April 09, 2017

平成29年4月16日(日)TOSS教え方セミナー春日井会場を開催します!

 「教師力」の2つの要素について、向山氏は次のように述べています。

◆「教師の力」とは何か? 二つある。
 一つは、授業を知的に楽しくできる力である。子どもたちがみんな熱中して、「先生、今日の勉強面白かったよ」という授業を毎時間やれば、荒れることはない。(中略)
 もう一つは、子どもを統率する力量である。子どものガキ大将になり、みんなをまとめて動かしていける力である。どちらも必要だ。
              
◆「子どもの気持をよく聞いて」「子どもを大切にして」「子どもを叱らないで」「子供の意見をとりあげて」
どれも、これも美しい言葉だ。正しい方針だ。
しかし、「教師がやるべきこと」をしっかりふまえないで、このように行動する教室は1カ月で騒然となる。
 
  TOSSMEDIA 教え方のプロ「向山洋一」選集
  最初の3日で学級を組織する①②より
 
・・・授業のリズムとテンポ・こまやかな教師の対応は本を読んだだけでは分かりませんし、ほかの先生の授業を参観する機会もなかなかありません。
 教え方セミナーでは、主に若手の先生を対象に、子どもに分かりやすい授業のコツや学級経営の基礎基本を模擬授業の形でお伝えしています。
 若手の先生、若手を指導する立場のベテランの先生、教育実習を控えた学生の皆さん、ぜひご参加ください。
 また、中学校から小学校に異動した先生にも、もってこいだと思います。

 45分の授業を組み立てるのは大変です。しかも、せっかく授業の準備をしても1時間の授業を終えたら、また次の授業の準備が待ってます。
 授業のパーツを知っておくと、毎回の授業に使えます。
 パーツを使いこなすと授業も安定します。
 5分程度で切り替えると、子どもの授業への集中も続きます。
 また、5分程度で語れるエピソードを持っていると、朝の会や帰りの会、授業中のちょっとした時間、道徳授業の説話などに活かせます。

1 日 時 平成29年4月16日(日曜)
  午前10時00分~12時30分(午前9時30分受付)    
2 会 場 :高蔵寺ふれあいセンター(JR高蔵寺駅より徒歩5分・駐車場有り)
3 資料代 :1000円(学生500円)
4 主 催 :TOSS春日井                       
5 後 援 :春日井市教育委員会                     

6 予定講座
(1)フラッシュカード
 教科書がなくても大丈夫。自分に自信が持てない子も、先生の言う通り・みんなの言う通りに真似をして声を出すだけで学習効果が表れます。
 みんなでカードに集中して声をそろえることで、学級の連帯感も生まれます。フラッシュカードを持っていない方・素早くカードをめくれない方のために、PC上のフラッシュカードも紹介します。

(2)音読のバリエーション

 音読にもさまざまな方法があり、ただ子どもに読ませる・音読カードの宿題を出すだけでは、子どもに読みの力がつきません。
 読みに自信のない子を救う基本は、教師が模範を示す「範読・追い読み」の徹底です。また「指名なし音読」に慣れると、指名なし発表・指名なし討論へとつながっていきます。

(3)暗唱
 楽しく読ませたら、暗唱まで取り組ませると、「やればできる」という達成感を与えることができます。できるかできないかテストする緊張感も、授業を楽しむ大切な要素です。

(4)ミニ討論(アクテイブラーニング)
 じっくり読ませ、暗唱できるほどに内容理解を深めておけば、言葉を根拠にした意見が言えるようになります。話し合い活動(ミニ討論)が盛り上がれば、自分の意見を言うことの楽しさ・人の意見との違いを比べる楽しさを味わえます。

(5)漢字練習
 教師の言うことをよく聞く時期だからこそ、少々面倒な漢字習得のルーテイーンも守られやすいのです。先生の言う通りにやってみたら漢字が覚えやすいという体験を積めば、漢字習得のシステムが身についてきます。

(6)五色百人一首
 五色百人一首を知らない人にとって百人一首は、100枚をばらして大勢で取り合う「チラシ」と呼ばれるゲームです。五色百人一首は、10枚ずつを並べて向かい合った2人が対戦する「源平型」です。5分もあれば勝敗が決まるので、どんなすき間時間にも実施可能です。

(7)百玉そろばん
 教科書がなくても大丈夫。自分に自信が持てない子も、先生の言う通り・みんなの言う通りに真似をして声を出すだけで数概念を定着させる効果が表れます。みんなでそろばんの音に集中してテンポよく声をそろえることで、学級の連帯感も生まれます。
 百玉そろばんフラッシュカードを持っていない方・素早くカードをめくれない方のために、PC上のフラッシュカードも紹介します。

(8)算数ノート指導
 どの子にも身につけさせたい「ていねいさ」。これも、教師の言うことをよく聞く時期だからこそ、少々面倒なノート作成のルールも守られやすいです。先生の言う通りにノートを書いたら見やすくて見直しやすくてミスが少なくなったという体験を積めば、算数の授業がますます好きになるはずです。分かりやすい授業とノート指導は一体です。

(9)解の多い算数の問題
 「算数は正解が1つだから好き」という子もいますが、算数は解が1つだとは限りません。また答えは1つでも解き方は複数と言う場合もあります。答えを1つに絞る「収束型」の授業と同じように、多様な答え・多様な解き方を促す「拡散型」の授業を取り入れると、授業への熱中度が違ってきます。

