ)」は、2016年9月29日に終了します。「@niftyホームページサービス」への移行をお願いします。
・・・ついに来たか、という印象。
PCを更新するごとにHPのフォルダを移し、ホームページビルダーをインストールする気力が失せ、niftyのHPがずっと放置してある。
しかし、自分にとってはいざとなったらネット上にデータが残っているので、閲覧は可能だった。
そのniftyのHPサービスが終了。わざわざ移行するのも面倒だが、データが全てなくなるのは、もったいない。
せめて、データの確認や整理は、この1か月でやっておこうと思う。

このココログのブログデータもかなりの量になった。
HPより多い。
もし、サービス終了となると、データ保存していないので、こっちの方が大変だな~。

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「ポケモンGO」がもたらす未来

 ポケモンGoに代表される「位置情報ゲーム」
 自分は全く詳しくなかったのだが、ポケモン以前にも、こうした「位置ゲー」はたくさんあったことがウイキで分かる。少しだけ引用する。

・しろつく ケイブ mobage・GREE
・くにつく ケイブ GREE
・foursquare(フォースクエア) Foursquare Labs, Inc.
・ドリームオーナー 株式会社Tryden iOSアプリ
・ジコ駐 株式会社シーラス iOSアプリ
・ケータイ国盗り合戦 株式会社マピオン
・犬わんグランプリ NTTレゾナント株式会社)
・携帯戦国列伝 株式会社リッチマン
・ケートラ(2011年サービス終了) ホンダ
・しらべる 株式会社カヤック
・コロニーな生活 株式会社コロプラ
 
 ポケモンを開発したナイアンテイックは「Ingress」で、すでに位置情報ゲームに参画し、ヒットを収めていた。
 そのイングレスについて興味深い記事がある。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tokurikimotohiko/20160722-00060232/

イングレスは実は位置情報ゲームにおけるOSでありプラットフォームでありデーター収集装置なんですよね。 
あれを単体のゲームとして評価することに意味がないわけです。
イングレスユーザーが日々足を棒にしてイングレスをプレイし、ポータルを申請し、位置情報ゲームにおける問題を見つけ、フィードバックしたことで、ナイアンティックは今から他の誰かが追いつこうと思っても永遠に追いつけないだろうと思えるほどの位置情報の具体的な生のデータを大量に収集することができているわけです。
あれだけのデータをアルバイトとかにお金を払って集めようと思っても、数千万円とかじゃきかないわけですよ。
ある意味イングレスは、ユーザーに毎日無料でボランティアでデータ収集に協力してもらったと思えば、その稼働コストだけでも相当な金額の貢献が生まれているはずです


・・・「位置ゲー」は、地点Aから地点Bに行くのに、人はどのルートを通るかのデータ収集につながる。
ゲームの参加者がアナログデータをせっせと提供しているわけだが、このようなアナログな作業がビッグデータとなることは、グーグルマップでもおなじみだ。
 グーグルカーが地道に地球上をグルグル回ったから、ストリートビューができた。
 そして、その膨大なデータは、「自動車の完全自動運転化」につながっていく。
 完全自動運転化でグーグルが優位と言われるのは、膨大なグーグルカーのデータがあるからだ。

 ちなみに、このポケモンGoを開発したナイアンティックは、米グーグルの社内ベンチャーが独立してできた企業で、ナイアンティックのCEO(最高経営責任者)であるジョン・ハンケ氏はグーグルに在籍中、「グーグルマップ」や「グーグルアース」など、地図サービスの責任者を務めていた人物である。

 位置ゲームとして利益が上がらなかったと言われるイングレスも、データ収集としては、膨大な価値を生んだ。そのデータ収集が「ポケモンgo」により、さらに加速している。
 データの精度がより高くなっている。

 「たかがゲーム、されどゲーム」である。

Chapter

  さて、かつて、パスワード入力代わりに、不思議な文字を読み取って入力する作業があった。
  あれがキャプチャ=CAPTCHA。
  CAPTCHAは「Completely Automated Public Turing Test To Tell Computers and Humans Apar。
「コンピュータと人間を区別するための完全自動化された公開チューリングテスト)」の略だそうで、あの面倒な手入力が、ネットへの不法侵入を防いできた。
 1日に2億回もCAPTCHAによる認証が行われているその労力を有効活用したのが、reCAPTCHA。
 古い書籍をデジタル化するのに、コンピュータでは読み取れない単語をCAPTCHAの問題に使い、人間に解読してもらうアイデア。
 カーネギーメロンで始め、創業したが、1年半後にグーグルがこの会社を買い取った。
 さすがグーグル!

