August 20, 2017

道徳授業の予備知識 ~「思いやり」を例に~

(1)「行動」の定義

 行動分析学(応用行動分析学)が定義する「行動」の条件は、次の2つである。それぞれのチェックを「死人テスト」「具体性テスト」と呼び、双方をクリアしないと「行動」とみなされない。        
①死人にはできない
・・・「~しない」というのは死人にもできるので「おしゃべりしない」「動かない」「人を叩かない」などは、「行動」と言えない。

②具体性がある。複数の人が見て(録画してみて)、それと分かる。
・・・「深く考える・反省する・楽しむ」のような心情的・内面的なものは「行動」と言えない。

参考 http://aba-airi.hatenadiary.com/entry/2016/09/05/220352

(2)if-then計画

 「思いやりの心」は、具体的な行動が問われる
◆ごみ箱のごみがあふれている時に、こぼれたごみを拾ったり、ごみ箱をぎゅっと押さえて捨てやすくしたりできる。
◆給食当番で自分の分担が終わったら、ためらいなく他の子の仕事を手伝える。

 「あかじめ○○になったら△△をする」と決めて実行することで、行動を自動化しようとすることを「if-thenプラン(条件型計画)と言う。
 しつけも、行動規範も、「こういう時は、こう動く」という「if-then計画」の積み重ねなのだと言えるのだが、道徳も同じと言えるのかどうか自信がない。

(3)「具体化」と「一般化」(汎化)

 if-then的に具体的な行動を習得するだけでは、新しい場面で動けない。
 一方、抽象的に「思いやりの行動をしよう」と唱えているだけでは、具体的な場面で動けない。
 「ごみ箱があふれていたら、どうすればいいかな?」のような具体的な場面でのシュミレーションを行うとともに、「このように困っている人を見かけたら、自分ができる支援策を考えて実行する」という総括的な心構えとをしっかり結びつけていくことが道徳の授業の大事な役割だと思う。
 だから、道徳授業の基本的な1時間の枠組みは、前半は資料の中の出来事に合わせて考え、後半は自分たちのふだんの生活に置き換えて一般化するようになっている。
 ただし、この指導過程は理に適っているものの、もはや形骸化してしまっている。

(4)「思いやり」は「想像」であって「看取り」とは違う

 国語辞典で調べたら、「思いやり」の2番目の意味が「想像」であった。
 ということは、目に見える相手を助けるのは「思いやり」ではなく「見取り(看取り)」にすぎないということになるだろうか。
 低学年の「思いやり」なら目の前の人への支援でいいと思うが、高学年にとっての「思いやり」は

◆「この切符を落とした人、今ごろ困っているだろうな」
◆「同じ地球上で、学校に行けずに辛い思いをしている人に何かしてあげたいな。」

というように、目に見えぬ人に思いをはせることであり、それは、やっぱり「看取り」とはレベルが違う。
 授業者が「看取り」と「想像」の違いを自覚しないと、高学年で「看取り」の授業をしてしまうかもしれない、
 
 さて、「想像」と言えば、ジョンレノンの「イマジン」が思い浮かぶ。世界の平和は、まず「想像」から始まるのだ。

Imagine there's no Heaven
It's easy if you try
No Hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

想像してごらん 天国なんて無いんだと
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし
 僕たちの上には ただ空があるだけ
さあ想像してごらん みんなが
ただ今を生きているって...

 想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も死ぬ理由も無く
そして宗教も無い
 さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって...

 僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
きっと世界はひとつになるんだ
http://ai-zen.net/kanrinin/kanrinin5.htm


 「私たちの道徳」(中学年)には、「だれかの生活をささえられる人に」と題して、まどみちおの詩が紹介されている。

=============
朝がくると とび起きて
ぼくが作ったものでもない 水道で 顔を洗うと
ぼくが作ったものでもない 洋服をきて
ぼくが作ったものでもない ごはんを むしゃむしゃたべる

それから ぼくが作ったものでもない本やノートを
ぼくが作ったものでもない ランドセルにつめて せなかにしょって
さて ぼくが作ったものでもない 靴をはくと たったかたったか でかけていく
ぼくが作ったものでもない 道路を
ぼくが作ったものでもない 学校へと
ああ なんのために

