July 23, 2017

バックワード・チェイニング

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「日本で最も人材を育成する会社のテキスト」酒井穣著 光文社新書

 行動をゴールから始めて、少しずつスタートまでさかのぼっていく方法を「バックワード・チェイニング」と呼ぶそうだ。

◆スタートから1つずつ行程を踏む「フォワード・チェイニング」は、ハードルが多く、ゴールが遠く、成功体験が得られにくい。「新人は途中で挫折し、失意のうちに会社を去ってしまうかもしれません。(P129)
 
◆バックワード・チェイニングのポイントは、つねに「最後までやり抜いた」という充実感をともなって育成対象となる人材の経験をクローズできることです。(中略)
バックワード・チェイニングは「つねにゴールのテープを切る」という成功体験を積ませつつ、徐々に難易度を高めていく経験のデザイン手法です (P130~131)


(1)赤鉛筆でなぞらせて、最後だけは自分にやらせるノート指導。
(2)最後の場面を取り出す応援団や呼びかけの最初の指導。、

といった向山実践が思い浮かぶ。
 わがサークルの岩本先生が「巻き戻しスモールステップ」を提案したが、これも同じ原理だ。

 行動を細分化すればするほど、ゴールが遠くなってしまう。
 1つ1つのステップは容易になっても、ステップの数が多すぎれば子どもは飽きてしまう。ゴールが「お預け状態」になってしまうからだ。
 まずはゴールを体感することで、見通しが立ち、ヤル気が促される。
 「バックワード・チェイニング」なんて言葉は今日まで知らなかったが、向山型の指導は実に理に適っていたのだ。

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仕事は「気分」でやるな! 脱モチベーション

 かつてテレビで、ある主婦が旦那へのメッセージとして語っていた言葉。

 「家事は『気分』でやるな」

・今日は早く帰ったから手伝うよ。
・今日は疲れていないから手伝うよ。
・今日は気分がいいから早く帰ってきたよ。

などと言えば、さぞかし奥様は喜んでくれるものと旦那は思っているが、逆だと言う。

 疲れていようがいまいが、家事はやらざるをえないもの。
 その日の気分でやったりやらなかったりできないのが家事。
 だから、自分の都合で、自分の好きな家事だけ担当したからって、それを自慢するんじゃない。

・・・「家事は気分でやるな、家事は義務だ」という主張であった(と自分は解釈した)。

 これは、「家事」を「仕事」に置き換えても同じだろう。

 仕事は気分でやるものではない。
 「今日は調子いいから120%の仕事。今日は調子でないから会社休みます。」では、誰も信頼して仕事を任せられないし、安定した質の仕事は期待できない。
 好き嫌いや気分に左右されず、コンスタントにベストを尽くし、契約義務を果たすのがプロの仕事。淡々と義務を果たすのが大人の流儀。

 さて、先日読んだ次の書籍も同じような主張であった。

「モチベーションで仕事はできない」坂口孝則著 KKベスト新書

◆世の中には「やりたい仕事に就こう!」「モチベーションをアップする方法」などの書籍やセミナーがあふれている。にもかかわらず、多くのビジネスピープルが「今日もやり気が出ない」と悩みを抱えて生きている。本書ではこうした世間のモチベーション信仰に警鐘をならし、憂鬱なあなたに向け、新しい仕事術の提案をしていく。成功のためには、「やりがい」「夢」「目標」なんて不要だ。やる気があるときもなかなか出ないときも、確実に結果を出していくための方法とは。

というのが、ネットの紹介文。モチベーションがあろうがなかろうが、とにかく仕事をこなせ、という主張だ。

◆仕事ができないのは、やる気ではなく技術の不足
◆定型的な仕事は効率よく終わらせ、じっくり思考時間を確保する

といった本書の記述も参考になった。

 なお、読んでないが、同じような書籍もヒットした。

 「仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか」相原 孝夫 (幻冬舎新書)
◆モチベーション高く働く―。意欲が常に湧き上がっている、理想とされる働き方だ。モチベーションという言葉が仕事の場面で使われ始めたのは2008年のリーマンショック頃。以来、時を同じくして職場うつの問題が急浮上。高い意欲を礼賛する風潮が、働き方を窮屈にしたのだ。そもそもモチベーションとは、ささいな理由で上下する個人の気分。成果を出し続ける人は、自分の気分などには関心を払わず、淡々と仕事をこなす。高いモチベーションを維持する人などいない。気持ちに左右されない安定感ある働き方を提言する。

