January 03, 2026

「飽くなき挑戦」の心意気!

  ウイリアム・グラッサーは、学習者が「強制されず、自分の欲求が満たされている状態」で生み出す成果を「上質な学び」(Quality Learning)と呼びました。「選択理論(Choice Theory)」についてはここでは省きます。

 「上質な学び」は、個人の内的世界に照らして「価値があるか」を問います。

 「生徒が強制されずに、自らの欲求を満たすためにベストを尽くしているか?」という内的な満足の基準が重要です。

 これを満たすための教師に役割は、ボス(命令者)ではなく、リーダー(導き手)としての支援になります。これが「リードマネジメント」です。

 さて、グラッサーの「クオリティースクール・ティーチャー」(アチーブメント出版)を読んで、最も印象に残ったのは

「もう少し努力すればより良い結果が得られる」

=成長思考(Growth Mindset)

=やりぬく力(GRIT)

に近い次のような記述です。P39・40

=======

◆ いつも最善を尽くす

上質な取り組みには時間も努力も必要だ。よってクオリティースクールの生徒は努力をするための十分な時間を与えられる。生徒はつねに、その時々において最善の取り組みをするようにと教師から言われる。

◆ 自分の取り組みを評価し、改善する

上質な取り組みは基本的に良いことであり、この取り組みがとどまることはない。デミングが言うように、クオリティとは改善され続けるべきものだ。 クオリティスクールの教師は、生徒にどのように自己評価をするか教え、また、自己評価をする機会をできるかぎり与える。

=======

 まさに「飽くなき挑戦」の精神。

 決して満足することなく、高い目標を掲げ、困難や目標に向かって果敢に挑み続けたいです。

(ただし、他人に対しては、「まだまだ」「もっともっと」と追い込みすぎることは要注意です。

Dd6068f6585548699652179c2dc103c7_4_5005_

| | Comments (0)

February 23, 2025

自分の人生は「たまたま」でなく「わざわざ」

 「たまたま」日程が空いたから学習会に参加する。
 「たまたま」職場にあった本を読む。
 「たまたま」いい先生に出会ったから、たくさんの学びを得た。

という「受け身の幸運」は、いつまでも続かない。

 必要な情報があるので「わざわざ」参加する。「わざわざ」会いに行く。

 「わざわざ」本屋で買う。自分の課題に合わせてネット検索する。

という「攻めの幸運」を勝ち取ってほしい。

 なんと言っても自分の人生なのだから、他人任せ・行き当たりばったりでは情けない。

 「・・・・してくれない」と嘆いても、仕方ないのだ。

 主婦から始まった「くれない族」は、そのまま「シニア」に増殖しているようだ。

 自分も気をつけないと。

https://hwus.jp/column/19302

| | Comments (0)

