July 04, 2020

優れた指導者は、GRITを見抜き、GRITを伸ばす。

『GIVE&TAKE』アダムグラント著(三笠書房)2014年。

1980年代、心理学者のベンジャミン・ブルームが行った調査によると一流のピアニストは、生まれながら才能に恵まれていたわけでもなく、一流のピアノ教師に習ったわけでもない。特徴的だったのは「思いやりのある、親切で、寛容な先生」に指導されたこと。

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超一流のピアニストは、ギバー(与える人)である教師によって音楽への関心に火がついたのである。

教師はレッスンが楽しくなるようにな方法をあれこれ工夫し、これがきかっけとなって猛練習をするようになり、専門的知識がついていったのだ。(中略)

同じパターンが世界的なテニスプレーヤーにも見られる。(中略)

最初のコーチは「優秀なコーチというわけではなかったが、子どものあつかい方がとてもうまく、テニスに関心をもち、練習をがんばろうという気にさせてくれた」ということだ。P174~176

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・・・なるほど、良心的な教師(本書では「与える人」=ギバーと呼んでいる)との出会いが、その人の一生を左右する。

教師の責任の重さを痛感させる一節だ。

さて、このあとの根性論が興味深い。

 

◆ずば抜けた才能を持っているかや、熱心に取り組んでいたかではなく、粘り強さが際立っているかどうかが将来性に大きく関わってくると言う。

◆心理学者のアンジェラ・ダックワーズは、これを「根性〜長期的な目標に向かって熱意を持って根気よく取り組むこと〜と呼んだ」とある。

ダックワースの研究では、知力や適性以上に、根性のある人びとが、関心、集中力、やる気によって、より高い業績を達成することがわかっている。P176/177

 

・・・これは、GRITのことだ。ここでは「根性」と訳されている。

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もちろん天賦の才能も重要だが、一定以上の能力を持った候補者がたくさんいたら、粘り強さは、その人がどこまで可能性を発揮できるかを予測する大きな要因になる。だから、ギバーは、根気のある人間に目をつけるのである。そして、じっくり時間をかけて、粘りのある人の背中を押すだけではなく、ギバーは根気のない人に根性そのものを植え付ける努力もする。(中略)

 根性を養う秘訣の一つは、目のまえの仕事をより興味深く、やる気のあるものにすることだ。ブルームの調査によれば、才能のある音楽科やアスリートは皆最初、ギバーの教師から学んでいた。

 こうした教師は子供好きで、正しいことをすると、褒めたり、ポジティブに賛同したり、ときにはあめ玉をあげたりしている。そして励ますことを常に忘れず、自分が専門とする分野と子供の指導に熱意を持っている。多くの場合子供とは家族や友人のように接する。このような教師の1番よいところは、子供が楽しくやりがいを感じながら、技能を学んでいけるようにしていることであるP 177178

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GRITそのものは、個々の非認知能力の問題だ。

しかし、だからといって「個々の性分」で片づけてはいけない。

「与える人」=教師や指導者、コーチは、個々のGRITを見極めるとともに、GRITの足らない子には「植え付ける努力」をして、しっかり育んでいくようにと述べている。

GRITが足らないからと見捨ててはならないのだ。

 

これは、性格は努力次第で変えられるという「成長志向」による。

ドウエックの「しなやかなマインドセット」と重なる部分だ。今まで読んできた書物と重なるので、嬉しくてワクワクしてしまう。

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June 11, 2020

GRIT=「結果が出るまで努力を続ける」

たまたま「結果より過程を重視する教育」を主張する小論文を読み、いろいろ考えるところがあった。

「結果に一喜一憂しない」
「結果より過程」


という主張は、よく分かった。

ただし、「できるようになるまで粘り強くがんばる」「結果が出るまでがんばる」は、「結果より過程を重視する」とは合致しない。

結果が出るまであきらめない姿勢が「GRIT」であったことを思い出した。

◆「最初からうまくできなくても、何度も挑戦しなさい」 同書P101

・・なるほど。確かに、このアドバイスは、「結果より過程」とは意味違う。

併せて『マシュマロ・テスト』を読む。セリグマンの言葉だ。

◆「思うに任せぬ状態になったときにも、その人がやり続けられるかどうかなんです」P134


・・・これも、「結果が出るまで粘り強く取り組むこと」のメッセージだ。

併せて『「学力」の経済学』を読む。たくさんマークした。

◆「あなたはやればできるのよ」などといって、むやみやたらに子どもをほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねません。P46

◆「よく頑張ったわね」と努力した内容をほめられた子どもたちは、2回目、3回目のテストでも粘り強く、問題を解こうと挑戦を続けました。
努力をほめられた子どもたちは、悪い成績を取っても、それは「(能力の問題ではなく)努力のが足りないせいだ」と考えたようです。