 「目の前の仕事をたんたんとこなす」というのは、ミスチルが歌う「彩」にも出てくる生き方だ。

◆ただ目の前に並べられた仕事を手際よくこなしていく。誰が褒めるでもないけど・・

 プロとしてのプライドがあるなら、褒められるから頑張る・褒められないから頑張らないではなく、いついかなる状況でも、結果を出していくことが求められる。

 そもそもプロの仕事は「相手の求められるものを約束通り提供する」ことで対価を得ている。
 芸術家のようなごくごく才能のある者だけが「自分の自由気ままに行った仕事」で評価される。
 ただし、納得できる作品が出来上がるまでじっと待っていてくれるなんていうのは、きわめてレアなケースで、小説家でも多くの場合は期限のある連載を抱え、締め切りに間に合わせるべく苦悩している。
 実は、その「締め切り」そのものがモチベーションになっているケースもあって、自分たちも締め切りがないと、なかなか前向きに課題に取り組めないのが実情だ。

 やる気の有無・好きか嫌いかで質が左右するのはプロの仕事ではない。このことをしっかり肝に銘じたい。

Moti


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「強化学習」と「ARCSモデル」

 茂木健一郎氏の「脳を活かす勉強法」などによると「強化学習」と「自発性の回路」は同じ意味ということになる。

 「挑戦する」
 「熱中する」
 「うまいくいく」
 「快感を味わう」
 「もう一度挑戦したくなる」

の形で、「成功」を繰り返して上達していく「学習」の基本サイクルを茂木氏は「自発性の回路」と呼ぶ。
 同時に、試行錯誤を経ることで脳内に強固なシナプスが形成され、やがて一つの行動に練達していくこの過程を「強化学習」と呼ぶ。「脳を活かす勉強法」のひとつめの極意は、この「強化学習」のサイクルを回すことにあると。

・・・ところが、「ドーパミン強化学習」も「自発性の回路」も、検索すると茂木氏の著作しか出てこない。

 この「自発性の回路」によく似たモデルがあった。
 1983年にジョンケラーが示した「ARCSモデル(アークスモデル)」だ。

===================
ARCSモデルは,Kellerの提唱した学習意欲モデルで
A:注意(Attention)
R:関連性(Relevance)
C:自信(Confidence)
S:満足感(Satisfaction)からなる。

【注意の側面】
おもしろそうだ,何かありそうだという学習者の興味・関心の動きがあれば,注意が獲得できる。
新奇性(もの珍しさ)によって知覚的な注意を促したり,不思議さや驚きによって探究心を刺激する。
また,注意の持続には,マンネリを避け,授業の要素を変化させる。

•A1 知覚的喚起:学習者の興味をひくため何ができるか
•A2 探究心の喚起:どのようにすれば探求の態度を刺激できるか
•A3 変化性:どのようにすれば学習者の注意を維持できるか


【関連性の側面
学習課題が何であるかを知り,やりがい(意義)があると思えれば,学習活動の関連性が高まる。
反対に,「何のためにこんな勉強をするのか」との戸惑いは,関連性の欠如に由来する。
学習の将来的価値のみならず,プロセスを楽しむという意義や課題の親しみやすさも関連性の一側面だとされている。

•R1 親しみやすさ:どのようにすれば学習者の経験と教材とを結びつけることができるか
•R2 目的指向性:どのようにすれば学習者の目的と教材を関連づけられるか
•R3 動機との一致:いつどのようにすればが学習派の学習スタイルや興味と教材とを関連づけられるか


【自信の側面】
達成の可能性が低い,やっても無駄だと思えば,自信を失う。
逆に,学び始めに成功の体験を重ねたり,それが自分が工夫したためだと思えれば「やればできる」という自信がつく。
自信への第1歩は,ゴールを明確にし,それをクリアーすること。
教師の指示にただ従うだけではなく,試行錯誤を重ね,自分なりの工夫をこらして成功した場合(学習の自己管理),自信はさらに高まる。

•C1 学習欲求:どのようにすれば学習者が前向きな成功への期待感を持つように支援できるか
•C2 成功の機会:学習経験が,学習者自身の能力に対する信念をどのように支えたり高めたりするのか
•C3 コントロールの個人化:どのようにすれば学習者は自分の成功が自分の努力と脳力によるものであると確信するか


【満足感の側面】
学習を振り返り,努力が実を結び「やってよかった」と思えれば,次の学習意欲へつながる満足感が達成される。
マスターした技能が実際に役に立ったという経験や,教師や仲間からの認知と賞賛,努力を無駄にさせない首尾一貫した学習環境などが重要だとしている。