http://logmi.jp/28125

 アナログ入力を無料でやらせて膨大な情報を得るという意味では、キャプチャも位置情報ゲームも同じ戦略であることが分かる。

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August 21, 2016

この夏のニュース レーザー核融合

 オリンピックとポケモンGO以外のこの夏のニュース。

 7月27日の経済欄に掲載された「レーザー核融合」。
 大半は分かっていないのだが、なんだかすごい技術が進んでいるという印象をもった。

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《経済》 レーザー核融合 新技術 実用化へ前進

 光産業創成大学院大(浜松市西区)や浜松ホトニクス、トヨタ自動車などの研究チームは二十六日、核融合で使う燃料を効率よく加熱するレーザー照射法を開発したと発表した。燃料の左右にレーザーを当てて加熱し、核融合を起こしてエネルギーを発生させる方法で、研究チームは二〇二〇年をめどに産業分野などへの応用を目指している。
 レーザー核融合は、強力なレーザーを使って核融合を起こす技術。重水素やトリチウムを凍らせた燃料にレーザーを当てると、原子核同士が融合して別の原子や中性子ができ、その際にエネルギーが生じる。エネルギーを活用した発電などを目指し、各国で研究が行われている。
 通常は燃料に一方向からレーザーを当てて加熱するが、研究チームは二方向から照射する方法を採用。直径五百マイクロメートル(マイクロ=百万分の一)の球状の模擬燃料の左右から、強弱の異なるレーザーを三段階に分けて当てて加熱し、核融合反応を起こすことに成功した。
 この方法では、小型のレーザー装置で核融合を起こせるメリットもある。光産業創成大学院大の森芳孝准教授は「今後はレーザーの大出力化に取り組み、レーザー核融合の実用化を目指したい」と話す。核融合の際に出る中性子を活用して車載電池の内部を検査するなど、産業や医療分野での応用を想定している。

 研究チームは光産業創成大学院大や浜ホト、トヨタ自動車のほか、名古屋大未来社会創造機構、米国ネバダ大など計八機関の十九人でつくる。今回の成果は米国物理学会誌「フィジカル・レビュー・レターズ」の電子版に二十八日付で掲載し、十月に国際原子力機関(IAEA)が京都で開く会議でも発表する。
(西山輝一)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20160727/CK2016072702000105.html

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 浜松ホトニクスのHP 2016/07/26
 学校法人 光産業創成大学院大学・ 浜松ホトニクス株式会社
光産業創成大学院大学(浜松市西区、学長 加藤義章)、トヨタ自動車株式会社(本社 豊田市、代表取締役社長 豊田章男)、浜松ホトニクス株式会社(本社 浜松市中区、代表取締役社長 晝馬明)らは、核融合燃料に対向して設置したレーザーから強度を変えて3段階で対向2ビーム(計6ビーム)照射することで、効率の良い核融合燃料の新たな加熱機構を発見しました。
 これは、大型のレーザー核融合施設と比較してレーザー本数が少なくコンパクトな装置でも核融合燃料を圧縮でき、十分に加熱、発光可能なことを示したものであり、将来のレーザー核融合実用化に向けて前進しました。
本研究成果は、7月28日(木)付け米国物理学会誌「Physical Review Letters(フィジカル・レビュー・レターズ)」の電子版に掲載される予定です。また、10月17日(月)から6日間、国際原子力機関(IAEA)が京都で主催する「第26回 IAEA核融合エネルギー会議」で本研究成果を発表する予定です。
なお、本研究チームは、光産業創成大学院大学、トヨタ自動車株式会社 先端材料技術部、浜松ホトニクス株式会社 中央研究所、株式会社豊田中央研究所、名古屋大学未来社会創造機構、公益財団法人 レーザー技術総合研究所、米国ネバダ大学リノ校、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の8研究機関19名の研究者で構成されています。

http://www.hamamatsu.com/jp/ja/news/development/20160726000000.html

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 「核分裂」でなく「核融合」。
 「開発」でなく「発見」。
 核融合の子供向けサイトを確認しても、分かった気になるだけで、正確なところは理解できない。

http://www.nifs.ac.jp/ene/qa/qa_02.html

 核分裂反応を利用した原子力エネルギー原発の代替として、水素を原料にする核融合エネルギーも話題になったが、核融合は核融合で管理が難しく安全性が問われていると読んだことがある。