January 21, 2025

働き方改革に必要なのは「努力」ではない

働き方改革のセミナーに参加した時のメモ書き。自分の考えも含まれています。

◆はやく決めて、はやくやる。

◆ワークライフバランスでなく、ワークライフチョイス。

◆「何をやるか」ではなく「何をやらないか」

◆『一理ある』のは当たり前。異なる理のどちらをとるかが大事。『一理ある』が口癖では、ろくな経営者にならない。

◆「優先劣後」で「優」を先にやるのは当たり前・問題なのは「優・劣」の判断が難しい場合や「優」と「優」がぶつかる場合。

◆スキルは努力でなんとかなるが、センスは育てられない。おしゃれのセンスがない人が、努力するとよけいおかしくなる。

◆余人をもって代えがたいぐらいでないと、仕事にならない

◆好きでやらないと長続きしない。

◆「好き」という感情は買えないし、命令できない。

◆お金で買えないものほど、カネになる。

などなど。

お気づきの方もいると思いますが、講師は楠木健氏。

以下は、楠木氏の講演を参考に自分がまとめた話。

===============

ファッションを音楽の世界に置き換えても構わない。 

スポーツを「スキル」と置き換えても構わない。

(1)スポーツでは一番を目指すし、結果に序列がつく。

しかしファッションでは一番は決まらない。好き嫌いの世界だから序列はつかない。

※もちろん、1番を目指さないスポーツはある。

(2)スポーツは、努力に伴って結果が向上する。

 しかしファッションでは努力では結果が向上するとは限らない。

 センスが物を言う。まして他人の評価は、自分の努力の範疇を超えることが多い。

(3)「諦めなければ夢は叶う」「努力は裏切らない」と言うのは、スキルの世界の話だ。

スポーツや学業は、努力した分だけ成果も上がるが、ファッション、文化の世界は、なかなかそうとも言えない。

 「努力すればスキルは向上する」を万能化して、努力を無批判に礼賛すべきではない。 

===============ーー

・・・明石家さんまが言った「努力していると思わない方がいい。好きでやっているくらいでちょうどいい」という言葉と重なる

(中野信子「努力不要論」より)。

 好きでやっていると思えば、夢中になって取り組んで、結果として何も得られなくても、不満を感じなくて済む。だから、好きでやるのは、努力してやるよりパフォーマンスが高い。

 楠木氏は、自分の「好き嫌い」を大事にしろと言われた。

「努力しようとするな、好きを全うせよ」という意味なのだと理解した。

D8b3131fc77b4a25a7538568f1ddfce5

| | Comments (0)

January 11, 2025

挫けそうでも続けていれば、道は開ける 角田夏実さん

柔道金メダリストの角田夏実さんについてダイアリーに書いたら、今日も角田さんの情報が飛び込んできた。

「倫風」という社団法人の出している小冊子。2月号の特集テーマは「失敗を好機に、始動する!」

ここでは、角田夏実さんの談話記事が掲載されていた。

彼女のこれまでの経歴は、詳しく知らなかったので、納得した。

2017年世界柔道優勝、2018年全日本優勝したが、同じ階級で若い阿部詩選手が台頭したため、階級を下げ、2023年のパリオリンピック出場となった。

ああ、そういえば、減量して腹筋バッキバキの写真を見たことがあった(すいません、今更で)。

 

◆本番の日まで考えたことは「考えられるだけの準備をする」ということでした。もうやることがないというほどの準備をすれば、後はやるだけ。これで負けたらしょうがないと思えます。

 実際に、弱点克服のために男子選手と稽古したり、新幹線に乗って関西に出稽古に行ったりしました。そうすることで自信が生まれ、いざ畳の上に立ったときに吹っ切れて、どんな結果も受け入れられる心境になります。

 

 文句を言う暇があったら、やるだけのことをやれ。

 それは、向山先生の言われる「万策尽きるまで」の精神と同じだ。

 「挫けそうでも続けていれば、道は開ける」は、無限定な理想論ではない。「もうやることがないというほどの準備をすれば」という過酷な前提があっての話である。

 他者が厳しい指導をする時代ではなくなった。その分、自分を自分で高める努力をしていかねばならなくなった。

 もちろん、好きであれば厳しさも克服できる。自分の好きを見つけること、好きを極めることが大事になったとも言える。

E031f7b306e4415fa73e0bc3c796d2ed_1_201_a

| | Comments (0)

信じて貫き金メダル 角田夏実さん

学校に掲示してある「JSPOフェアプレーニュース」が、柔道金メダリストの角田夏実さんを取り上げていた。

「妥協せず練習に取り組み、自分を信じて力を出し切り金メダル獲得」

と言う見出しに誘われて、中身を詳しく読んだ。

次の箇所が印象的だった。

◆ 角田選手が得意とする巴投げは、自ら倒れ込みつつその勢いを使って投げる、捨身技と呼ばれ、倒れ込むタイミングを相手に読まれると反撃されやすく、リスクの多いことが特徴の技です。