◆子どもをほめるときには、「あなたはやれなできるのよ」ではなく、「今日は1時間も勉強したんだね」「今月は遅刻や欠席が一度もなかったよ」と具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要です。そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子供に育つというのがこの研究から得られた知見です。P50..51


今回、たまたま検索でヒットしたのが、中室研究室の研究報告書。

努力を褒めるべきか、さらなる努力を促すべきか
-オンライン学習における声かけシステムの効果-
中室牧子研究室 山越梨沙子  2016/12/23
http://lab.iisec.ac.jp/~hiromatsu/2016-kaken/files/%E4%B8%AD%E5%AE%A4%E7%89%A7%E5%AD%90.pdf


これも、復習にはぴったりだった。

◆子どもたちのモチベーションを上げるためには、能力ではなく努力を褒めるべき。
 努力を褒められた子どもたちは、出来ないことを才能のせいにしない。

・能力を褒められた子どもたちは成績を落とし、努力を褒められた子どもたちは成績を伸ばした。
 ↓
・努力を褒められた子どもたちは難問に直面した際、「自分の努力が足りないせいだ」と捉え、我慢強く挑戦を続けた。


単に褒められるよりも適切なフィードバックを受ける方が良い
「もう少し努力すればより良い結果が得られる」と思えるかどうかが大事。

・難問に挑戦するかは過去の失敗経験ではなく「頑張ればできる」と思えるかで決まる。

・「あなたはもっと作文が上手くなれる」とアドバイスされると、より努力するようになる。


◆「もう少し努力すればより良い結果が得られる」=成長思考(Growth Mindset)・やりぬく力(GRIT)

・「努力次第で結果は変えられる」と考える
・困難な問題に直面しても諦めずに粘り強く取り組む
・子ども時代に親や先生から努力を褒められて育っている
・大人になっても伸ばせる


◆「改善点を伝え、さらに努力するよう促す」と学習成果が高まる

・GRITが低い子ども
 「自分には才能がないから努力しても意味がない」
 ↓
・さらに努力するように促され、「もっと頑張る必要がある」と思う
 ↓
・粘り強く勉強するようになる(=GRITが高まった)


◆子どものモチベーションを向上させるためにはさらなる努力を促す声かけがよい

例1 時間切れになったドリルがあったね。正確にそしてスピードも意識して解くことを心がけよう!
例2 勉強を始めて1時間が経ったよ。もう1時間集中して頑張ろう!


・・・「結果より過程が大事」という主張も悪くはないのだが、「すぐにあきらめない」「再挑戦する」「自分の失敗を見直す」の要素が捨て切れていないから、もやもや感があったのだ。

 久しぶりに「GRIT」を読み直して、とても勉強になった。

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March 07, 2020

「成功志向」と「成長志向」は全く違う!

ビリギャルでベストセラーになった坪田信貴氏のメモ書きがある。
出典がないので、検証できないが、触発された自分のメモと言えるかもしれない。

①間違った答えを発表しても、まずは発表したことを認めてあげよ。
②否定する前に、瞬時に肯定的なリアクションをせよ 。
③「やればできる」とは限らないから、軽々しく「やればできる」と言ってはいけない。
 練習すれば上達はするから「やれば伸びる」といえばいい。
   結果ではなく成長を認めよう。
④「成功」を目指すと「失敗」を恐れる。「失敗」しないために「挑戦」をやめてしまう。
 「成長」をめざせば、「失敗」が糧になる。
  だから「成功しよう」ではなく「成長しよう」

なるほど。
失敗と成功を対で考えるから失敗を恐れてしまうのだ。
「失敗しない唯一の方法は何もしないこと。」とよく言われる通りだ。
何もしなければ失敗しないが、成功もしない。何も変わらない。 
失敗と成功が混在になって「成長」なのだ。

  「諦めなければ夢は叶う」という表現に懐疑的なので、自分の気に入ったところだけ恣意的に抜き出したり、まとめたりしている。
「努力論」は、ずっと自分の意識下にあるので、いつも同じところをグルグルしている。

「成功志向」ではなく、「成長志向」

やや難しいこの言葉の違いを子供に納得させるには、どんな語りがいいだろうか。
そこをきちんと詰めていかないと、意味がない。

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February 01, 2020

ラグビーは理不尽なスポーツ?