 とはいえ、このニュースが目に止まったのは、「浜松ホトニクス」が含まれていたからだ。
「ノーベル賞”御用達!光の技術を極める超絶企業」と呼ばれる企業。

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20131212.html

「天野さんがノーベル賞を受賞した原点」ということで、かつてダイアリーにも書いたことがある。

◆ノーベル物理学賞受賞者の天野浩さんは浜松市出身。
 天野さんは子どもの頃から、浜松出身の「高柳健太郎氏」のことを教えられてきたそうだ。
 高柳健太郎と言えば、世界初のブラウン管式テレビの開発者である。
 その高柳の教え子には浜松ホトニクスの創業者・堀内平八郎、松下電器製作所の久野古夫などがいる。
 浜松ホトニクスと言えば、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんがニュートリノを観測した「カミオカンデ」の会社でもある。

・・・日本最先端にについて、しっかりアンテナを張っていたい

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July 27, 2016

「ポケモンgo」 ~他にやるべきことがある~ 

 話題の「ポケモンgo」について、海老蔵が大人の発言をしている。

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他にもっとやるべき事が沢山あるから、
やめとこ…

http://ameblo.jp/ebizo-ichikawa/entry-12183818862.html
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 気分転換もエンターテイメントも否定しない。
 ただし、 「今やるべきことはないのか」は自問自答してほしい。

 そのことを誰かきちんと教えるべきだ。
 企業の戦略もあるから、今は魅力的な娯楽が多い。
 誘惑に打ち勝つのは難しい。
 そんな時代だからこそ、

 「やるべきことをちゃんとやる」
 「優先順位を見失わない」

といった「意志力と計画力をもった子どもを育てていかないといけない。


 「ポケモンgo」を、子どもがやるには、スマートフォンの購入が必要になる。

①子供にせがまれて、スマートフォンを買い与えてしまう家庭の問題
②スマートフォンが買ってもらえなくて、奪うなり盗むなりするトラブル発生の問題
③「ポケモンgo」をやるための夜遊び・遠出・危険区域侵入の問題

などが気になる。
 むろん家族や友達で楽しみながら散歩したり遠出したりするツールとしては面白いと思う。
 LINEの功罪同様、ポケモンgoの功罪も、今後議論になるだろうが、多くの小中学生もスマートフォンを持つ時代が確実に来ている。その流れは、もう止められない。今回の「ポケモンgo」は、その流れを決定づけたんじゃないかな?

 ところで、勝手に設置されて迷惑をこうむっている人がたくさんある。警察も役所も事故対応等で公務に支障が出ている。
 勝手にポケモンを設置した制作会社は訴訟問題にならないのだろうか。

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June 26, 2016

道徳「友情」の指導

 6年生の道徳資料に「ルソーとミレー」がある。。
 「友情」が主題で、メインとなる筋は、貧しい画家ミレーのために、友人のルソーがミレーの絵に買い手がついたと偽って高額で買い取った話。

 http://www.fuku-c.ed.jp/center/houkokusyo/h27/doutokug-ken.pdf

 友だちのために嘘をつく・自分を犠牲にするという点では「ないた赤おに」「手品師」を彷彿とさせる。
 「ないた赤鬼」も「手品師」も結末については、本当にあれが美談なのかといった批判がある。
 しかし、「自分のために、そんな嘘をつかれて相手が喜ぶかな」などと冷めた見方をせず、純粋に、自己を犠牲にする友情の存在を理解させる資料として授業展開をしていきたい。
 この資料に近い卑近な例と重ねて、授業展開を考えてみた。

 たとえば、友達が歌手を目指していて、CDデビューしたとする。

 自分は、どのタイプだろうか?

 A:友達だから安く売ってもらう
 B:定価で売ってもらう
 C:その他

A:「友達に売ってもうけようなんて、ずうずうしい。友だちには安くして当然」

B:「友達だから安く売ってあげるよ」と言われるなら、安くしてもらってもいいだろうけど、こちらから「安くしてよ」と言うのは失礼だ。
 「友達から買ってもらってもうけようなんて図々しい」と言うなら、自分だって「友達だから安く分けてもらおうなんて図々しい。」
 「他の人が払うより安い値段でしか買わないなんて、その友人のファンではないということだ」

 本当の友情は、CDデビューした友達の音楽活動を応援することだから、きちんと定価で買うべきだろう。
やはり、AよりBの方が、相手を考えた友情だと思う。

 でも、本当の本当の友情は、そんなものではない。
 それは、Cの「その他」。

①定価にカンパ金を上乗せする。
②CDを余分に買う
③自分がCDを売る手伝いをする。

などだ。
 友達の大ファンとして、友達の成功を心から願うなら、
たくさんの人に歌を知ってもらうために、
たくさんのCDが売れるために
自分が動くこと・自分がお金を出すことがある。

A「友達だからCDを安く売って」と頼む子
B 友達だからCDを定価で買う子
C「友達だからCDを余分に買うよ」という子

 この3通りの友人について、どう思うだろうか?