(10)5分で語るミニ道徳
 教師の長話は、成果が上がらないことがあります。5分程度で語る人物エピソードや最先端の話は子どもの印象に残ります。
 道徳の最後の説話、朝の帰りや帰りの会の先生の話、すきま時間のおしゃべりなど、5分の語りのストックがあると、子どもは先生の「お話しタイム」が大好きになります。

(11)QA
 Qが出なければ、よく話題になるQを事前に用意して解説します。
※TOSSランドとは? おすすめのコンテンツは?
※効率的に仕事を進める秘訣は?
※係活動・当番活動の仕組み方は?
※子供をほめる秘訣は?
※赤鉛筆指導とは?
※「時間に追われて教材研究が不十分・疲労困憊」では、いい授業はできません。てきぱきと仕事を片付ける仕事術・整理術・時間管理術をお伝えできればと思っています。
  

 なお、セミナーの申し込み先と当日日程の詳細(最新情報)は、SENSEIPORTALからもご覧いただけますので、ぜひご活用ください。

https://senseiportal.com/events/40819?mid=weeklyfri&mlid=3277100

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台形の求め方は、既習の知識を総動員する。


 今となっては古い話題だが、現行学習指導要領の改訂にあたっては、台形の求積の公式を教えないことが話題になった。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1321018.htm

〈新学習指導要領をめぐる誤解〉
Q5 新学習指導要領では、台形の面積を求める学習はしなくなるというのは本当でしょうか。

A 新しい学習指導要領においては、全員が共通に学習する内容としては、台形の面積の公式は示していません。
 これは、「正方形、長方形、三角形、平行四辺形の面積の求め方」を身に付ければ、それ以外の台形のような形の面積も、これらの面積の求め方を活用して自分で工夫して求めることができるからです。
 新しい学習指導要領は、まさにこうした自ら考える力を身に付けさせようとするものであり、単に公式を暗記するのはやめようということなのです。
 公式を単にあてはめて計算するだけの学習はなくなりますが、三角形の面積などを組み合わせて自分で工夫して台形の面積の求め方を考えてみようとする学習は行われます。

・・・ただし、今の啓林館の5年の教科書には、公式も明示してあるし、面積も求め方も親切に例示してあって、自分たちで考えさせようと言う意欲を削いでいる。文科省の意図に反したような教科書になっている。

 ところで、上記の文科省の言葉(台形は既習の知識を使って考えさせようというスタンス)は、向山氏の言葉と直結している。

===================
 子ども達は、自分で考え出した満足感と、そして、自分でもできるという自信と、原理まで踏み込んだ理解とを得るのである。公式をまる暗記だけさせる授業はプロの授業ではない。それは、時間もかかり、満足感も充実感もなく、〈優等生〉や〈知っている者〉だけに思い上がりを残してしまうのである。
 『斉藤喜博を追って』P37
===================

 かつて、自分の力で台形を求めさせる授業は、「訓令」型の典型であるとまとめたことがある。

 今の若い先生方は、「号令」型 「命令」型 「訓令」型と言っても分からないかもしれないな・・。

◆「~しなさい」だけの授業が「号令型」。
・・・「ごみを拾いなさい。」

◆趣意を説明し、行動させる授業が「命令」型。
・・・「教室をきれいにします。ごみを拾いなさい。」

◆趣意を説明し、やり方を任せる授業が「訓令」型。
・・・「教室をきれいにしよう。自分でやりたいことをやってごらん。」

 多様な解法を考えさせる授業は、
拡散的思考を促すからすごいともいえるし、
解法を自由に思考させる「訓令」型だからすごいともいえる。

 だから、台形の求め方を五通り以上で~という向山実践にすごく感激し、台形の求め方以外でも、算数以外でも、たくさんの答えを列挙させるような授業、たくさんの方法を考えさせる授業にあこがれてきた。

 若い先生には、ちょっと高望みでハードルが高いかもしれない。
 でも、1つの正解を求め、教え込むだけの授業では、子どもが退屈する。
 「授業が面白い」と実感するには、多様な答え・多様な解法を列挙させる授業は外せない。
 多様な発想を求める授業は、優等生以外が活躍する逆転現象にもつながっていく。思いあがった優等性を謙虚にさせるためにも大切なのである。

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April 02, 2017

「褒める」のバリエーション

 ほめることの効用は分かるとしても、ワンパターンのほめ言葉では子どもには響かない。
「はやい」「すごい」「よし」「えらいなあ」「さすが」などがすぐに浮かび、サ行で並べてみたりしてみたが、圧倒的に足りない。

「さ」・・さすがだなあ。
「し」・・知らなかったなあ。
「す」・・すごい・すばらしい。
「せ」・・先生みたいだ。
「そ」・・そうなんだ。そういうことか。

 いつ・どこで・だれを・どんな観点でというように分類化して、自分の褒め言葉をリストアップしてみたいと思っていた。
 
 学校に送られた「英語情報 2017冬号(日本英語検定協会)」に「CLASSROOM ENGLISH!!!」の連載があり、大木優喜子氏がほめ言葉を紹介している。
 ただの列挙でなく、5項目に分けてあった。
 Englishとしても大事だが、日本語でもこれくらいのバリエーションでほめていきたいと思った。
 いつも「すごい」「上手」「がんばったね」だけでは、おそまつであることがよく分かる。

(1) Good(良い)の他にも使える一言褒め言葉(Goodの類義語集)