いまにおとなになったら ぼくだって ぼくだって
なにかを 作ることが できるように なるために
===================

・・「モノ」の向こうにいるはずの「人」に思いをはせることで、関係が広がり、関心が広がり、想像が広がり、思いやりの心が広がっていく。 
 この詩が中学年で紹介されているということは、中学年で「看取り」ではなく「想像」まで指導せよということにもなるのかもしれない。

 さて、冒頭の話題に戻るのだが、「イマジン」やまどみちおを詩を読んで「想像する」だけでも、道徳になるのかなという思いがあって、現在困惑中である。
 「想像」は、目に見えないから行動でない。
 「想像」してみたところで、これからどうすればいいか、全然具体的でない。

 それでも、「想像」するだけでも、子どもの人生に何か影響があるかもしれない。
 道徳は「心」を扱う。「行動」を扱うのは生徒指導と言わることに、反発したくなるのだが、やっぱりそうなのかなと思ってしまう。
 道徳は、やはり奥が深いのだ。

 ※むろん、「想像」だけでは授業にならないし、評価もできない。
 想像したことを発表させたり、ノートに書かせることで視覚化させる。
 想像した内容を話し合いの形で相互交流させることで視覚化させるといった授業の工夫が必要である。

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August 12, 2017

結果ではなく努力を褒めるのがスタンフォード流

 「結果ではなく努力を褒めるのがスタンフォード流」というネットの記事(無料で閲覧できる)
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160314/biz/00m/010/001000c

 キャロル・ドゥエック教授の講義内容が紹介されており、「『やればできる』の研究」の復習になった。
 ちなみにドウエック教授の「やればできるの研究」については、かつて書いたことがある。

http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2016/07/s-88fe.html

 今回のネット記事は非常にコンパクトにまとめられているので、そのまま引用するだけで済んでしまうが、さらにまとめてみる。

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「硬直マインドセット」をもっていると、「自分は勉強してもムダだ」と自ら限界を決めてしまいがちで、学習意欲が著しく低いまま。
一方「しなやかマインドセット」が高まると、「今はまだできないだけで自分も能力を伸ばすことができる」と捉え、勉強に取り組む勇気や活力がわき、実際に成績が向上する。

◆「まだ」というのが魔法の言葉です。
知らず知らずのうちに、子供は「いつかはちゃんとできるのだ」と自分を信じる力がつきます。
この自分を信じる力こそ、しなやかマインドセットであり、挑戦し続ける気持ちなのです。

◆しなやかマインドセットの割合が高い人は、目の前の課題や挑戦的なことに対して前向きに、積極的に取り組みます。
その結果、失敗しても、「『今』の私は失敗したけれど、もう一度トライすれば成功できるかもしれない」と気持ちを切り替えて、その経験を肯定的に捉え、次の課題に挑むようになるのです。こうした心持ちになり、それを維持していくには、周囲の人たちや保護者との接し方、特に「言葉がけ」が大きく影響します。

◆褒める際は大げさにせず、結果ではなくプロセスを評価していました。
さらに、その子の持つ能力や才能ではなく、努力したことについて褒めるのが大切です。

◆(悪い言葉かけ)・・子供を大げさには褒めてはいけない
例えば、テストで100点満点を取った子供を「○○ちゃんはすごいね!」と大げさに褒めれば喜ぶかもしれません。
ただ、こうした大げさな褒め方をされると、自分はすごいのだ、できて当然という心持ちになり、さらに自分はすごくなくてはいけない、という考えに縛られます。
すると、自分がすごいという思いを維持するために、難度の上がったテストを受ける際、100点満点が取れないとわかった時点で、取り組むのを放棄したり、諦めたり、言い訳を探し始めたりするのです。子供なりに自尊心が傷つくのを避けるための行為だそうです。
また、自分の「すごさ」を認識するために、他者との比較に頼りがちになります。自分のテストの点数に向き合うのではなく、自分より点数の低い子を探し回ることも少なくありません。