しかし角田選手は、「反撃を恐れて巴投げを封印すると私の良さがなくなってしまいます。 でも、やみくもに技をかけるのではなく、相手に予測されないように巴投げに持ち込むいろいろなパターンを研究しました」と言います。

・・・というわけでパリオリンピックでは、予選から決勝まで巴投げを決めた。

「自分を信じて力を出し切る」という言葉は、言うほど簡単でないので、本当にすごいと思う。

今更ながらのオリンピック記事で申し訳ありませんが。

「ともえ投げと関節技」信じて貫き金メダル 角田夏実【解説】

C45618fb46424f6f9dd12772c1a35443

| | Comments (0)

January 03, 2025

GRIT=「結果が出るまで努力を続ける」

 結果が出るまであきらめない姿勢=GRIT」の復習をしてみた。

「結果より努力の過程が大事」と励ますことの方がメッセージとしては伝えやすい。

しかし、そのメッセージが、「あきらめない」を中途半端にしてしまってはいないか。

 結果が出るまであきらめない姿勢=「GRIT」の復習をしてみた。

◆「最初からうまくできなくても、何度も挑戦しなさい」P101

・・なるほど。このアドバイスは、「結果より過程」とは意味違う。

併せて『マシュマロ・テスト』を読む。
◆「思うに任せぬ状態になったときにも、その人がやり続けられるかどうかなんです」P134(セリグマン)

・・・「結果が出るまで粘り強く取り組むこと」のメッセージだ。
併せて『「学力」の経済学』を読む。たくさん目についた。
◆「あなたはやればできるのよ」などといって、むやみやたらに子どもをほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねません、P46

◆「よく頑張ったわね」と努力した内容をほめられた子どもたちは、2回目、3回目のテストでも粘り強く、問題を解こうと挑戦を続けました。努力をほめられた子どもたちは、悪い成績を取っても、それは「(能力の問題ではなく)努力のが足りないせいだ」と考えたようです。

◆子どもをほめるときには、「あなたはやれなできるのよ」ではなく、「今日は1時間も勉強したんだね」「今月は遅刻や欠席が一度もなかったよ」と具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要です。そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子供に育つというのがこの研究から得られた知見です。P50・51

 中室研究室の研究報告書も、復習にはぴったりだった
努力を褒めるべきか、さらなる努力を促すべきか-オンライン学習における声かけシステムの効果-中室牧子研究室 山越梨沙子2016/12/23
http://lab.iisec.ac.jp/~hiromatsu/2016-kaken/files/%E4%B8%AD%E5%AE%A4%E7%89%A7%E5%AD%90.pdf


◆子どもたちのモチベーションを上げるためには、能力ではなく努力を褒めるべき。 努力を褒められた子どもたちは、出来ないことを才能のせいにしない。
・能力を褒められた子どもたちは成績を落とし、努力を褒められた子どもたちは成績を伸ばした。 
・努力を褒められた子どもたちは難問に直面した際、「自分の努力が足りないせいだ」と捉え、我慢強く挑戦を続けた。

◆単に褒められるよりも適切なフィードバックを受ける方が良い「もう少し努力すればより良い結果が得られる」と思えるかどうかが大事・難問に挑戦するかは過去の失敗経験ではなく「頑張ればできる」と思えるかで決まる・「あなたはもっと作文が上手くなれる」とアドバイスされると、より努力するようになる

◆「もう少し努力すればより良い結果が得られる」=成長思考(Growth Mindset)・やりぬく力(GRIT)
・「努力次第で結果は変えられる」と考える・困難な問題に直面しても諦めずに粘り強く取り組む・子ども時代に親や先生から努力を褒められて育っている・大人になっても伸ばせる

◆「改善点を伝え、さらに努力するよう促す」と学習成果が高まる・GRITが低い子ども 「自分には才能がないから努力しても意味がない」 
・さらに努力するように促され、「もっと頑張る必要がある」と思う 
・粘り強く勉強するようになる(=GRITが高まった)

◆子どものモチベーションを向上させるためにはさらなる努力を促す声かけがよい。
例1 時間切れになったドリルがあったね。正確にそしてスピードも意識して解くことを心がけよう!
例2 勉強を始めて1時間が経ったよ。もう1時間集中して頑張ろう!