ラグビーは自分の思い通りにならない理不尽なスポーツだと聞いたことがある。
楕円のボールはまっすぐ転がらないし、味方へのパスは後ろにしないといけない。
人生と同じで、思うようにいかないものなのかと思っていた。

ところが。

この楕円のボール軌道について、ワールドカップ後の選手のインタビューで、コロコロ2回転がったら次は上に弾むことがわかっているので、そこをうまくキャッチしてトライしたという言葉を聞いてビックリした。
ラグビーは決して「思うようにいかない」スポーツではないのだ。

さて、古い学校新聞に、このラグビーボールの軌道を扱った文を見つけた。
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(前略)「運」に左右されることの多いスポーツのように思われます。しかし、「ほんの一瞬のプレーのために真剣に練習を積み重ねていけば、必ずボールを支配できる。」とも言われています。
事実、繰り返し繰り返し練習をすることで、地面に落ちたボールがどちらに転がるかある程度予測できようになるし、さらには自分の思い通りの方向に転がるようにボールをけることもできるようになるのだそうです。、まさに「努力は運を支配する」ということなのです。
 皆さんも地道な努力を積み重ねていけば、「運」まで味方につけることができると信じて、最後まであきらめることなく、自分の目標や夢を達成してほしいと思います。皆さんの今後の活躍を期待しています。
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・・・なるほど。「努力は運を支配する」は見事だ。

子どもには難しいかもしれないが、大人には染みる。
すぐには分からなくても、大人になって思い出してもらえたら効果を発揮する話なのだと思う。

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November 24, 2018

「何になりたいか」と「どうあるべきか」

11月14日(水)に放送された【ホンマでっか!?TV】。.
「今の世の中ココがおかしいぞSP!子育て・教育のここがおかしい!」の一部を帰宅中の車中で音を聞いていた。
受験勉強や子どものほめ方なども興味深かったが、一番気になったのは、以下のくだりであった。

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【心理評論家】植木理恵

日本人は「どうなりたい」という夢をはっきり持ってる人が多い。
中高生に聞いたら将来サッカー選手になりたいとかお笑い芸人になりたい、甲子園に行きたいなど。
これをbecome目標といいます。

become目標=なりたい目標

日本ではなりたい目標だけを聞く傾向にありますが教育先進国ではどうありたいか?というあり方を聞くようです。

教育先進国は将来の夢を聞く時、どうありたいか?を聞く

教育先進国では”なりたい目標”と”どんな人間でありたいか”を併せて目標設定と呼ぶ

例:
•明るい自分でありたい。
•とにかく前向きな自分でありたい。

など、人間としてこういたいという目標を挙げる。
よって、欧米諸国の多くの子どもはありたい自分を持っているようです。
日本は挫折した時の立ち直りがダントツ悪い
18歳~22歳までの子ども、受験や夢に挫折する頃の挫折した後の立ち直りの悪さは日本はダントツ悪いようです。
ありたい自分を持ってる子は挫折しても次に繋げる為の希望を持つ事が出来る。
海外では会社員に対し”どうありたいか?”を挙げさせて目標を持たせる企業もあるようです。

http://setsuyakupapa.com/archives/6576
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・・別のサイトでは、次のようにある。

====================「
心理評論家の植木理恵は夢の持ち方に怒っていた。
植木先生によると、教育先進国ではなりたい目標と、どんな人間でありたいかを併せ目標設定と呼ぶ。どうありたいか?の回答率は日本の中高生は0.3%、フィンランドでは60~80%。欧米諸国の多くの子どもはありたい自分を持っている。日本は挫折した時の立ち直りがダントツで悪いという。ありたい自分を持っている子は挫折しても次に繋げる為の希望を持つことができる。
海外では会社員に対し、どうありたいか?を挙げさせて目標を持たせる企業もあるという。

https://tvtopic.goo.ne.jp/kansai/program/ktv/26096/764675...
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・・・日本型の目標設定が立ち直りの悪さにつながるのは、よく分かる。
「プロ野球選手になりたい」という目標だけを設定すると、なれなかった時に次の手が見いだせない。

しかし「プロ野球選手になりたい」と言っても、その真意(動機)は人によって様々で

「お金持ちになりたい」
「有名になりたい」
「好きな野球にチャレンジしたい」
「野球のよさを広めたい」

などがあるから、たとえ、プロ野球選手になれなかったとしても、この真意(動機)さえはっきりしていれば次に進むべき方向は決まってくる。ゴールに対するアプローチは多様に存在するからだ。

「公務員になりたい」の場合も、例えば

「人の役に立つ仕事をしたい」
「倒産の心配のない場所で安心して仕事したい」
「定時退社して、好きな趣味に没頭したい」

など真意(動機)はさまざまである。
 「何になりたいか」=「どんな職業に就きたいか」という表層面だけにこだわるのは無意味で、そもそも「何がしたいか・どうありたいのか」の真意(動機)を明らかにすることが大事だと考えてきた。
 だから、ホンマでっかTVで、「何になりたいか」より「どうありたいか」を問うと聞いて、自分の考えてきたことと近い意味なのかなという印象を持った。

 「どんな人間になりたいか」という問いは、「どうあるべきか。どう生きたいか」である。「どんな仕事に就きたいか」とは深みが違う。

 ところで、「どうなりたいか」と「どうありたいか」は、英語でどう聞き分けるのかなということも気になった。

want to be
want to become

の違いなのかな?