◆(よい言葉かけ)・・次の目標につながる言葉をかける
テストで100点満点を取ったのであれば、「がんばったね」などと声をかけがちですが、子供の受け取り方はさまざまです。
もし、あまり勉強せずに100点をとれた場合、子供は無意識に「これくらいが、がんばることなのだ」と考え、それ以上の努力をしなくなる可能性があります。
つまり、子供がどの程度勉強したかという努力を褒めるのです。
このような場合、「このテストでは物足りなかったかな? もっと難しいことに挑戦しよう」などと、次の目標を提示すると良いでしょう。
もちろん、これ以上できないほど勉強して100点を取った場合は、最大限の褒め言葉をかけてあげましょう。
どの程度勉強したのかがわからなければ、「勉強でどんな工夫をしたの?」などと聞き、子供の話す工夫について、「その方法がよかったのね」といったように、努力や工夫することを後押しする言葉をかけます。
満点が終着点なのではなく、学びの通過点であることを伝えるのが大切です。

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 子どもの努力を褒めるということは、その結果が「努力に値するかどうかを把握する」ことであり、点数で測るより、はるかに難しいことだ。
 当たり前だが、努力を褒める・努力していなければ褒めないためには、日頃の子どもの様子をしっかり看取っている必要がある。
あるいは、「どんな工夫をしたの?」というような対話をする必要がある。
100点取ったから褒めるのは簡単だが、それ故、シロウトの行為にすぎないのだ。教師のやることではないと自制するとともに、日々「次の目法につながる言葉かけ」を模索し、体得していかねばならない。

◆疑問や問題を抱えた子供に対して、先生は、「友達に聞く」「前に自分がどうやったかを思い出す」「周囲に目を向ける」の三つのことを繰り返し促すそうです。こうして子供たちは、自分とその周囲の友達や物事から答えや解決策を見つけるようになるのです。
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160229/biz/00m/010/008000c

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大事なのは「自信」

 「オズの魔法使い」

 白黒の映画を観たことがあるが、はっきりとストーリーを覚えていない。
 異国に舞い込んだ主人公ドロシーが、様々な困難を乗り越えて自宅へ戻る。その間に、桃太郎の「猿・雉・犬」のごとく「ライオン・案山子・ブリキの木こり」がお供をするといったところだろうか。

 この「ライオン・案山子・ブリキの木こり」について意識してなかったのか、忘れてしまっていたのか、たまたま詳しいストーリーを知って新鮮な驚きがあった。

 ウィキに載ったあらすじから抜粋すると

◆魔女は一行をズタズタに切り裂くため狼たちを送るが、ブリキの木こりが斧で殺す。
魔女は一行の目を潰すため野生のカラスを送るが、カカシが彼らの首を折って殺す。
魔女は一行を刺すため黒い蜂の群れを集めるが、カカシのわらがドロシー、ライオン、トトを隠し、ブリキには刺さらずに蜂は死ぬ。
魔女はウィンキーの兵士たちを送るが、ライオンが直立すると恐れて引き返す。
ついに魔女は黄金の冠の力を使い飛ぶ猿を呼び集め、ドロシー、トト、ライオン、カカシを捕まえ、ブリキの木こりをへこませる。
魔女はドロシーの銀の靴を手に入れることを企て、ドロシーを自分の専属奴隷にしようとする。
悪い魔女はドロシーを騙して銀の靴の片方を脱がせることに成功する。
怒ったドロシーは魔女にバケツの水を思い切りかけると、魔女が溶けてドロシーは驚く。
(中略)
一行がオズの魔法使いに再会した時、トトが王座の隅のスクリーンを倒してしまうと魔法使いが現れる。
彼は平凡な老人の詐欺師で、だいぶ前にネブラスカ州オマハから気球でオズにやってきたと申し訳なさそうに語る。
魔法使いはカカシに糠、ピン、針を詰めた頭を、ブリキの木こりにはおがくずを詰めたハート型の絹の袋を、臆病なライオンには勇気が出る薬を与える。
彼らは魔法使いの力を信じているため、これらをもらって喜ぶ

・・・「ライオン・案山子・木こり」は、オズから魔法をもらう前に「勇気・知恵・ハート」を発揮している。
元々魔法を持たないオズは、この3人に偽物の魔法で自信を与えたにすぎない。まさに「プラシーボ効果」だ。

 次のサイトでは、3人は既に「「勇気・知恵・ハート」を持っているのだが、自信を持たせるためにオズが手を打ったと説明している。

◆オズは、かかしが賢く、木こりに心があり、ライオンが勇敢なことを知っていたので、彼らの願いを聞く必要はないと思いましたが、3人は願いを叶えてくれと聞き入れません。
そこでオズは一計を案じ、彼らに作り物の脳みそや心を与えて、自信を持たせてあげました。
いまだオズの魔法を信じている3人は、オズが願いを叶えてくれたことに満足し、自分たちの脳みそ、心、勇気にすっかり自信を持つようになりました。
http://karakuchi-info.net/education/novels/oz/