・・「結果より過程が大事」という考え方も大事だが、過程に満足することで「逃げ」てはいけない。
 久しぶりに「GRIT」を復習して、とても勉強になった。

| | Comments (0)

January 07, 2024

「探究力」をはぐくむ向山学級の秘密を探る(その10)


~「オープンマインド」~
 「オープンマインド」とは、固定観念にしばられずに相手を認め、自分についても正直に表現できる「開かれた心や姿勢」のこと。
  自分の考えに固執せず、相手に対し聞く耳をもっていれば、「自分には絶対無理」と決め付けず、不安があっても試してみようかと、新しい事に挑戦できる。
  反対に、クローズドマインドの人は、
①人にレッテルを貼ってしまう ②物事を主観的に見てしまう ③ステレオタイプなモノの見方をする といった傾向がある。
 「これは、絶対こうだ」「私はこれしか信じない」と決めてかかり、自分の意見に固執し、違う意見の人の話に耳を向けることができない。
・・・オープンマインドとは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された「計画された偶発性理論」というキャリア理論のなかで述べられたもの。
 「偶キャリ」は、それほど古くはないので、向山先生が参考にしたわけではないと思う。
 しかし、自由な発想を促す向山実践の背景には「オープンマインド」と同じ着想がある。
 さて、近年話題になった「MIND SET」も、100の努力を推奨した向山学級を彷彿させる。
 1979年のスナイパーNo.9では「水泳でも、作文でも、練習中、ちっとも伸びないように見えて、持続さえすれば、突然できるようになるのだ。」とある。
 
 その激励の根底にあるのが、「自分は努力次第で変われるのだ」という拡張的知能観(しなやかマインドセット)である。
85d849419c5f4fb7be52aa3faabfaf7a
8d9a4d359fd44dfc8573c43ecd923c41
=============

しなやかマインドセット

「才能は磨くほど伸びる」と思う人

◯新しいことにチャレンジしたい

◯努力は何かを得るために欠かせない

◯批判から真摯に学ぶ他人の成功から学ぶ

→結果的により高いレベルで成長し自分の意思で未来を切り開いていける

 マインドセット次第で仕事が変わり、自分が変わり、人生の質が変わる!

==============

・・・「拡張的知能観」があるから、諦めずに頑張れる。

教師は、この拡張的知能観に基づいて、いつもいつも子供を支える存在でありたい。

「探究力・発想力」を育むのは、「それでいいんだよ」「その調子だよ」「もっと考えてみよう」と学習者のリミッターを外す激励の言葉なのだと思う。

 

| | Comments (0)