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◆将来職業は何とかになりたい、というのは、ふつう、I want to be です。
◆書き言葉は同じでも、状況でどっちかは普通わかる。 英文の流れを重視して、一つの意味にこだわらないことが重要。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/...
===============
とある。
 書き方で区別できないなら、どう問い分けると「なりたい」と「ありたい」を区別できるかを考えるしかない。

 日本では通常「大きくなったら何になりたい?」という形の問いしかない。
 だから「どうありたいか・どんな人間でありたいか」を意識することも言語化させることもないように思う。
 
「あなたは将来どんな人になりたいの? 
  そのためには何になればいいと思う?」
と2段階で問う習慣を根付かせる。

 あるいは、
「大きくなったら何になりたい?
 それはなぜ?」
と理由まで問うことで、「どうありたいか」を意識させる。

 論理的思考の指導の一環でいえば後者のアプロ―チが有効で、「意見プラス理由」という習慣がつけば、「自分が何をしたいのか、どうありたいか」が意識化できると思う。


以下は、参考資料
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効果的なのは「BE」と「DO」を考えること

 「BE=自分がどうありたいか、何を大切にしたいかという心の状態、DO=何をしたいかという行動を指します。

 いわゆる『自分軸』と呼ばれるものですね。自分の軸が明確になることで、気持ちにブレがなくなり、どこに向かえばいいかが見えてきます。重視すべきは、『BE』です。『こんなふうでありたい』という気持ちがエネルギーになり、DO=行動につながっていく。つまり、『BE』は『DO』を支える根底になるものなんです」

 とはいえ、すんなりとは出てこないかもしれません。「やりたいこと」「できること」は思い浮かぶけれど、「どうありたいか」についてじっくり考えたことがないという人も多いはず。

 「あまり難しく考えなくても大丈夫。自分がどんなときに幸せや喜びを感じられるかを振り返ってみることです。例えば、人のために役立っていると感じられた時が幸せとか、新しいことを考えているにワクワクするとか、人が成長するのを見ることに喜びを感じるなど、幸せを感じるポイントは人によって違います。自分にとって心地よい状態=BEです。

 どんな状態が自分にとっていいのかを見つけるのが難しければ、逆に、どんなときに不満を感じるか、不安を感じるかを考えてみるといいでしょう。例えば、上司からの指示が多いとなんとなく気持ちが萎えるという人は、自分から能動的に働きかけることができる状態が自分にとって心地いい状態であることが分かります。自分を知るためには、自分が抱いている不満や不安も大きなヒントになるのです」

日経ウーマンオンライン 2018/02/26掲載記事を転載
https://career.nikkei.co.jp/woman/contents/woman_article/...

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April 30, 2018

「努力」の名言の連想ゲーム

(1)「2倍も3倍もがんばれない」


 先日のブログで書いたに書いたイチローの言葉。
 そのダイアリーで、ノーベル化学賞の田中耕一さんの次の言葉も書いた。

(2)「120%まで積み上げる」

 これで思い出したのが、城山三郎(新潮文庫)の次のタイトル。

(3)『少しだけ、無理をして生きる』

 この「少しだけ無理をして~」は、作家の先輩である伊藤整がくれた忠告に由来する。

◆「あなたはこれから先、プロの作家としてやっていくのだから、いつも自分を少しだけ無理な状態の中に置くようにしなさい」

◆ぼんやり待っていたら何かがパッとひらめいた、じゃなくて、インスピレーションは自分で作り出すものだ。
だから、インスピレーションを生み出すように絶えず努力しなくてはならない(p85)。

とも書いている。

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 少しだけ無理をしてみる・・・これは作家に限らず、あらゆる仕事に通用するテーゼではないでしょうか。
 自分を壊すほどの激しい無理をするのではなく、少しだけ無理をして生きることで、やがて大きな実りをもたらしてくれる。知らず知らずのうちに、元の自分では考えられないほど、遠くまで行けるかもしれない。
(中略)自分がいる箱の中に安住してしまってはダメで、自分がその中にいる箱から出ていこうと、チャレンジし続けなければならない。むろん、チャレンジしたところで、作家がすぐいい作品を書けるわけじゃありません。あるいは、いい製品が作れる、いい技術が見つかるわけじゃない。けれども、チャレンジしないでいると、いつまでも箱の中にいることになる。作家として、あるいは職業人として、伸びない。先行きがない。前掲書P87
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・・・「少しだけ無理をする」は、「リスクをとる」であり「チャレンジする」であり「安住するな」である。