•S1 内発的な強化:どのようにすれば学習経験の本来の楽しみを促進し支援できるか
•S2 外発的報酬:学習者の成功に対して,どのような報酬的結末を提供するのか
•S3 公平さ:どのようにすれば学習者が公平に扱われていると感じるか

参考文献:「教育工学事典」日本教育工学会,実教出版,2000
http://home.riise.hiroshima-u.ac.jp/~ten/arcs.html
==========

・・・そうか、「教育工学」というジャンルで学ぶのか。

 「おもしろそうだな」
→「やりがいがありそうだな」
→ 「やればできそうだな」
→「やってよかった」

とサイクルとして捉えると、ARCSモデルは「自発性の回路」と重なる。
おそらく「ドーパミン」が分泌されて、学習が「強化」されるのだろうと勝手に解釈している。

http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/ksuzuki/resume/books/199...

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June 23, 2017

「やる気を出せ!」は言ってはいけない。

「やる気を出せ!」は言ってはいけない。
石田淳著(フォレスト出版)
サブタイトルが「行動科学で見えてくるリーダーの新常識」

 何をどうすればわからずにとまどっている人に向かって「やる気はあるのか」とどなっても何の意味はない。
相手を委縮させるという意味では、むしろ逆効果だ。そう思ってもつい使ってしまうのだとしたら、それは、もはや単なるストレス発散だ。

 筆者は、最高のリーダーを
「部下が自ら喜んで仕事をする環境をつくる人」
「部下一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出す環境を整えることができる人」
と定義している。
 リーダーを「教師」にし、部下を「子ども」に置き換えても同じだと思う。

◆根本的には、「仕事は面白い」「楽しい」と思わせ、それを習慣化させることが重要なのである。
 部下の行動が自発的になり、それを習慣化していく。これが、行動科学マネジメントの考え方なのである。p73

・・・ここが、本書の「肝」だ。
 自分から「やりたい」と思っている社員が成果を上げるのに対して、「ねばならない」と思って仕事をしている社員は成果が上がらない。「行動自発率」が異なるからと言うのが筆者の主張だ。

 「やる気を出せ」というアドバイスが不毛であるように、 「仕事を面白いと思え」「楽しいと思え」というアドバイスも不毛である。「思え」と言われたからといって、思えるほど、人の感情は単純ではないからだ。

◆上司から部下へ伝えるべきものは「やる気を出せ!」というセリフではなく、具体的な「やり方」「方法」であり、それに楽しんで取り組むことができるしくみなのである(p20)

◆部下に伝えるべきは「常識」という抽象的な言葉ではない。「結果に直結する具体的な行動」だ。p24

◆物事を続けられない理由は二つしかない。①やり方が分からないから。②やり方は知っているが、続け方を知らないから。p48

◆コーチングでは、叱ることと褒めることを多用する。これらを使い分けて部下を育てようとする手法には一理あるが、「望ましい行動」を教えたほうがずっと早い。褒めたり叱ったりは、まずそれをやってからすべきである。p123

・・・どう教えればよいのか、その具体例は自分で考えればよい。
具体例まで求めるマニュアル頼みの態度は、まさに「リーダーの非常識」だと思う。

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June 17, 2017

学問は「難しい」と「面白い」が両立する世界

 本日6月17日の中日新聞朝刊に「日本の科学、今ここにある危機」という特集記事が掲載された。今ならwebで全文見られる。

http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=466655&comment_sub_id=0&category_id=562&from=news&category_list=562&genre=special


 特に、薬学博士で作家の瀬名秀明氏のインタビュー記事に注目した。
 瀬名氏の「パラサイト・イブ」や「BRAIN VALLEY」は衝撃的で、「BRAIN~」は、後に科学者の解説本が出たほどだ。

◆「熱中する心」育てて 作家・瀬名秀明さん

 子どもが科学に興味を持たなくなっている、日本の科学は危機的状況ではないかという声があります。でも、それは科学に限った話なのでしょうか。活字や本離れを憂える声だってあります。科学に興味が持てない人は小説にもスポーツにも興味を持てないかもしれない。僕が感じるのは、何かに面白がって食いつく、関心を持つことが、世の中全体で薄らいでいるのではないかということです。
 これは印象ですが、背景にはネットの影響があると思います。たとえばネットでニュースが流れるとパーッと読み、すぐに感想を書き込む文化がある。刹那的な反応なので感情的になりやすいし、別の視点で調べる、自分の言葉で書くなどの作業が省かれがちです。
 実際、その場では何かいいことを言った気になっても、翌週には忘れるでしょう。本当に興味があれば、何週間も何カ月もその問題を考え続けるはずなのに。こうしたネットの刹那的な側面を克服して、熟考が可能なネット空間を発明できたら、本当に素晴らしいと思います。
 「学問をする」というのは、「考え続ける」ことです。最近では「難しいこと=悪いこと」とみなされがちですが、学問は「難しい」と「面白い」が両立する世界です。何かに熱中すると、必ず別の分野への関心へとつながっていきます。一流の科学者は必ず、自分の専門分野にとどまらない、広い視野と好奇心を持っています。