◆しかし、オズの魔法使いはカカシ、ブリキのきこり、ライオンに、欲しがっているものは、もうすでに持っているということに気づかせてあげます
3人に足りないのは、知恵、心、勇気ではなく、それらを自分が持っているという自信でした。
オズの魔法使いはそれを目に見える形にして与えたことで、自信を与えたのです。
http://akinori-entame.net/wp/2016/08/15/oz/

・・・自分が持っている長所、自分が獲得した長所なのに「まだまだ自分には足りていない」と思えることは多い。
自分の長所に無自覚なのはもったいない。
 だから、暗示的なアドバイスでもいいから、第三者がうまくその気にさせてあげたい。「オズの魔法使い」には、そんなメッセージもあったんだな。

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August 04, 2017

「わたしのふつうはあなたと違う」

Photo

愛知県の人権啓発ポスターが、職員室の入り口扉に掲示してある。
 いい内容だなと前から気になっていた。
 漫画仕立てになっていて、教室内で次のような会話が交わされる。

「ひとりだけ丸がり頭だ~!」
「仲間外れだ~」
「でも、あなただってひとりだけ左利きよね」
「きみはひとりだけメガネだよね」
「そういうわたしは、太ってるわ」
「僕は背が低い」
「ほんとだ みんな違うじゃん!」

「わたしのふつうはあなたと違う
 それをわたしたちのふつうにしよう」

http://www.pref.aichi.jp/soshiki/jinken/281118.html

・・・「みんな違ってみんないい」という金子みすずの詩と共通する世界観だ(正確にはちょっと違うけど)。

わたしと小鳥と鈴と

わたしが両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥はわたしのように、 地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴はわたしのように、 たくさんなうたは知らないよ。

鈴と、小鳥と、それからわたし、 みんなちがって、みんないい。」

・・・ネットで検索してみると、人権啓発ポスターは、全部で7種類あることが分かったし、結構注目されていることが分かった。
 中でも、このポスター(1)は、分かりやすくていいなあと思う。

 君にはこんなマイナスがあるね。
 そういうあなたにもこんなマイナスがあるね。
 あれ? じゃあ、どれもちっともマイナスじゃないじゃん。

 自分たちがひけめに感じていることが、何でもないことを笑いあえたら、すごく楽になるんじゃないか。
人権意識とは、他人の違いを受け入れることなんだと感じさせるポスターで、この1枚をきっかけに人権啓発の1時間授業を創ってみたい。
ただし、「無断転載はご遠慮ください」とのことです。


※関連サイト

https://feely.jp/57403/
http://grapee.jp/265781/2
http://niko25niko.xyz/jinken

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June 17, 2017

まとまった時間の確保

 忙しい人の仕事術として、スキマ時間の活用や複数案件の並行処理などが推奨される。
 しかし、それは、変化球に過ぎないとの指摘があった(復習案件の同時処理は、かえって効率が下がるとの指摘は前からあった)。
 ドラッカー氏の「新訳 経営者の条件」にあるらしい。引用は「日経アソシエ」6月号p37より。
〇成果を上げるには自由に使える時間を大きくまとめる必要がある。
〇多忙なビジネスパーソンはスキマ時間を活用して成果を上げようとするが、それだけでは目的を達成できない。
〇細切れ時間で対応せず、そのために集中できるまとまった時間を思い切って確保しなさい。
〇時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。

・・・なるほどなー。
 思い切って長い時間を確保するには、当然、時間捻出のマネジメントが必要になる。
 それを怠ってスキマ時間で対応しても負けは見えているわけだ。
 場所の確保も同様で、きちんと一定時間集中できる場所を確保しないと成果を上げられない。

  猛省します。

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June 03, 2017

若い世代の台頭は、元気をもたらす

 将棋の史上最年少棋士・藤井聡太四段(14)が、6月2日の棋王戦予選6組決勝で、澤田真吾六段(25)を155手で破り、デビュー以来無敗の連勝記録を「20」に更新した。