 「リスクをとる」で思い出したのが、PRESIDENT 2017年12月18日号で、茂木健一郎氏と「ひふみん」こと将棋の加藤一二三氏の対談の中で紹介した名言。


(4)「リスクが高い手」でないと逆転されてしまう

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 さまざまな「名言」が飛び出したひふみんとの対談だったが、私が一番「凄い」と思ったのは、次の一言である。

「将棋においては、最もいい手は、リスクが高い手なのです」

 ひふみんによると、将棋は本当にぎりぎりのところでのせめぎ合いで、リスクを取らないと局面が打開できないし、勝利することもできない。だから、リスクを取り続けることが大切だというのである。
 自分が有利だからといって、リスクを恐れて「守り」に入ると、いつの間にか盛り返されて逆転されてしまうこともあるのだという。

「だから、勇気を持って、常にリスクが高いけれども最善の手を指し続ける必要があるのです」

http://president.jp/articles/-/24317?page=2
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・・・じっとしていてはチャンスは訪れないということで、思い出したのが、英語のことわざ

(5) "A rolling stone gathers no moss"
   (転がる石に苔むさず)」

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 アメリカでは、日本で言われる「流れる水は腐らず」という意味に近くて、転がる石には苔がつかないので、いつまでも新鮮で変化に富んでいるというような、プラスのイメージで捉えています。
これはドンドン積極的に変化して、それにより良いものに変えてゆく考え方です。
 苔も汚く、いいものとは思っていないので、転がる石には苔が生えない、すなわちいつも活動的にやっていれば変なことは起こらないということです。アメリカでは、変化すること、動くこと、活動的なこと、新しいことに価値を見い出す傾向にあり、イギリスや日本のようにじっと動かないで、耐えて待つのは重要視されないようです。仕事においても、できる人ほど会社を変わり、住所も変わり、次々と新しいことに挑戦し、その都度給料も上がるという図式が成功者(アメリカン・ドリーム)です。日本では、いい会社に入って、一生そこで働くのが良いの考え方があります。

 http://jack8.at.webry.info/201208/article_2.html。
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 そうか、確かに「待ては海路の日和あり」「果報は寝て待て」のように、あえて動かないことを勧める格言もあり得る。
 しかし、チャレンジ精神・フロンテイア精神の旺盛なアメリカ的発想では、リスクをとる生き方が推奨されるようだ。

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April 10, 2018

大谷翔平は「運」も鍛えた!

Ootani


 大谷翔平選手が、大活躍ですごいことになっている。
 メジャーリーグに移籍してシーズンに入ったらすぐに投手で一勝、打者で三試合連続ホームラン。
 特集番組で、大谷選手が高校時代に書いたプランを紹介していたが、これは昨年の教材研究でも取り扱ったたので、自分にとっては馴染み深い表だった(写真は自分が再現した資料。

 私自身、「運」の書き込みが印象に残っていたが、特集番組でも、この「運」の目標を取り上げていた。

◆①あいさつ②ゴミ拾い ③部屋そうじ ⑤道具を大切に使う
⑥審判さんへの態度⑦プラス思考 ⑧応援される人になる
⑨本を読む◆


 総じて言うと「信頼されるような行動を取る」とでもなろうか。
 
 「運」についていろいろ調べてみたデータが残っている。

A クランボルツ教授「偶然を将来に生かす心がけ」

①「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
②「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
③「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
④「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
⑤「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

(参考:『その幸運は偶然ではないんです!』ジョン・D・クランボルツ、A.S.レヴィン著 ダイヤモンド社 2005)
https://doda.jp/careercompass/compassnews/20150316-12000....

B リチャード・ワイズマン博士の「運のいい人の法則 (角川文庫)」

① チャンスをのがさない。
② 自分を信じて決断する
③ 希望を持ち続ける。
④ 不運を幸運に変える。


C 横山新治「『運がよくなる人』と『運が悪くなる人』の習慣」 
① 意図的に笑う。
② 自分の責任と捉える。
③ あまり悩まない。
④ 自分で決める。
⑤ 冒険する。
⑥ 運が良いと思う。

D ビッグファイブ
① 開放性
② 誠実性
③ 外向性
④ 調和性
⑤ 安定性


中野信子「科学がつきとめた『運のいい人』」

① 具体的な目的をもつ
② 今の自分を生かす 
③ あきらめない
④ あえてリスクのある道を選ぶ
⑤ 積極的に運のいい人とかかわる
⑥ 他人のよさを素直にほめる・・・・