December 31, 2023

成長は加速度的に訪れた! 〜アインシュタインの「奇跡の年」〜

 アルベルト・アインシュタインが4つの論文を科学雑誌『アナーレン・デア・フィジーク』で発表した1905年のことである。この4つの論文は、空間時間質量エネルギーといった基本的な概念に対する科学的理解に革命をもたらし、現代物理学の基礎を築いた。アインシュタインがこれらの優れた論文を1年で発表したことから、1905年は「奇跡の年」と呼ばれている。
 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
=================
 彼が世間に認められたのは、大学ではなく、特許庁に勤めていたときです。1905年、彼は5つの論文を発表します。これらの論文で提唱された「光量子仮説」「ブラウン運動理論」「特殊相対性理論」といったアイディアは、いずれもノーベル賞に値する画期的な発見でした。今では、この1905年は、物理学史上の「奇跡の年」と呼ばれていますが、特殊相対性理論の論文を書いたときのアインシュタインは、まだ物理学者ですらなかったのです。
 受験に失敗し、大学にも残れず、就活でも苦労し、教授から「才能がない」とまで言われた若者が、どうして世紀の大発見をすることができたのでしょうか。(中略)
 アインシュタインは、学業では必ずしもよい成績を修めることができませんでした。しかし、彼には本当の意味での「考える力」があったのです。また、普通の人なら諦めてしまうような困難な状況に直面しても、決して諦めませんでした。
「学業成績」と「考える力」。この2つは似て非なるものなのです。そして、大きな仕事を成し遂げるためには、諦めずに、最後までやり遂げようと思う人間力が必要なのです。
 「物理学者が教える『考える力』の鍛え方」上田正仁著2013年(ブックマン社)p15〜17
===================
・・・・アインシュタインにとっては、まさに「ブレークスルー」。
 頭の中にあった様々な知識が結合し、言語化できたことで世間に認められたのだと思う。
 当たり前だが「頭の中」にあるだけでは誰にも理解されない。
◆ 実際、アインシュタインも1905年に発表される論文に至るアイディアは、ずいぶん前から頭の中にあったと言います。周りからは才能がないと思われていた劣等生の脳内で、とてつもない素晴らしい思索が進行したのしていたのです。P20
 向山洋一氏の言われる「100の努力・成長曲線・成長は加速度的に訪れる」を彷彿させるエピソードだ。
 
 同書には、アインシュタインの言葉も紹介されている。
◆ It’s not that I am so smart , it’s just that I stay with problems longer.
 私はすごく頭が良いわけではなく、ただ、1人でも長い時間、問題と向き合っているだけだ。
◆ I have no special talent . I am only personality curious
 私に特別な才能などない。ただ、情熱的と言えるほどに好奇心が旺盛なのだ。
・・・エジソンと同じように、ただただ自分の道を突き進んだということが分かる。

| | Comments (0)