Very good! とても良い!
Teriffic! 大変良い。
Fantasuteic! 素晴らしい!
Well done よくできました!
Great! とても良い。
Wonderful 素晴らしい!
Excellent! 優秀!
Close 惜しい!
Awesome! とても良い
Superme! 素晴らしい!
Perfect! 完璧!
Wow! わあすごい

・・・一言で、12のバリエーションだが、訳だけみると同じものがあって7種類になってしまう。そこには微妙な差異があるのだろう。

①よし ②すごい ③うまい ④さすが ④すばらしい ⑤完璧 ⑥上手 ⑦驚いた ⑧感激した ⑨素敵 ⑩最高 ⑪合格 ⑫惜しい ⑬あと少し で13種類か。 

(2) Good job(よくできました)の他にも使える表現

Much better!      前より大変良くなりました。
keep up the good work! その調子でがんばってください
Thats great idea!    とても良いアイデアですね。
I know you can do it!  あなたならできます
Great teamwork!    とてもよいチームワークです
Thats an interesiting ponit 面白い点ですね
Good try!       よい試みです。
Great effort!     大変良い努力です。
Thats a good guess!  良い推測です。

・・・ノートへののコメントは、(1)の一言パターンではさみしいのでこれくらい書きたいところ。

①努力を褒める ②結果を褒める ③成長を褒める ④試みを褒める ⑤発想を褒める ⑥協力を褒める

などが観点になるか。

(3)生徒の具体的な態度、能力を褒める表現
※生徒一人一人を褒める時には、具体的に何が良かったのかを示す。

You make lots of effort to speak English in class!
あなたは授業で英語を話す努力をしています。

Your writing skills have improved so much! 
あなたのライテイング能力はとても進歩しました。

Im impressed by your speaking skills! 
私はあなたのスピーキング能力に感心しました。

(4)その他の生徒一人一人を褒める表現
You work very hard! 
あなたはとても一生懸命勉強しています。

You worked very hard in class today! 
あなたは今日の授業でとても一生懸命勉強しました。

I love having you in my class! 
あなたが私のクラスの生徒でうれしいです。

・・・(3)はピンポイントの褒め方、(4)は総括した形の褒め方と言えるだろうか。
通知票の所見みたいなレベルになってきた。ありきたりの褒め言葉ではなく、その場でのその子に対するオリジナルな言葉かけをしていきたい。
「あなたは努力や成長をしています」という客観パターンと「私はあなたの努力や成長に感心しています」の主観表現のパターンがあることが分かる。

(5)クラス全体を褒める時の表現
※クラス全体を褒めることによって、生徒との間にチームワーク・統一性が生まれます。

Thank you for sharing your ideas! 
 みんなのアイデアを話してくれてありがとう。
(注 「おたがい意見を出し合ってありがとう」という意味かな?)

Everyone worked very hard today! 
今日はみんなとてもよくがんばりました。

・・・授業のまとめや帰りの会の最後のお話でみんなに伝えたいメッセージという感じ。
 熱い語りバージョンもあるだろうが、毎日のことだから、さらりと褒めるのが基本形ではないだろうか。

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March 25, 2017

「偶有性」の概念

Mogi

「脳をやる気にさせるたった1つの習慣」茂木健一郎(ビジネス社)。


 「たった1つの習慣」の中身は、サブタイトルに書いてある。

 ~なぜやりたいことを書きだすと実現するのか~

  やりたいことを書きだすと、ドーパミンが放出されて「成功した気分」になり、やる気がアップすると言う。
  「有言実行」が自分を追い立てることも重要な意味があることは想像に難くない。
 記録することが「メタ認知」になることもよく分かる。

 ただし、「たった1つ」と言いながら、ほかにもやる気のヒントが書いてある。
 やる気をなくす原因が

①コンプレックス ②単調 ③強制や命令

 この反対が、やる気になる方法だ。

①コンプレックスを逆手にとる
②目標をつくる(自分なりの課題を設定する・目安をつくる)
③与えられた課題を楽しむ
④遊びながらやる(フロー体験)


 さて、茂木氏の本著のメインの主張とは別かもしれないが、何度も出てくる「偶有性」というワードが気になった。
 
P28
脳科学には「偶有性」という概念がありますが、脳は本来「定まっていること(確実性)」と「定まっていないこと(不確実性)」の絶妙なバランスの中で生きています。

P64
ある程度「予想がつく事柄(確実性)と、「予想がつかない事柄(不確実性)とが混ざり合っている状態のことで「どのように変化するか分からない性質」のこと。

P65
人生もそれ(オセロゲーム)と同じで、白だと思っていた状況が一転して急に急に黒に変わったりすることの繰り返しです。
地震や洪水などの災害に見舞われたり、事故に巻き込まれないとも限りませんし、勤めている会社が買収されたり潰れたりすることもあるでしょう。
まさに「一寸先は闇」で、自分の人生で次の瞬間に何が起こるかはまったく予想できないのです。

P73
人間の脳は予想できるものと、できないものの割合を1対1くらいに保ちバランスを取ろうとします。
そのバランスの取れた状態が脳にとっては、一番楽しいことなのです。
つまり、脳は本来偶有性を楽しむようにできているのです。

P74
 何が起こるか分からない状態を楽しむ気持ちは、進化の過程で脳が身につけた生きる知恵だといえます。
そのことが分かれば、次に何が起こるのか分からない局面に立たされたときも、「これは何だか分からないけど、もしかしたら面白いことが起こるかもしれない」と偶有性を楽しむことができ、人生の見え方も変わってくるはずです。
 繰り返しますが、脳は確実性と不確実性のバランスの取れた状態を好みます。会社と自宅を往復する確実性ばかりの生活を送っていては、会社が合併したり倒産するという「偶有性」の荒波に放り込まれたとき、適切な行動を取ることができなくなります。
自分が置かれた状況が変化しても、「次のステップに進むチャンスだ」と偶有性を楽しむ気持ちがあれば、その厳しい状況を乗り越えていくことができるでしょう。