 運がいい人は、運がよくなるような努力を続けたのだと思う。
 その努力には「他者から助けがもらえるような自分になる努力」
も含まれる。
  また、「運がいい」と思う人は「運がいい」のだと思う。
つまり、自分の運を信じて、チャレンジしたものだけに運が巡ってくるのだ。
Big5


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March 31, 2018

本気度は、スローガンでは測れない

  市内のある学校新聞で、イチローの言葉が引用されていた。

◆「人の二倍三倍努力するのは無理」

 これは、これまで見聞きしたイチローのイメージとは違うのでググってみた。
 2016年イチローが野球大会で子供たちに語った一節だ。

===============
(前略)イチローは人の2倍も3倍も頑張っていると言う人が結構います。でも、そんなことは全くありません。
 人の2倍とか3倍頑張ることってできないよね。みんなも頑張っているからわかると思うんだけど。頑張るとしたら自分の限界…自分の限界って自分で分かるよね。その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいなというふうに思います。
 (中略)人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。そのことを続けていくと、将来、思ってもいなかった自分になっている。と僕は思うし、実際、僕だってメジャーリーガーになれると思っていなかったし、アメリカで3000本打てるなんてことは全く想像が当時できなかったんだけど、今言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。それを重ねてきたことで、今現在(の自分)になれたと実感しているので、今日はこの言葉をみんなに伝えたいと思います。
https://full-count.jp/2016/12/23/post54179/2/
=================^=

 いきなり目標のハードルを高く設定しても長続きしない。
 目の前のちょっと高めの目標を次々にクリアしていくことが成功の近道ということだと捉えるなら、それは「発達の最近接領域」の概念と重なってくる。
 「できるかできないか」くらいの課題レベルが有効だというものだ。
 なるほど、人の2倍3倍はがんばれないよね。この言葉によって解放されて安心できる人もいたのではないかな。
 努力しなかった人がこんな風に語っても、それは自己弁護にしかならない。
 小学校時代365日中360日は練習したと断言するイチローならではの含蓄のあるメッセージだ。
  逆に平気で「2倍3倍がんばる」と口にする人は信用ならんということでもある。

 https://retu27.com/blog-entry-629.html

  さて、このイチローの言葉とリンクするのが、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏の『生涯最高の失敗』に出てくる次の言葉。P210

===============
(前略)はじめから200%をねらっても、それでは失敗ばかりしますから、もう少し手軽な、110とか120%あたりをめざしてみる。それなら、たとえ目標を達成できなくても、ちょっと高望みしたから仕方がないな、と考えることができて、あんまり落ち込まないですみます。
 ところが、120%だとたまに、できてしまうことがあります。そのような経験を積み重ねていくと、いつもまにか、120%があたりまえになります。それを繰り返していくと、120%から150%、200%へとどんどん伸びることだってできる。(後略)
===============
  
 1.2×1.2×1.2×1.2=2.0736だから、120%を4回積み重ねれば200%になるという計算でもある。
 
 この章のタイトルが「まず、120%まで積み上げる」

 はじめから200%をねらっても失敗する、という警告は、イチロー言葉と重ねて肝に銘じたいきわめて現実的なアドバイスである。

 さて、ここまでは、一般的な「努力有用論」

 ここからは、やや懐疑的な「努力有用論」。

 田中耕一さんは大学の専門が電気工学である。
 その田中さんが専門外の化学の分野でノーベル賞を取ったんだから、誰にだってチャンスがあるというのは極めて強引な理屈である。

◆私だけではなく、私のチームの五人は全員、化学の出身ではありません。同僚たちも私と同じように、化学については自力で勉強して、ひとつひとつ問題を解決していかなければならなかったのです。一方で、化学の専門家ではなかったからこそ、「分子量一万の試料のイオン化」という、当時としてはあまりに大胆な計画を立てられたのだと思います。(中略)
 私は、専門知識を持つのは、とても大切なことだと思います。私自身は、大学で電気工学を勉強しましたから、ひととおりの知識は持っているし、いまでも興味を持っています。
 仕事上の必要があって回路の設計をしたり組み立てたりするのに、専門知識はとても役立ちます。でも、もう少しべつのところでものを考えることも、私は大事にしたいのです。 (前掲書P123~124)

 これは田中さんの謙遜を含めた主張である。
 いくら化学の専門家でないとはいえ、「急速に試料の温度を上げるとイオン化できる」というもくろみに沿って毎日実験を繰り返すだけの知識とスキルがあったのだから、そこは、ド素人とはわけが違う。

 マラソン金メダリストの高橋尚子選手の「あきらめなければ夢は叶う」という言葉も要注意である。
 彼女の「あきらめなければ」の前提には、極めて過酷なトレーニングがある。
 多くの選手は、彼女と同じ練習量をこなせない。
 「あきらめない」と口にするだけでは、夢はかなわない。具体的な行動がなければ、夢はいつまでも夢のままだ。
 