 Aの「安く売って」という友人は、自分の利益を優先している。
 「相手の事を考えないにせものの友人」

 Bの「定価で買う」って、誰もがすることだから、当たり前。
  「友人」というよりは「ただの人」

 Cの「余分に買う」という友人は、相手のために行動している。
 「相手の事を考える本物の友人」

 むろん相手側から考えたら

 「友だちならCDをたくさん買ってよ」とせがむ友人は、自分の利益を優先している「にせものの友人」
 「友だちだから安くしておくよ」という友人は、相手のために行動している「本物の友人」

ということになる。
 だから、本物の友人同士だと
 「お前を応援したいんだから、俺にたくさん買わせてくれ」
 「友人のお前にそんなに買わせるわけにはいかない」
といったバトルになって、堂々巡りになるかもしれない。
 だからこそ、この資料は、「買ってくれる相手がいるから、たくさん買わせてくれ」という嘘があとでばれるという形になっている。
 
 自分が本当に困っているなら、正直に「困っている」と告白するのも友情だろうし
 相手の厚意を素直に受け入れて、素直に感謝することも友情だ。
 ここは先生の考えを無理矢理押し付けられないので、「友情」について、子どもたちに考えさせてみたい。

 さて、「私たちの道徳」の中学年の部には

①相手が問題の答えが分からなくて困っている場面で
「友達だから答えを教えてあげたほうがいいのかな」

②相手がかけっこでいつも負けてばかりいる場面で
「友達だから、たまには負けてあげた方がいいのかな」

③相手が給食当番をやりたくないなと思っている場面で
「友達だから変わってあげた方がいいのかな」

と悩む絵がある。

 友達だから応援してあげたいという気持ちが長じて
「許してあげる・大目に見てあげる・不正をして楽をさせてあげる」
ということがあってはならない。
 でないと、エスカレートして、

①友達の給食だけ大目に盛り付ける
②友達の代わりに場所取り・順番とりをする

といった「ご機嫌取り」になる。
 そのような「なれ合い」の人間関係は要らない。

 したがって「友達のために、CDを余分に買う」という行為も、「ご機嫌取り」のためなら意味がない。
 本当にその子を支えたいという思いがあってこそ、あるべき行為だ。

 場合によって「厚意」は「おせっかい」になる。
 厚意による「嘘」もあれば、相手を甘やかすだけの「嘘」もある。

 6年生に「厚意の嘘」がどこまできちんと理解できるのか、それによって、実際の授業は全く違う様相になるだろうが、
 しかし、どんな反応にも柔軟に切り返して、子どもが本音で「友情って何?」を考える1時間の授業にしてほしい。

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June 24, 2016

我慢・自制・刺激統制

 中野信子氏の 『教育技術』連載  Do You 脳 「人のココロ」
 タイトルは、どうしようもなく情けないが、内容は勉強になる。
 7月号では、

「ダラダラしがちな子どもたちのやる気を引き出すためにはどうすればよいのでしょうか」

ということで、認知科学的な対処法を紹介している。

①余計なものを排除する
②大人も一緒に取り組んでみる
③できる目標を立てて達成感を与える
「毎日少しずつ取り組めば、最後にはできるようになる」ということを、体で覚えさせるのです。
④上手にご褒美を与える
⑤5分間だけ昼寝をさせる
⑥アウトプットをさせる

 ⑥まであるが、①だけでも十分意味がある。

◆余計なものを排除する
 
 子どもの集中力をアップさせるためには、まず、余計なものを視界から排除してあげることが有効です。
 例えば勉強中に、勉強道具以外は近くに置かないようにしましょう。

・・・特別支援や療育の研究資料では、よく「刺激統制(距離を置く)」などと言われる。
 集中の訓練のための環境整備として、雑音を排除したり、視覚刺激が入らないようにしたりする。