P204
偶有性という概念が血肉化されていくと、一つひとつの出来事に対して一喜一憂しなくなります。
なぜかといえば、人生何が起こるか分からないからこそ、楽しいと思えるからです。
何が起こるか分からないからこそ、たとえ最悪の状況に陥っても「もうすぐ事態が好転するかもしれない」と思えるようになるのです。

P209
人生は偶有性の連続で、次に何が起こるか誰にも分かりません。
けれども実際何か事が起こったときに、自分の中にプリンシプルを持っていれば
・・言い換えれば、自分の中に「これだけは譲れない」「これがあれば大丈夫だ」という確実性を持っていれば・・
不況になろうが会社をクビになろうが定年退職しようが、自分自身が揺らぐことはないのです。

P232
人生に確実なことは何一つありません。
自分の中に確実なものを持っていれば、不確実なことがあっても慌てずに対処できるし、ときには楽しむこともできる。
その「たった1つの習慣」とは、やりたいこと書き残すことだ。
書き留めた時点でドーパミンが分泌されて、ヤル気になるからだと言う。

 
茂木氏のブログにも「必然化する偶有性」というタイトルの記事がある。

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自分の回りの「ローカル」な状況を自らコントロールしようとしても、そうはいかない。
局所が、別の局所につながり、それがまた次の局所へとつながっていく。
「ローカル」だけを見ていたのでは、二つ先、三つ先、四つ先のノードで何が起きているのか、把握できない。
「遠く」で起こったことが、回り回って自分の生活に影響を与える。偶有性が必然的となっているのである。
 とりわけ、インターネットの発達は、物流の側面だけでなく、情報の面から見ても、世界各地の相互依存関係を強め、偶有性を増す結果となっている
(中略)脳は、もともと、容易には予想できない要素が本質的な役割を果たすという「偶有性」を前提にその動作が設計されている。
そのことは、認識のメカニズムや、意識と無意識の関係、記憶の定着や想起などのプロセスに反映されている。偶有性に適応するからこそ、脳は創造的であり得る。
グローバル化に伴う「偶有性」の増大に適応することは、脳本来の潜在的力を発揮することに、必ず資するはずなのである。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2010/07/post-c775.html
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◆ 「成功できる人は、「思い通りに行かない事が起きるのはあたりまえ」という前提で挑戦している」(エジソン)
◆「思い通りにいかないから人生は面白い」(曽野綾子)

 やる前からあきらめてしまう自信のなさは、「思い通りにならないことが許容できない」から起こる。
 できて当たり前のことだけこなす堅実な生き方は、脳に刺激を与えない。それでは創造的な仕事はできない。シンギュラリティの世界を生きられない。
 「偶然を受け入れる」「偶然を活かす」「偶然を引き寄せる」といった心の持ちようが求められる。

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自ら計らわない人 広田弘毅

 32代内閣総理大臣である広田弘毅の座右の銘は、

(1)「物来順応(ぶつらいじゅんのう)」

「物来たればこれに応じて対処する(向こうから来るままに応じること)」の意味。朱子の「近思録」にある言葉とも、佐藤一斎の「言志四録」の言葉とも言われている。
 我欲や邪念を捨てて、眼前の仕事に専念せよ、と理解した。

 広田弘毅が外交官時代に左遷人事とも言えるオランダ公使になった時に詠んだ歌が残っている。

(2)「風車、風の吹くまで昼寝かな」

 「なるようにしかならない」と達観したかのような句だ。
 
  城山三郎は、『落日燃ゆ』で、広田弘毅を次のように書いた。

(3)「自ら計らわない人」


「物来順応」
「風車、風の吹くまで昼寝かな」
「自ら計らわない」

は、いずれも同じような意味だと思う。
 むろん、「果報は寝て待て」「なるようにしかならない」のような受け身な生き方を薦めているわけではない。
 「今すべきことに全力を注ぐ」「与えられた役割を全うする」という極めて能動的な生き方であるべきなのだ。そこは、誤解を招きやすいところだ。

 さて、同じように「なるようにしかならない」という誤解を招く言葉に「無為自然」がある。

(4)無為自然
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◆無為自然(むいしぜん)とは、紀元前の古代中国で書かれた『老子道徳経』に書かれている言葉で、努力はせいいっぱいするけれど、最後の結果は天に任せるという生き方です。
http://www.taoism.gr.jp/taoism/nagasarenai13.html

◆「無為」という言葉は「無為無策」「無為に過ごす」のように「なにもしないでいること」という意味でよく使われますが、
『老子』で使われている「無為」は「意図や作為のないさま」という意味です。
 これは、一切なにもしないということではなく、作為的なことはなにも行なわないことと、とらえてください。(中略)そう考えていくと、『老子』でいう「無為」とは、意図や意思、主観をすべて捨て去って、「道」(天地自然の働き)に身を任せて生きているありようを意味しているといえます。『老子』はこの「無為自然」を理想のあり方としました。
http://textview.jp/post/culture/8081
=================