 2012年12月6日放送の「カンブリア宮殿」は、カト―プレジャーグループ社長加藤友康氏の特集だった。

①渋谷で店を開く時は朝昼晩と渋谷に足を運んだ。
②うどん店(つるとんたん)を開く時には、1日に12件でうどんを食べた。
③懐石料理を1日に2.5回完食する。
④ホテルを開くために1000回はホテルに泊った。

 このような加藤氏を取材した村上龍氏は「死ぬ気でやるっていうことは具体的なことだ」と述べている。
 加藤社長が、日本一のホテルを作る自信があると言い切るのは、それだけ数多くのホテルを回っているからだ。
 店に入ったら、味の良し悪しや売上までだいたい分かると言い切るのは、それだけ数多くの店を回っているからだ。

 番組最後に、村上龍はこう述べていた。
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20121206.htm...

=================
 意識や理性のさらに奥にある無意識の領域まで情報を探らなければ、考え抜くという行為は成立しない。
 それは決して楽ではない。
 だから、たいていの人は「考えているつもり」というレベルで満足してしまい、画期的なアイデアなどとは無縁のまま人生を終える。
 加藤さんにとっては、「徹底的に考え抜く」のは、特別でも何でもなく、ごく自然で、当然の行為なのだろう。
 だから番組ではあえて言及しなかったのだ。
 不敗神話は、奇跡ではなく、考え抜くことによってのみ、生まれる。
=======================

 「量質変化」は、「技(わざ)化」とセットになっている、
 無意識にでも体が反応するほどに、量をこなすこと・情報を入力すること。そこに「死ぬ気で」と言われても、結局「死ぬ気で」という言葉が空虚になることが多い。

◆たいていの人は「考えているつもり」というレベルで満足してしまい、画期的なアイデアなどとは無縁のまま人生を終える。

という村上氏の言葉は、次のようにトレースできる。

◆たいていの人は「やったつもり」というレベルで満足してしまい、画期的な仕事などとは無縁のまま人生を終える。

 「人の2倍3倍努力する」「絶対にあきらめない」「死ぬ気でやる」といった言葉だけではあてにならない。
 
 「自分は50回やった」といくら自慢しても、「自分はたった100回です」と謙遜する人にはかなわない。
 
 本気度は、まさに具体的な「数」に表れる。

 むろん、いくら「一万回のルール」があるからといって、質を問わずに「1万回」という数字だけを取り上げても意味はない。
 「上達」は「量×密度」である。とにかく客観的な評価が難しいのだ。

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December 26, 2017

失敗から学ぶ

Ajimomoto

味の素の新聞広告「これ、ぜんぶ失敗作」

・グラタン「目を離したら、お料理焦げまくりの失敗」
・チーズ「気づいたら、ミルク変質してるじゃん!の失敗」
・アイスキャンデイ「飲み物を外に置きっぱなしの失敗」
・ポテトチップ「嫌がらせに、いっそ薄く切ってしまえ!な失敗」
・高野豆腐「修行中の僧侶、豆腐を外に置きっぱなしの失敗」

などなど。
https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/cm/newspaper/index.html

PDF画像はこちらから。
https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/cm/newspaper/pdf/2016_7.pdf

 元画像がポスターなので、数々の失敗エピソードの文字を読み取るのはちょっと難しいが、「肉じゃが ビーフシチューなのに、まさかのお醤油味!の失敗」の内容を見てびっくり。

◆海外で食べたビーフシチューに感銘を受けた東郷平八郎が、日本にそれを再現させたところ、似ても似つかないものに。ただし味はおいしかったため、新しい料理として広まる。

・・・東郷平八郎がこんなところで登場する。
ということは「肉じゃが」は江戸時代はなかったということか。考えてみれば牛肉料理だから確かに江戸時代っぽくないな。

 広告の締めの言葉も含蓄がある。

◆おふくろの味の肉じゃがに、子どもに人気のグラタン、精進料理の高野豆腐だって、失敗が生んだ成功作です。
 あ~失敗。努力が一瞬で無になるその瞬間、例えようもないがっかり感が私たちを襲います。人は誰でも失敗するというけれど、それでもやっぱりショックなもの。だけど声を大きくして言います。どうかそこで諦めないでください。今では定番の肉じゃがだってビーフシチューの失敗作が始まりだから。日本人らしい知恵と工夫でアレンジしたことで、まったく新しい「日本食」の誕生につながったのだから。焼いてみようか、煮込もうか。うま味をプラスしようか。本当の料理上手は、アレンジ上手。さあ、きょうも挑戦を楽しんでください。
少々失敗しても、逆転できるから料理は面白い。あなたらしい知恵と工夫で、毎日の料理づくるを楽しんで!