 ただし、表記が微妙である。
 「排除する」なら、子供の行動、「排除してあげる」なら、第三者の行動になる。
 今回の中野氏の回答は、教師・保護者向けだから、やる気の上がらない子どもをどう支援するかの立場で書いてある。

 学習環境の第一歩、学習をスタートさせる第一手は、「誘惑(余分な刺激)の排除」。
 しかし、誘惑の排除を子供自身で行うのは難しい。
 家庭学習を進める上で、支援者が誘惑の排除を手伝ってくれるかどうかの差は大きいとつくづく思う。
 自分で、誘惑を排除できること(自己統制)が望ましいが、それが困難なら、教師や保護者が支援するしかないのである。

 ところで、「マシュマロ テスト」は、誘惑に耐えるテストだ。
 目の前にマシュマロがあると、我慢するのは難しい。
 その一方で、実物の代わりに写真があると、逆に励みになって我慢しやすいというのだから、誘惑の抑制は実にややこしい。

 「誘惑への抵抗」を調べる実験としては、「ミスター・クラウンボックスのささやき」もある。

 実験者は、作業中にクラウンボックスが誘いかけた時の自分への言い聞かせ方として3つを提示した。

①誘惑を抑える言い聞かせ「クラウンボックスを見ないんだ」
②ごほうび志向「あとで、おもちゃで遊ぶんだ」
③課題のやりとげ志向「私は仕事をするんだ」

 ③の課題やりとげ志向 は、「言い聞かせなし」よりも成績が低かったのが、①②は、成績がよかった。
 他人からの言い聞かせ(外的統制)ではなく、自分自身の言い聞かせによる自己統制に移っていくことの大切さを示す実験結果である。

 誘惑に耐えるために、後回しにする方法は、「if-then戦略(交換条件)」と言われる。
 「勉強が終わったら、おやつにしよう」という形で、自分に約束する方法である。
 他人に宣言すると、さらに成果が上がる。

 ただし、誘惑を中断すると、気になって仕事がはかどれない。
 「テレビを途中で消して仕事を始めると、気になって集中できない」というように、中途半端に放り出した問題については、脳が忘れないようにと注意を喚起することを「ザイガルニック効果」と言う。

 そして、我慢をしすぎると、次の課題の時に折れてしまう「自我消耗」が起こる。そして、かえって欲求が強く残ってしまうと言う。

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※人は精神的疲労に勝てることもあるが、意志力を発揮したり決断を下したりすることでエネルギーを使い果たせば、やがて誘惑に負けてしまう。

※被験者を自我消耗の状態にしたところ、感情にはっきりした変化は現れなかったが、すべてのことに対する反応が強くなったというのだ。
(中略)感情だけでなく欲望も強く感じるようになり、クッキーを一つ食べたあとに、もう一つどうしても食べたくなり、可能なら実際に追加のクッキーを食べた。
またラッピングされた箱を見ると、開けてみたいという特に強い欲求を感じたという。

 『WILLPOWER 意志力の科学』 ロイ・バウマイスター インターシフト発行2013
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 意志力の消耗は、脳の糖分の消耗とも関連があるのだとも書いてある。
 ダイエットをすると、かえって食欲が強くなり、食欲に対する抵抗力も弱まってしまうから、ダイエットできないという「パラドックス」が起こるらしい。
 おかしな話だ。
 意志力を気合だけで解決させようとすることが、いかに愚かがよく分かる。
 さらに、あまりに我慢をして、結果が伴わないないと、やけを起こすような行動になってしまう
 「今日は早起きしようと思っていたのに、寝過ごしたので、あきらめて2度寝する」というような、笑えない行動だ。

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 ダイエットに努力しているのに、お昼についつい食べ過ぎてしまった。
 その日の夜、ダイエットしなければならないのに、気力が失せて、ますます食べてしまう。
 「今日は無理だったから、明日からダイエットしよう」
 「今日は制限カロリーをオーバーしたから、もう関係ないや」

 このような心理を「どうにでもなれ(what the hell)効果」というそうです。

 「私たちは目標達成に成功しつつあるのに、一瞬の狂気で全てのことが泡に消えることがあります」
 このどうにでもなれ効果はセルフコントロールの欠如でも、刹那的な過ちでもなく、目標を見失ったことと関係しています。

http://www.shinrigaku-news.com/article/44123984.html
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 「我慢」を、根性論で語るのでなく、科学的に語る必要がある。

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