 「努力は精一杯するけれど、最後の結果は天に任せる」となると、さらに「人事を尽くして天命を待つ」と同じ意味ということになる。

(5)「人事を尽くして天命を待つ」
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◆自分の全力をかけて努力をしたら、その後は静かに天命に任せるということで、事の成否は人知を越えたところにあるのだから、そんな結果になろうとも悔いはないという心境のたとえ。
 南宋初期の中国の儒学者である胡寅の『読史管見』に「人事を尽くして天命に聴(まか)す」とあるのに基づく。
http://kotowaza-allguide.com/si/jinjitsukushitetenmei.htm...
================

 努力が必ず結果に結びつくとは限らない。

 だからといって、努力を放棄していいわけではない。

 「今すべきことに全力を注ぐ」
 「与えられた役割を全うする」
と能動的に生きるのみである。

(6)「無私の心」

と重なってくることは言うまでもありません。


◆Let it be. → あるがままに。
 (性格なりを変更しないでそのままの自分を。) 

◆Let it go. → ほっておいて。解き放って。
 (私のやりたいようにやらせてください。)

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March 18, 2017

パソコンでノートを取るとバカになる

 やや古い文献になるが、見出しの内容について、パソコンで打ち込みます。
 コピーしたままで紛れていたものですが、再活用するにはデジタル化が一番です。

「PREDIDENT」2016.2.29 P68-69 田野俊一 より抜粋 ◆部分が引用文。

◆事実関係では差はないものの、概念理解では、パソコンでメモを取ったグループより、手書きでメモをとったグループのほうが、点数が高くなりました。

とあり、その原因について

◆メモの中身を分析すると、パソコンのグループは講演の内容をすべて記録億するかのように、逐語的にメモをとる傾向が見られました。一方、手書きのグループはすべての言葉を書き取るのが難しいからか、発言を要約しながらメモをとっていました

とある。
要約するのに思考した分だけ、概念理解が促されされ、エピソード記憶が働いたのかというのは私の解釈。
実際には

◆パソコンを使うと手書きよりもメモをとれるが、そのせいで頭の中で行う情報処理が浅くなり、学習効果が低下する恐れがある

と記されている。
パソコンの方がメモを取りながら別のことを考えたりして集中していないこともあるのかなというのが、私の解釈。

人間の認知モードは二種類あると言う。

①「体験的認知」・・何か起きたら後先考えずに反応する動物の一般的な行動原理
②「内省的認知」・・「将来いい学校へ入るため勉強する」のように、想定したゴールに向けて行動するロジカルな知覚

◆知的活動の初期段階においては、情報を収集し、整理してまとめ、自分の考えを足していく作業が大事で「内省的モード」が適しています。だからメモをとるときは内省的モードになるのが好ましいのですが、高い集中力が必要で負荷が大きいため決して簡単ではありません。
 そして操作そのものに快感がある楽しいパソコンや、バーチャルリアリテイのような豊かな刺激を与えられると、人間は「体験的モード」にはまりこんでしまう。そのためパソコンでノートをとると、理解を深めないまま、言葉を入力する作業に没頭してしまうと考えられます。

・・・ある学校で、4年生の調べ学習の発表をパソコンで入力すると聞いて驚いたことがある。
ローマ字入力を習熟させるという意味はわかるが、調べ学習のレポートなどは、アナログでやった方が時間的に無駄がないと私は思う。
「内省的モード」という観点でも、アナログ発表の意義はあるのだということだ。

 今こうしてデジタル入力をしているが、最近になって手書きのメモも多く取るようになった。
 とりあえず思いついたことをメモ書き・なぐり書きをしておくことは、最初からていねいにレイアウトしてワープロ作成するよりも、ブレーンストーミングとしては望ましい。
 ブレーンストーミングしたい時に、丁寧なノート(ワープロ打ち)を意識するのは「二兎を追うもの一兎も得ず」になってしまう。目的を見失ってはいけないのだ。

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March 05, 2017

中学入試が「思考力型」に

 朝日小学生新聞2月20日号に「中学入試『思考力型』増える」の記事があり、面白い試験が紹介されている。

(1)「くらし」というテーマに沿って、受験校の図書館を利用してリポートを完成させる「思考力テスト」(東京・工学院大学附属中)。

(2)レゴブロックで自分の好きなことを作品として表現し、150字で記述させ、世界が抱える問題の解決法を考えさせる「思考力ものづくり入試」(東京・聖学院中)

 首都圏で今春このような入試を実施した学校は120校だとのこと。

◆こうした「思考力型」「適性検査型」などと呼ばれる入試は、図や表、写真とともに長めの文章を読みこみ、自分の考えを記述するというタイプが主流。国語、算数、理科、社会といった教科の枠にとらわれない出題です。

◆新しいタイプの入試を導入した理由として学校側が挙げるのは、グローバル化などの「世の中の変化」です。実際には大学入試改革で、求められる力がかわることも背景にあるとみられます。

◆「塾通いをしていない子でもチャレンジできる入試が増えている。考える子が好きだったり、世の中の動きなどに関心があったりする子にも『受験』という選択肢が広がっている」

とある。
 大学入試が変わる前に、中学入試から変化が起きているということだろうか。
 むろん幼稚園や小学校のお受験は、知識理解は問えないので、創造力や想像力を試すような課題が従来から課せられてきた。その延長に中学入試の変化があるのかもしれない。