・・・最後の段落は実に奥が深い。
 「難しい」から「面白い」のであり、「難しくて面白い」から、考え続けられる。
 難しさと面白さが、努力を持続するモチベーションになることを子供たちに伝えていきたい。

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February 19, 2017

運を引き寄せる生き方を目指す

 「運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則」リチャード・ワイズマンは面白かった。
 特に、自称「運のいい人」と自称「運の悪い人」との比較実験が印象的だった。

 自称「運のいい人」は、あらかじめ店先に落としておいたお金に気づき、喫茶店に入れば、隣に座った実業家と話が弾む。そして「今日は2つもいいことがあった」と振り返る。
 自称「運の悪い人」は、落としてあったお金に気づかないし、喫茶店に入っても誰にも話しかけない。そして「今日は何もいいことがなかった」と振り返る。

 運がいい人たちは、好奇心が旺盛で、外向的で人づきあいがよく、人とのネットワークを広げることに積極的であると言う。
 また「運の悪い人たち」と比べて笑う回数やアイコンタクトの回数が多かったともあるが、そのような特性があるからこそ、話しかけた相手との会話が弾むのだ。

 リラックスしていれば予想外のチャンスに気付きやすい。
 外向性があれば多くの人に自分から話しかけて周囲を引き寄せ、知り合った人と長く付き合える。
 開放性があれば新しい経験を次々に受け入れることができる。

 この本を読んだだけで「できることからやってみようかな」という気になる分かりやすい1冊だ。

 この書物からの学びをまとめたサイトも参考になった。
http://plusact.me/blog/post-1578/
 
 もしも、イベントやパーティーなどに出席した時は、まずあなたが楽しく話せる人を見つけましょう。
 自分が相手に関心を持つ事によって、その人が私に魅力を感じることでしょう。
 外に出て誰かと会うという事だけで、素晴らしい出来事や人と巡り会う確率が高くなります。
 もしもあなたが家の中にいて、誰にも会うこともなければ、決してあなたに幸運がやってくることはないでしょう。

・・・自分から話しかけて、相手も応じるから、会話のキャッチボ―ルが成立する。自分からボールを投げずに、相手からのボールを待つようでは何も始まらない。「~くれない」と周囲に不満を言うだけの人には幸運は巡ってこないのだ。

 「チャンスは待つものでなく、つかむもの」
 
というマインドセット(心のありよう)が人生を変えるのだということがよく分かる。

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February 04, 2017

「不意打ち」の魅力

November 11, 2016 「偶有性」の概念 の続き。

 過日、林修さんは、辞書は引くものでなく、いろいろ眺めるもの、一語一語調べる電子辞書ではそれができない、とテレビで話していた(文責は私)。
 書店で本を買う楽しさも、ついでにいろんな本を見ることにある。ネットで指名買いすると、余分な情報が入ってこないデメリットがあったが、最近のアマゾンが関連書籍が出るから、書店でたまたま見かける書籍の情報量よりもすごいかも。
 レンタルビデオのサービスがあっても、テレビでは映画を放映する。借りてまで見たくないけど、放映されるなら見るか、といった心境だが、何となく見ていて意外に面白くて得したと思うこともある。

 昨日2月3日(金)の中日新聞夕刊に、「『不意打ち』の魅力」という小見出しの文章があった。

=========
ネットが普及し、それぞれが好きな曲をダウンロードして聴ける時代だが、恩蔵氏は「純粋な音楽の楽しみ方としては、それでいいのかもしれないけど、ラジオだと不意打ち的に素晴らしい曲が流れることがあるでしょ。『こんないい曲があったのか」「昔、彼女に振られたときに聴いたな』と、予想外の感動に出合える」と話す。
============

 いわゆる「偶有性」。
 人には安定を好む気持ちとハプニングやサプライズを好む気持ちがある。
 刺激のない毎日は安定するが、退屈になる。
 予想外の出来事は不安を生じさせるが、その不安がまた日々の楽しさになる。