・・・「小三教育技術」1月号に紹介されていた授業資料だが、ぜひ使ってみたくなる。

 失敗からの発明については、ノーベル賞クラスの発明など自分も調べてみたことがある。

◆失敗から学ぶ
◆失敗を活かす
◆そもそも「失敗」と思わない

といった前向きな発想を伝えていきたい。

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October 11, 2017

ワークと遊びとストレスフル

 「これからの世界をつくる仲間たちへ」落合陽一 小学館は、示唆に富む一冊で、その中の一部に「「ワーク・ライフ・バランス」に関する部分があることは、先にも書いた。
 今回は「超AI時代の生存戦略」落合陽一 大和書房。
 引用では、うまく伝わらないので、自分の言葉でつぎはぎしてしまうことをお許しいただきたい。

(1)超過勤務は、時間超過ではなくストレス超過で判断すべき

 1日中仕事をしても、楽しくてしかたない人がいる。落合氏もその一人で寝るのがもったいないくらいやりたいことが山ほどあるのだと言う。
 自分の仕事を楽しんでいるタイプの人だ。
 仕事が体をむしばむかどうかは労働時間で決められるわけではない。
 落合氏は、そこで「ストレス」という言葉を使う。ストレスを感じるかどうかが大事なのだ。

◆要するに1日中「仕事」や「アクテイビテイ」に従事していても、遊びの要素を取り入れてストレスコントロールがちゃんとできていれば、それでもいい。また、この考え方においては、ストレスのかかる私生活をすることのほうが、会社でストレスレスの長時間労働をするよりも問題で会ったりする。(P33/34)

「ドラゴン桜」でも似たような指摘があった。
 やるべき課題があるのに気分転換をしたって、気になって楽しめない。だったら、やるべき課題をきちんとやり終えた方が結局は気分がスッキリできるのだと。つまりどちらがストレスレスかを行動基準にすべきなのだ。

(2)余った時間を何に使うか。

  面倒なことや危険なことはAIやロボットがやってくれる時代が来たら、人は何をすればいいか。
 余った時間をどう活用すればいいか。

 このところ何回も出てくるワードだが、答えは「好きなことをやれ」である。

 思う存分やりたいことがある人は幸せだが、やることが見つからない人は不幸せである。
 やりたいことを仕事にして熱中できる人は毎日ストレスフリーに生きていけるが、やりたくもないことを仕事にしている人はいくら定時間労働を守ったとしてもストレスはたまる。

 やりたいことを仕事にして毎日熱中できている方が幸せに決まっている。

 落合氏は、ある対談で、秘書を雇って事務的な仕事を任せられたら、自分は今の5倍は働けると宣言し、秘書を雇うことが認められたと言う。

 ドクターXみたいに、自分の仕事以外は「いたしません」と言い切れたら、どんなにストレスフリーだろう。
 でも、ドクターXのポテンシャルを最大限生かしたいなら、誰でもできるような余分な仕事に関与させない方がいいに決まっている。そんなことは分かっているのに、ドクターXに雑務を命じようとする。
 そもそもドクターXにはマネージャーがいて、彼女自身は業務請負については全く関与していない。ただただ自分の大好きな外科手術に没頭できる環境をつくっているのだ。

 仕事と趣味が一体化しているとも言えるし、
 心の底から仕事を楽しんでいるとも言えるし、
 自分が没頭できることを仕事に選んでいるも言える。

(3)「好き」の反対は、「嫌い」ではなくて・・・

 マザーテレサの言葉が云々なんていうことは言わない。
 「好き」の反対は「嫌い」ではなくて、「無関心」。
 「好き」も「「嫌い」も関心が合ったり、関わりがあったりするから生じる意識。
 そもそも関心を持たなかったら「嫌い」という感覚すら生じないのだ。

 「嫌い」というのも、結構なエネルギーがあって、「嫌いなものを何とかしよう」という強い思いがあれば、世の中の「〇〇嫌い」ために、何か改善案をもたらすことができるかもしれない。

 だから「興味がない・関心がない」という人が一番困る。何をやろうにも取り掛かりがないし、成果をあげられないので、ストレスがたまってしまう。

 先に「好きなことをやれ」と主張したが、「嫌い」を含めれば「興味・関心のひかれるものをやれ」となる。
 
 好きなことを成し遂げるための「困難」なら、人は結構耐えられる。
 興味のないことを強いられると、たとえ1分でも耐えられない。

 人は機械と違って、気分によって作業成績が大きく左右する。
 「いい気分」で作業できるよう、自分の環境は自分できちんと調整でき子を育てていきたい。

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