 今回の朝日の記事は、なるほどとは思うが、「塾通いをしていない子でもチャレンジできる入試が増えている」には少し疑問がある。
 こうした思考力を試す入試は、本当に塾通いしないで対応できるものだろうか?
 結局、この手のテストも、それはそれで受験テクニックが必要になるだろうし、採点基準から裏読みした対策が練られることは必至である。
 冒頭の「思考力テスト」は、その指定の細かさを見ると、従来の学力の高さにプラスしての「思考力」なのだと考えざるを得ない。

① 「くらし」に関係することや、言葉から連想することを自由記述。
② 記述内容に関連した情報を図書館でまとめ、表にまとめる。
③ 「くらし」と照らし合わせて、日ごろから感じている課題を書きだす。
④ その中から、重要なことを一つ選び、さらに知りたいことを書く。

 こうしたプロセスをステージ6までふんでリポートにまとめると言うのだから、相当な学力・周到な受験対策が必要だ。

 ところで、図書館で調べてレポートを書くという入試方法は、ハーバード大学で行われていると聞いたことがある。
 ハーバード大学のユニークな入試方法が話題になる。これも「だから勉強しなくてもいい」というわけではない。
ユニークな入試ができる前提は、書類選考によって学科の成績が提出されており、受験するどの学生も高水準の成績だという点にある。優秀な生徒が集まっていることを前提にしてのユニークな入試である。
 日本で言えば、難関大学がセンター入試の比率が低いのと同じ。
 学力を軽視しているわけではなく、どの受験生も高水準であることが分かっているからこそ、学力以外の特性を試験したくなるのだ。学力軽視ではないことは、きちんと把握する必要がある。

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「ハーバードクラスの大学だと、これらのテストのスコアがすこぶる高い入学希望者ばかりが集まります。高校や大学時代の成績、いわゆるGPAも見られるので、学校での勉強にも手は抜けません」

学力はSATやGPAでチェックされ、さらに願書やエッセイ、推薦状から、その人のバックグラウンドや、課外活動でどんなことをしてきたかを審査される。

「ハーバードは、学力に加えて芸術的素養がある人や、スポーツに打ち込んできた人を好んで受け入れています。
出願時に提出する書類にエッセイがありますが、そのような人たちは、ただ勉強だけしてきた人よりユニークで深みのあるエッセイを書けるからです。
勉強だけでなくスポーツや芸術の才能も求められるなんて……と絶句したくなりますが、実際ハーバードには、天が二物を与えた才能あふれる学生が集まっているのです」
http://president.jp/articles/-/16257
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現在の大学入試センター試験は、マークシート方式で行われています。
また、各大学の試験では、1点刻みで合否が決まってしまいますが、現在、先進国でこのような入試方式を中心にして行っているのは、日本くらいしかありません。
米国も欧州も日本のような知識偏重の学力テストには重きを置いていません。
面接や小論文などを通して、高校時代をどう過ごしたかを見ているのです。
暗記、記憶だけでは測れない能力です。
そうしていかなければ、新しい時代の変化についていけないということでしょう。
http://mainichi.jp/articles/20150508/org/00m/100/026000c
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1つめは、「課題解決の能力」です。
受け身や指示待ちではなく、主体的にその能力を発揮できることです。
それから2つめは、「クリエイティブな企画能力」です。
例えば、東大の文系はかつて優秀な官僚を養成する大学だったわけですが、その官僚においても、いまやクリエイティブな能力が求められてきています。
ただ指示されたことだけをやっている官僚は、もはや使いものになりませんから。
そして最後の3つめは、「人間的な魅力」です。
人を思いやる優しさや慈しみの心、また、新しいものや多様なものを受け入れることができる姿勢など、そうした人間としての度量や魅力を持ち合わせていく必要があります
http://diamond.jp/articles/-/60886?page=3
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・・・さまざまなネット記事で入試の動向なども分かる。
保護者に言い負かされないように、きちんと把握しておきたい。

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February 25, 2017

「セレトニン5」=「幸運を引き寄せる法則」

1)中野信子氏「日本人は、脳科学的に英語が下手」

 「英語学習とセレトニンと自己肯定感」について、1か月ほど前に書いた。

中野信子氏のインタビュー記事(日経グローバルゲート)、とても参考になった。

◆もし外国人の方が日本人より語学の学習能力が上回るとしたら、それは「失敗を恐れない」ということではないでしょうか。
4人の外国人を取材されて、「失敗しても恥ずかしいと思わない」、という共通点が見えたことは、その大きな裏付けにもなりますよね。日本人は、失敗に対する恐怖心や不安感が大きい民族なので、「間違った英語を話しては恥ずかしい」と思い、なかなか話さず、語学が上達しない。これはある意味、「脳科学的に仕方ないこと」といえます。

◆脳内には「セロトニン」という神経伝達物質があって、これが十分にあると、安心感を覚え、やる気も出ます。このセロトニンの量を調節しているのが、セロトニントランスポーターというたんぱく質。神経線維の末端から出たセロトニンを再び細胞内に取り込む役割を担っています。この数が多いと、セロトニンをたくさん使い回せるので、気持ちが安定し、安心感が持てます。逆に少ないと不安傾向が高まります。日本人は、このセロトニントランスポーターの数が少ない人の割合が世界で一番多い。つまり世界一、不安になりやすい民族なんです。

◆語学習得はトライ&エラーなので、失敗を恐れる人には、正直いって不利な科目かもしれないですね。できるだけ、失敗しても心の痛みを感じにくい環境を工夫して作り、積極的に話せる機会を持つことが最善の方法だと思います。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/111700052/112500005/?rt=nocnt
・・・この記載を読んだとき、まずは「緊張・不安」心配」を受け入れようと考えた。
 日本人は、みんな「緊張・不安・心配」が強いのだと思えば、自分だけ卑屈になることもないからだ。