December 29, 2023

最悪を想定する「無限の努力」

 12月26日、ボクシングで4団体統一戦王者となった井上尚弥選手。
 ネットの次の見出しが刺激的だった。

 井上尚弥は闘う前から脳内の「最強タパレス」に勝っていた ボクシング2階級制覇した圧巻の想像力
 
 井上尚は対戦相手のビデオを熱心に見るタイプではない。相手の映像をある程度チェックして特徴をつかみ、動きをインプットする。そこから、頭の中で対戦相手を徐々に強くしていくのだ。
 実際、タパレスはそんなパンチを打てないかもしれない。そこまでディフェンスをしないかもしれない。だけど、頭の中であえて過大評価し「最強のタパレス」をつくりあげる。
 シャドーボクシングでは、目の前に強くなったタパレスがいるかのように「これを避けられたら今度はこうして」と自身の動きを合わせていく。「当たりそうだな」というパンチを何度も繰り返す。だから、誰よりも入念にシャドーボクシングを行い、多くの時間を割いている。
 八重樫トレーナーは練習での動きをそのまま試合で再現し、KOする井上尚の姿を何度も見てきた。「それって、相手のイメージがめちゃくちゃリアルじゃないと試合ではできない。本当にすごいこと」と称賛する。
 試合後、タパレスは「できることはすべてやり尽くした」と言った。だが、そのはるか上を行くかのように井上尚が倒しきり、顔には傷一つなかった。それは頭の中でずっと「最強のタパレス」と闘い続けていたからに、ほかならない。
・・・「頭の中であえて過大評価し『最強のタパレス』をつくりあげる」
  つまり、最悪を想定し、脳内で「最強の相手」を想定し、打ち勝つ練習を積んだ。
  だから、本番の試合を見ると、シロウト目には余裕だった。記事にあるように井上選手の顔は傷一つなかった。
 「最悪を想定する」というのは、単純な楽観主義とは真逆の発想だ。
 「やってのける』ハルバーソン(大和書房)には、次のように書いてある。
=============
◆ポジテイブ思考の人は、物事がうまくいくと信じているために、起こり得るさまざまな問題を十分に検討しようとしません。そのために準備を怠ったり、危険な行動を取ろうとします。(中略)
 一方、ネガティブ思考の人は、つねに最悪の状況を想定します。物事がうまくいかなくなる状況も含め、さまざまな可能性に備えようとします。
◆「トラブルのもとになる非現実的な楽観主義」と「目標達成に欠かせない現実的な楽観主義」との違いは、楽観的になる理由の違いから生じます。
 自分は適切な計画を立てたり効果的な戦略を見つけることによって成功するか失敗するかを自分でコントロールできる、そう考えて楽観的になるのが現実的な楽観主義です。この考えは自信と意欲を高めます。
 非現実的な楽観主義は、計画や努力とは無関係の要素ーたとえば才能(わたしは頭がいいから成功する)や運(自分はラッキーだからうまくいく)-を根拠にします。そのため必要な準備を怠り、状況が悪くなるとすぐにあきらめてしまうのです。
============
 楠木建「絶対悲観主義」(講談社+α新書)の冒頭には次のようにある。
==============
 世の中に言う悲観主義は実のところ根拠のない楽観主義です。最初のところで「うまくいく」という前提を持つからこそ、「うまくいかないのではないか」と心配や不安にとらわれ、悲観に陥るという成り行きです。
 こと仕事に関していえば、そもそも自分の思い通りになることなんてほとんどありません。この身も蓋もない真実を直視さえしておけば、戦争や病気のような余程のことがない限り、困難も逆境もありません。逆境がなければ挫折もない。成功の呪縛から自由になれば、目の前の仕事に気楽に取り組み、淡々とやり続けることができます。GRIT無用、レジリエンス不要――これが絶対悲観主義の構えです。
================
・・・ 才能や運を根拠にした楽観主義は、必要な準備を怠り、状況を悪くする。
 そもそも自分の思い通りになることなんてほとんどないと思うから、抜かりない準備ができる。
 井上尚弥選手の歴史的快挙は、才能ではなく、努力なのだ。
3765f1729ba94c3c829f056567dfcc64 

| | Comments (0)

August 05, 2023

能力は努力次第で伸ばせる 「MIND SET」

以前、TV『世界一受けたい授業』で、ドウエックの『マインドセット』を紹介していました。

ドウエックは、次のように主張しました。

能力は努力次第で伸ばせるから、難しい課題でも挑戦し、失敗を恐れないことが大事だ

これは、「才能は生まれつき・努力したってどうせ変わらない」と真逆の考え方です。

ベテランの先生は、学級経営の基盤に

「やればできる・失敗を恐れず挑戦する・努力する・あきらめない」

等を置きます。

また、「やればできる」の対極にある「できるのにやらない子」に対する指導もしっかりしています。

◆ 「何とかならない子」は、努力を持続する意思が、極端に弱い子です。例えば、前もって予告した10問の漢字テストをするとします。(中略)予告してあっても悪い点を取る場合が多いのです。「やればできる」のだが「続けることができない」わけです。

◆「知能検査がよい」ということはたいした才能ではないですが、それとは別の「やることをやれる」「続けてやれる」ということは必要な才能であると考えています。そして、この才能は先天的なものではなく、生活の中で獲得されるものであり、それを獲得させる過程こそ、教育(学校・家庭)の大切な内容であると思っています。

「向山式『勉強のコツ」がよくわかる本」PHPより

あるクラスでは「がんばっている子に刺激を受けて自分もがんばらなきゃ」と切磋琢磨する学級の雰囲気を感じる。担任の先生ががんばっている子に温かく声をかけているからだ。

「ほめる」ができない子も「励ます」は可能である。

頑として動かない子もいるが、彼らのかすかな変化を察知して、励まして続ける教師であってほしい。

Mindset

| | Comments (0)

より以前の記事一覧