 卓球のアジア女王で平野美宇(17)は、6月2日の世界選手権(デュッセルドルフ)女子シングルス準決勝進出を決め、同種目では48年ぶりとなるメダルを確定させた。

 同じく卓球の男子シングルス2回戦で、張本智和(13)が、6月1日、リオデジャネイロ五輪銅メダルの水谷隼をで破った。

 サッカーの久保建英は、4月15日、15歳10カ月11日でJリーグ最年少得点記録を達成した。

 水泳の池江璃花子(16)は、現在14種目の日本記録を保持しているが、中学3年の時点で 全日本初制覇・世界選手権初出場・3種目の日本記録保持者になっている。


・・・彼らは、若いなりに「1万時間のルール」を越えたのだろうか。一万時間に満たなくても一流になれた天才なのだろうか。
練習を苦とも思わない「努力の天才」なのだろうか。

 それにしても、若い選手の活躍は、若い世代のさらなる活躍を促す。

 スポーツに関心がなくても、将棋に関心がなくても、世界で活躍する同世代の若者がいることを伝え、自分の長所を伸ばす活力を与えたい。

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May 07, 2017

文字を覚えること・書くことは簡単ではない。

鉛筆で決められた枠の中に、文字を丁寧に書く。

「ていねいに書きなさい」
「はみ出さないで書きなさい」

と注意されても、なかなかうまく書けなくて苦労する子がクラスに何人かいる。
どんな簡単に思える文字でも、間違える子がいる。鏡文字になるような子もいる。

「できて当たり前」という教師のスタンスは、子どもを傷つける。
「できない子がいて当たり前」というスタンスで、あの手この手を使って子どもを伸ばしていきたい。


(1)ハングル文字やアラビア語を見ると「これは到底書けないし、覚えられんわ」という絶望感を抱く。

안녕하세요?/하십니까?(アンニョンハセヨ/アンニョンハシムニカ)

を識別するのは、自分には難しい。
その絶望感を思えば、日本語を目の前にした子どもの中に、文字(記号)がちんぷんかんぷんの子がいることは十分に理解できる。
「上」と「下」の区別は簡単だが、おそらく「右」と「左」の区別は、そんなに簡単ではないはずだ。
「覚えて当たり前・書けて当たり前」ではないのだという前提で文字指導に当たらないと、子供がかわいそうなのである。

(2)利き手でない手で文字を書く困難さを想像すれば「正しい形は分かっていても、思うように鉛筆を操作できない」場合があることは十分に理解できる。
鉛筆で文字を書くのは指のコントロールが必要だから、まずは「指書き」「なぞり書き」で字体に慣れさせることに価値があるのだ。

(3)5センチ四方のマスに文字を書くのと、5ミリ四方のマスに文字を書くのでは困難さが違うのだから、まずは、まずは大きく書かせればいい。
まずは空中で大きく「空書き」を何度もさせるべきなのだ。

・・・読めるか読めないかもあやふやなうちから、書き方ノートに書かせるのは酷だ。
鉛筆を自由に操作するのが困難なうちから、書き方ノートに書かせるのは酷だ。

「酷だ」と承知しながらやらせるなら、お目こぼしもできる。
どの学級でも、文字指導で、子どもの自尊感情を下げないよう配慮してほしい。

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April 09, 2017

平成29年4月16日(日)TOSS教え方セミナー春日井会場を開催します!

 「教師力」の2つの要素について、向山氏は次のように述べています。

◆「教師の力」とは何か? 二つある。
 一つは、授業を知的に楽しくできる力である。子どもたちがみんな熱中して、「先生、今日の勉強面白かったよ」という授業を毎時間やれば、荒れることはない。(中略)
 もう一つは、子どもを統率する力量である。子どものガキ大将になり、みんなをまとめて動かしていける力である。どちらも必要だ。
              
◆「子どもの気持をよく聞いて」「子どもを大切にして」「子どもを叱らないで」「子供の意見をとりあげて」
どれも、これも美しい言葉だ。正しい方針だ。
しかし、「教師がやるべきこと」をしっかりふまえないで、このように行動する教室は1カ月で騒然となる。
 