(2)「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」(ケリー・マクゴニガル 大和書房)

 「不安。緊張・心配」は決して悪いことばかりではない。
 適度な緊張がないとパフォーマンスは上がらない。「心拍数が上がる」と脳や体内に血液が大量に送りこまれるので、プラスの効果もある。
 「緊張・不安・緊張」として括っていたものを、マクゴニガル氏の著書では「ストレス」で括っていた。
 
◆ストレスを避けるのではなく、受け入れてうまく付き合っていくことで レジリエンスが身につく。 「思い込み」を変えることで「身体の反応」を変え、「選択」までも変えてしまう一生役立つ実践的ガイドブック

・・・マクゴニガル氏もストレスを「力に変える」ものとしてプラスに考えていた。
 それは「マインドセット=心の持ちよう」とも呼ばれ、「リフレーミング」「ポジテイブシンキング」とも重なる発想であった。

 日本人は昔も今も不安や緊張を持ちやすく失敗を恐れやすい.
 だからこそ、このプラスの発想転換が必要である。


(3)『「しなやか脳」でストレスを消す技術」(篠原菊紀 幻冬舎)


 ここにも、不安遺伝子に関する記載があった。

◆そもそもわたしたち日本人の多くは、不安を感じやすい遺伝子を持っています。社会的な脅威に対して過剰な反応をしてしまったり、ついついネガティブにものごyとをとらえがちだったり。
 心の安定に強くかかわる脳内物質にセレトニンがあります。こセレトニンに関係する遺伝子に「5-HTTLPRのSタイプ」があり、これがその「不安遺伝子」です。セレトニンを再利用するための穴を作るのに5-HTTLPRがかかわるのですが、このSタイプを持つと穴の数が少なくなり、セレトニンが再利用されにくくなり不足しやすくなります。すると心の安定が得られにくく、先々を心配しがちになるというのです。
 このSタイプ、遺伝子は対なので、ふたつ持つ人、ひとつ持つ人、ひとつも持たない人がいるわけですが、デルブリュックらによればアメリカ白人でふたつ持つひとは40.4%、アメリカ黒人では24.5%。しかし、日本人では73.3%がふたつ持っています。ひとつ以上ならなんと98%。そんなわけで、日本人の大多数はそもそも不安をン抱えやすい可能性が高い。ネガティブにものごとをとらえやすいのです。(P15)

(4)『脳からストレスをスッキリ消す事典」(有田秀穂著 PHP) 

 ここでは、ストレスを解消する「セレトニン」の重要性が強調されていた。

◆セレトニントレーニングで、ストレスはコントロールできる。
◆セレトニン生活で毎日が変わる!
 ・些細なことに動揺しなくなる。
 ・頭が冴えて仕事・勉強がぐんぐんはかどる。
 ・物に頼らなくても心が落ち着き、浪費が減る。など

 また、「ストレスを活かしてメリットを得られる人」の具体例も示してある。

・集中力が高まり、仕事や勉強の効率が上がる。スポーツでは、最高のパフォーマンスができる。
・やる気が引き出され、志望校合格やプレゼンテーション成功など、目標達成の原動力になる。
・営業成績のアップなどで期待以上の快感を得ると、さらなる意欲につながる。
・外からの刺激が新たな興味を引き起こし、生きる楽しみにつながる。など

 ストレスの効用、セレトニンの働きの重要さを、子どもにも分かりやすく教えていきたい。それが自信回復やチャレンジ精神の高揚につながるからだ。

(5)「運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則」(リチャードワイズマン 角川文庫)

 TOSSでは、「セロトニン5」と呼ばれる子どもを安心させる5つの手立て(対応術)が提唱されてきた。

①見つめる
②ほほ笑む
③話しかける 
④ほめる 
⑤触れる

 教師の心得として示された「セレトニン5」だが、別の見方もできる。
 ワイズマンの主張を読むと、「運のいい人」=「セレトニン分泌を促す対応ができる人」と言えそうだからだ。

◆運のいい人の身ぶりや表情は周囲の人を自分のほうに引き寄せるから、それだけたくさんの人と出会うことになり、偶然の出会いの確率も高くなる。
◆運のいい人は、笑った回数やアイコンタクトの回数が多く、他者を受け入れる開いた身振りが顕著だった。
◆運がいい人たちは、好奇心が旺盛で、外向的で人づきあいがよく、人とのネットワークを広げることに積極的である。

 どれも「セレトニン5」と重なるではないか。
 
 自分のセロトニン分泌を促せる人は、自信に満ち、積極的に行動できる。些細なことに動揺しない。だからチャンスが巡ってくる。
 他者のセレトニン分泌を促せる人は、安心感を抱かせ、相手を引き寄せ、信頼もされやすい。だからチャンスが巡ってくる。

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February 19, 2017

働き方改革は「時短感覚」から

 2月17日(金)の中日新聞に「クルマ革命」の特集記事が掲載された。
 中でも後半の「自動運転の衝撃 開発スピード段違い」と題した箇所は圧巻だった。

◆これまでの自動車業界は技術をこつこつ積み重ね、改良を加えていく「擦り合わせ型」。トヨタは水素と酸素から起こす電気で走り、水しか排出しない画期的な燃料電池車「ミライ」の開発に二十二年かけた。だがIT業界は、例えば一年半の間に同じコストで情報処理能力が二倍に進化する世界。自動運転の開発でも運転支援のレベルから段階的に進もうとする自動車メーカーに対し、IT勢は一足飛びに完全な自動運転を目指すイメージだ。