  TOSSMEDIA 教え方のプロ「向山洋一」選集
  最初の3日で学級を組織する①②より
 
・・・授業のリズムとテンポ・こまやかな教師の対応は本を読んだだけでは分かりませんし、ほかの先生の授業を参観する機会もなかなかありません。
 教え方セミナーでは、主に若手の先生を対象に、子どもに分かりやすい授業のコツや学級経営の基礎基本を模擬授業の形でお伝えしています。
 若手の先生、若手を指導する立場のベテランの先生、教育実習を控えた学生の皆さん、ぜひご参加ください。
 また、中学校から小学校に異動した先生にも、もってこいだと思います。

 45分の授業を組み立てるのは大変です。しかも、せっかく授業の準備をしても1時間の授業を終えたら、また次の授業の準備が待ってます。
 授業のパーツを知っておくと、毎回の授業に使えます。
 パーツを使いこなすと授業も安定します。
 5分程度で切り替えると、子どもの授業への集中も続きます。
 また、5分程度で語れるエピソードを持っていると、朝の会や帰りの会、授業中のちょっとした時間、道徳授業の説話などに活かせます。

1 日 時 平成29年4月16日(日曜)
  午前10時00分~12時30分(午前9時30分受付)    
2 会 場 :高蔵寺ふれあいセンター(JR高蔵寺駅より徒歩5分・駐車場有り)
3 資料代 :1000円(学生500円)
4 主 催 :TOSS春日井                       
5 後 援 :春日井市教育委員会                     

6 予定講座
(1)フラッシュカード
 教科書がなくても大丈夫。自分に自信が持てない子も、先生の言う通り・みんなの言う通りに真似をして声を出すだけで学習効果が表れます。
 みんなでカードに集中して声をそろえることで、学級の連帯感も生まれます。フラッシュカードを持っていない方・素早くカードをめくれない方のために、PC上のフラッシュカードも紹介します。

(2)音読のバリエーション

 音読にもさまざまな方法があり、ただ子どもに読ませる・音読カードの宿題を出すだけでは、子どもに読みの力がつきません。
 読みに自信のない子を救う基本は、教師が模範を示す「範読・追い読み」の徹底です。また「指名なし音読」に慣れると、指名なし発表・指名なし討論へとつながっていきます。

(3)暗唱
 楽しく読ませたら、暗唱まで取り組ませると、「やればできる」という達成感を与えることができます。できるかできないかテストする緊張感も、授業を楽しむ大切な要素です。

(4)ミニ討論(アクテイブラーニング)
 じっくり読ませ、暗唱できるほどに内容理解を深めておけば、言葉を根拠にした意見が言えるようになります。話し合い活動(ミニ討論)が盛り上がれば、自分の意見を言うことの楽しさ・人の意見との違いを比べる楽しさを味わえます。

(5)漢字練習
 教師の言うことをよく聞く時期だからこそ、少々面倒な漢字習得のルーテイーンも守られやすいのです。先生の言う通りにやってみたら漢字が覚えやすいという体験を積めば、漢字習得のシステムが身についてきます。

(6)五色百人一首
 五色百人一首を知らない人にとって百人一首は、100枚をばらして大勢で取り合う「チラシ」と呼ばれるゲームです。五色百人一首は、10枚ずつを並べて向かい合った2人が対戦する「源平型」です。5分もあれば勝敗が決まるので、どんなすき間時間にも実施可能です。

(7)百玉そろばん
 教科書がなくても大丈夫。自分に自信が持てない子も、先生の言う通り・みんなの言う通りに真似をして声を出すだけで数概念を定着させる効果が表れます。みんなでそろばんの音に集中してテンポよく声をそろえることで、学級の連帯感も生まれます。
 百玉そろばんフラッシュカードを持っていない方・素早くカードをめくれない方のために、PC上のフラッシュカードも紹介します。

(8)算数ノート指導
 どの子にも身につけさせたい「ていねいさ」。これも、教師の言うことをよく聞く時期だからこそ、少々面倒なノート作成のルールも守られやすいです。先生の言う通りにノートを書いたら見やすくて見直しやすくてミスが少なくなったという体験を積めば、算数の授業がますます好きになるはずです。分かりやすい授業とノート指導は一体です。

(9)解の多い算数の問題
 「算数は正解が1つだから好き」という子もいますが、算数は解が1つだとは限りません。また答えは1つでも解き方は複数と言う場合もあります。答えを1つに絞る「収束型」の授業と同じように、多様な答え・多様な解き方を促す「拡散型」の授業を取り入れると、授業への熱中度が違ってきます。

(10)5分で語るミニ道徳
 教師の長話は、成果が上がらないことがあります。5分程度で語る人物エピソードや最先端の話は子どもの印象に残ります。
 道徳の最後の説話、朝の帰りや帰りの会の先生の話、すきま時間のおしゃべりなど、5分の語りのストックがあると、子どもは先生の「お話しタイム」が大好きになります。

(11)QA
 Qが出なければ、よく話題になるQを事前に用意して解説します。
※TOSSランドとは? おすすめのコンテンツは?
※効率的に仕事を進める秘訣は?
※係活動・当番活動の仕組み方は?
※子供をほめる秘訣は?
※赤鉛筆指導とは?
※「時間に追われて教材研究が不十分・疲労困憊」では、いい授業はできません。てきぱきと仕事を片付ける仕事術・整理術・時間管理術をお伝えできればと思っています。
  

 なお、セミナーの申し込み先と当日日程の詳細(最新情報)は、SENSEIPORTALからもご覧いただけますので、ぜひご活用ください。

https://senseiportal.com/events/40819?mid=weeklyfri&mlid=3277100

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台形の求め方は、既習の知識を総動員する。


 今となっては古い話題だが、現行学習指導要領の改訂にあたっては、台形の求積の公式を教えないことが話題になった。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1321018.htm

〈新学習指導要領をめぐる誤解〉
Q5 新学習指導要領では、台形の面積を求める学習はしなくなるというのは本当でしょうか。

A 新しい学習指導要領においては、全員が共通に学習する内容としては、台形の面積の公式は示していません。
 これは、「正方形、長方形、三角形、平行四辺形の面積の求め方」を身に付ければ、それ以外の台形のような形の面積も、これらの面積の求め方を活用して自分で工夫して求めることができるからです。
 新しい学習指導要領は、まさにこうした自ら考える力を身に付けさせようとするものであり、単に公式を暗記するのはやめようということなのです。
 公式を単にあてはめて計算するだけの学習はなくなりますが、三角形の面積などを組み合わせて自分で工夫して台形の面積の求め方を考えてみようとする学習は行われます。

・・・ただし、今の啓林館の5年の教科書には、公式も明示してあるし、面積も求め方も親切に例示してあって、自分たちで考えさせようと言う意欲を削いでいる。文科省の意図に反したような教科書になっている。

 ところで、上記の文科省の言葉(台形は既習の知識を使って考えさせようというスタンス)は、向山氏の言葉と直結している。

===================
 子ども達は、自分で考え出した満足感と、そして、自分でもできるという自信と、原理まで踏み込んだ理解とを得るのである。公式をまる暗記だけさせる授業はプロの授業ではない。それは、時間もかかり、満足感も充実感もなく、〈優等生〉や〈知っている者〉だけに思い上がりを残してしまうのである。
 『斉藤喜博を追って』P37
===================

 かつて、自分の力で台形を求めさせる授業は、「訓令」型の典型であるとまとめたことがある。

 今の若い先生方は、「号令」型 「命令」型 「訓令」型と言っても分からないかもしれないな・・。

◆「~しなさい」だけの授業が「号令型」。
・・・「ごみを拾いなさい。」

◆趣意を説明し、行動させる授業が「命令」型。
・・・「教室をきれいにします。ごみを拾いなさい。」

◆趣意を説明し、やり方を任せる授業が「訓令」型。
・・・「教室をきれいにしよう。自分でやりたいことをやってごらん。」

 多様な解法を考えさせる授業は、
拡散的思考を促すからすごいともいえるし、
解法を自由に思考させる「訓令」型だからすごいともいえる。

 だから、台形の求め方を五通り以上で~という向山実践にすごく感激し、台形の求め方以外でも、算数以外でも、たくさんの答えを列挙させるような授業、たくさんの方法を考えさせる授業にあこがれてきた。

 若い先生には、ちょっと高望みでハードルが高いかもしれない。
 でも、1つの正解を求め、教え込むだけの授業では、子どもが退屈する。
 「授業が面白い」と実感するには、多様な答え・多様な解法を列挙させる授業は外せない。
 多様な発想を求める授業は、優等生以外が活躍する逆転現象にもつながっていく。思いあがった優等性を謙虚にさせるためにも大切なのである。