 AI開発を進めるトヨタの坂井克弘(43)も、スピード感の違いに戸惑った一人だ。昨年六月から自動車産業発祥の地・米ミシガン州の「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」でIT転職組と机を並べる。会議時間はトヨタ時代の三分の一。会議資料もパソコン上で仲間と意見交換しながら作る。「とにかく時間を効率的に使う。フットワークも軽い」

 完全な自動運転による究極の「ぶつからないクルマ」が実現すれば、車体の強度や安全装置をはじめ自動車メーカーが培ってきた技術の蓄積は、不要になりかねない。グーグルが実用化のめどとする二〇二〇年まで三年を切った。日産のゴーンは今後十年の自動車産業を、こう予測する。「過去半世紀で起きた以上に変化する」
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017021702000095.html

・・・スピード感の違いは、自分たちも十分感じている。
20年前は、サークル通信などによって情報交換がされた。印刷から郵送までは、時には1週間を要したが、現在は瞬時に発信できる。。
教材研究も、書籍中心からネット中心になって、資料収集の時間、資料作成の時間は格段に早くなった。

現在は、瞬時に情報伝達できる。そのスピードの違いは圧倒的で、そのような「時代感覚」=「時短感覚」をしっかり自覚し、活用していける子どもを育てていかないと世界とは競合できない。

 16日のラジオ番組「ボイス」で上念司氏が、「仕事の遅い人が残業手当をもらい、仕事の早い人が手当てをもらえないおかしい。これからは仕事の速い人に対価が支払われるべきだ」と主張していて、なるほどと思った。
 そして、その根本の原因は、学校教育にあると言われた。

 「なぜ学校の掃除時間は決められているのか。与えられた仕事を終えたら終わればいいではないか。早く終わったらできる仕事を見つけなさいというやり方では、効率的に仕事を終えようという意識を育てられない」

というような意見で、これもなるほどと思った。
 時間感覚の改善は、社会の在り方・仕事の在り方を変えていく。
 子供に「時短感覚」を教えることは教師の務めである。
 子供の「時短感覚」を鍛えることは、国家戦略の最先端を担う仕事でもある。その責任は重い。

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December 27, 2016

「確証バイアス」と、逆転現象の授業

 非認知スキルの重要性を説いているのが

 「『学力』の経済学」中室牧子
 「成功する子・失敗する子」ポール・タフ
 「幼児教育の経済学」ヘックマンなど。
 

 「成功する子・失敗する子」(ポール・タフ著)について、もう少し。
 チェスの上達に必要なスキルを究明する中で出てくるキーワードが「確証バイアス」(p113~114)
 簡単に言えば、自分の都合のよいデータだけを流用してしまう傾向だ。
 我々教師も都合のよいデータだけを引用して自説を補強することがないよう留意したい。

◆何かの理論を実証しようとするときに、人はその理論に反する証拠を探そうとはせずに、どうしても自分が正しいことを証明するデータを探してしまう。
「確証バイアス」として知られる傾向である。これを乗り越える能力がチェスの上達においてはきわめて重要な要素だった。

◆当然のことながら、ベテランのグループは初級者のグループよりも正確に状況を分析していた。
驚くべきは、どのようにちがったか、という部分である。ひとことでいえば、上級者のほうが悲観的だった。
初級者は気に入った手を見つけると確証バイアスの罠に陥りやすい。
勝利につながる可能性だけを見て、落とし穴は見過ごしてしまう。
これに比べ(中略)上級者は自分の仮説を反証することができ、その結果、致命的な罠を避けることができる。

・・・第三章「考える力」の一節だ。
 確証バイアスの罠に陥るのは、深く考えないことが原因だ。
 だからこそ、深く考えないと失敗する経験を意図的に仕組む必要がある、

 ※よく考えろ
 ※常識にとらわれるな
 ※他に手はないか

と聞いて、思いつくのが「逆転現象」の授業だ。
 多数決でも常識でも決まらない「逆転現象」の授業は、確証バイアスの罠に陥らない秘策であるとも言える。
 
 また、他人とつるまない一匹狼のたくましさを育むのは、自分の都合のよいデータだけに振り回されない強さと慎重さだも言える。
 
 ところで、『成功する子~』には、慎重さ(悲観的な見方)が大事だと書きつつも、一方で大胆さ(楽観的な見方)も大事だと述べている。

◆ダブリンの研究についてスピーゲルに尋ねると、どんな動きの結果についても少し悲観的であるくらいのほうがいいという考えには同意するといっていた。
ただし、チェスの能力全般については、楽観するほうがいいという。
演説のようなものだ、とスピーゲルは説明した。マイクのまえに立つときには少しばかり自信過剰なくらいでないと困ったことになる、というわけだ。
「どんなに上達しても、死にたくなるほど馬鹿げたまちがいをすることは絶対になくならない」。だから自分には勝てるだけの力があると自信を持つこともチェスの上達の一部なのだ、と。

・・・「慎重に、かつ大胆に」「悲観的に、かつ楽観的に」といったところか。
「繊細かつ大胆」で検索するとたくさんヒットする。
黒澤明監督の語録「天使のように大胆に、悪魔のように繊細に」という言葉とニュアンスが近い。
「大胆と繊細」「楽観と悲観」は相反する言葉ではあるが、両方を兼ね備えることが成功の秘訣のようだ。

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