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April 02, 2017

「褒める」のバリエーション

 ほめることの効用は分かるとしても、ワンパターンのほめ言葉では子どもには響かない。
「はやい」「すごい」「よし」「えらいなあ」「さすが」などがすぐに浮かび、サ行で並べてみたりしてみたが、圧倒的に足りない。

「さ」・・さすがだなあ。
「し」・・知らなかったなあ。
「す」・・すごい・すばらしい。
「せ」・・先生みたいだ。
「そ」・・そうなんだ。そういうことか。

 いつ・どこで・だれを・どんな観点でというように分類化して、自分の褒め言葉をリストアップしてみたいと思っていた。
 
 学校に送られた「英語情報 2017冬号(日本英語検定協会)」に「CLASSROOM ENGLISH!!!」の連載があり、大木優喜子氏がほめ言葉を紹介している。
 ただの列挙でなく、5項目に分けてあった。
 Englishとしても大事だが、日本語でもこれくらいのバリエーションでほめていきたいと思った。
 いつも「すごい」「上手」「がんばったね」だけでは、おそまつであることがよく分かる。

(1) Good(良い)の他にも使える一言褒め言葉(Goodの類義語集)

Very good! とても良い!
Teriffic! 大変良い。
Fantasuteic! 素晴らしい!
Well done よくできました!
Great! とても良い。
Wonderful 素晴らしい!
Excellent! 優秀!
Close 惜しい!
Awesome! とても良い
Superme! 素晴らしい!
Perfect! 完璧!
Wow! わあすごい

・・・一言で、12のバリエーションだが、訳だけみると同じものがあって7種類になってしまう。そこには微妙な差異があるのだろう。

①よし ②すごい ③うまい ④さすが ④すばらしい ⑤完璧 ⑥上手 ⑦驚いた ⑧感激した ⑨素敵 ⑩最高 ⑪合格 ⑫惜しい ⑬あと少し で13種類か。 

(2) Good job(よくできました)の他にも使える表現

Much better!      前より大変良くなりました。
keep up the good work! その調子でがんばってください
Thats great idea!    とても良いアイデアですね。
I know you can do it!  あなたならできます
Great teamwork!    とてもよいチームワークです
Thats an interesiting ponit 面白い点ですね
Good try!       よい試みです。
Great effort!     大変良い努力です。
Thats a good guess!  良い推測です。

・・・ノートへののコメントは、(1)の一言パターンではさみしいのでこれくらい書きたいところ。

①努力を褒める ②結果を褒める ③成長を褒める ④試みを褒める ⑤発想を褒める ⑥協力を褒める

などが観点になるか。

(3)生徒の具体的な態度、能力を褒める表現
※生徒一人一人を褒める時には、具体的に何が良かったのかを示す。

You make lots of effort to speak English in class!
あなたは授業で英語を話す努力をしています。

Your writing skills have improved so much! 
あなたのライテイング能力はとても進歩しました。

Im impressed by your speaking skills! 
私はあなたのスピーキング能力に感心しました。

(4)その他の生徒一人一人を褒める表現
You work very hard! 
あなたはとても一生懸命勉強しています。

You worked very hard in class today! 
あなたは今日の授業でとても一生懸命勉強しました。

I love having you in my class! 
あなたが私のクラスの生徒でうれしいです。

・・・(3)はピンポイントの褒め方、(4)は総括した形の褒め方と言えるだろうか。
通知票の所見みたいなレベルになってきた。ありきたりの褒め言葉ではなく、その場でのその子に対するオリジナルな言葉かけをしていきたい。
「あなたは努力や成長をしています」という客観パターンと「私はあなたの努力や成長に感心しています」の主観表現のパターンがあることが分かる。

(5)クラス全体を褒める時の表現
※クラス全体を褒めることによって、生徒との間にチームワーク・統一性が生まれます。

Thank you for sharing your ideas! 
 みんなのアイデアを話してくれてありがとう。
(注 「おたがい意見を出し合ってありがとう」という意味かな?)

Everyone worked very hard today! 
今日はみんなとてもよくがんばりました。

・・・授業のまとめや帰りの会の最後のお話でみんなに伝えたいメッセージという感じ。
 熱い語りバージョンもあるだろうが、毎日のことだから、さらりと褒めるのが基本形ではないだろうか。

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