 「不意打ち」の魅力に出会うためには、マンネリの生活から一歩踏み出さないといけない。いつもと違う店に行ってみる。知らないことをやってみる・・・。
 踏み出す勇気・自分を変える勇気なんて大袈裟なことではない。
 ちょっとした行動の変化、ちょっとした心のありよう次第なのである。

 さて、職員室でのちょっとした雑談・

 「脳は『安定』も好きだけど、『不安定』も好きなんだって。だから、いつも同じことやっていると「安定」はするけど、飽きてきて、ハプニングやサプライズが欲しくなるんだそうです。いつも同じことばかりしていると、老化が早まりますよ。 人生にはドキドキやワクワクが大事なんですよ。」

「そうか、私は『安定』志向なんだ~」

「自分の心地よいゾーンを『コンフォートゾーン』っていうんだけど、別名は『ぬるま湯」です。快適なゾーンは、「楽」なんですよ。 でも楽ばかりしていると、人間ダメになりますよ」

「そうか、もっと刺激を与えないといけないな~」
「何でも楽をしちゃあダメだね~」

 子供たちにも、このようにストンと納得させたいな~。

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January 22, 2017

知的創造の瞬間

 NHK教育で、たまたま「浦沢直樹の漫勉」を観て感激した。実際にプロ作家が漫画を書き込む場面を丁寧に紹介していたからだ。
 今回、自分が視聴した山下和美氏のペン先のドアップが、WEBサイトでも観ることができる。
 「NHKさん、アップしてくれてどうもありがとう」と言いたいくらいだ。

http://www.nhk.or.jp/manben/yamashita/

◆密着撮影することによってとらえた 「漫画が生まれる瞬間」◆

 まさに、この言葉がぴったり!
 ペン先の音や作家の呼吸音だけが聞こえてくる動画。

 浦沢氏が「これがお宝映像ですね」というようなコメントをしていた。
 漫画に興味のある子どもにも衝撃的だろう。
 しかも、毎回のゲストの動画がある。どれもすごい。実に贅沢なサイトだ。

 無地の用紙に、何度も鉛筆線を重ね、その中から確定する線を決めていく。
 せっかく描いたのに、ごっそり消して書き直す。
 たくさんの下書き線にかぶせるようにペンを入れていく。
 極めてアナログな知的生産の瞬間だ。

 「書いては消す。書いては消す」

 原稿用紙に向かって文字を書き連ねる作家もこんな感じだろうか。

 今回の山下氏の特集で圧巻だったのは、サイト中央の「壮絶な挑戦『悪夢感』を出したい」という動画。
 せっかくペンで仕上げたのに、イメージが合わなかったので、和紙で墨に描くことにする。墨で表現するそのテクニックにびっくり。しかも、番組では、この墨絵の出来がよかったので、コマ1枚で1ページにすることに変更し、さんざん苦労したその前の2コマを没にするシーンがあった。

 資料画像を参考にするかどうかの会話もあった(番組とサイトでは、言葉が違う)。

===============
◆人の動きがかけなくてうまく(資料写真を)見ることもあるんですけれど、想像して描くことが多いですね。(山下)

スポーツのシーンなんかでも、写真をそのまま描くとわりとこじんまりしちゃう。(浦沢)

やっぱり、一回、その人の絵にしてみる。(山下)

写実になり過ぎると、その漫画家さんの絵じゃなくてもいいってなっちゃうんですよね。(浦沢)

◆今、山下さんは、何も見ないで描いていますけど、最近の若い漫画家さんたちだったら、猪の資料をばっちり見ながらだと思う。
この、見ないですいすいと行く感じっていうのは、皆さん刺激になると思う。
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・・・「写真をそのまま描くとこじんまりしてしまう」という指摘に納得。我々が文章をコピペなどしたら、当然「自分の文章じゃなくてもいいってなっちゃう」ということになる。肝に銘じたい。

 ところで、漫画と言えば、昨年、同じくNHK教育の「100分de名著 火の鳥編」を少し見た。

 普段、漫画は何気なく読み進めてしまうが、テレビがコマ割りごとに丁寧に映し出す場面で衝撃を受けた。
 例えば、次のサイトの開始11分あたりからを、ぜひ見てほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=NsTxJdEGEXk

 ささいな1コマ込められた作者の深い思いを、これまで意識してこなかったことが恥ずかしいくらいだった。
 
 漫画の奥深さ、表現力のすごさを実感した。これぞ日本の誇りだな。そして人工知能の及ばない人間の想像力・創造力のすごさだな。

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脳科学の知見を知って、「正しい努力」をめざす

 日本人が英語が苦手であることについて、中野信子氏がインタビューで、語っている記事があった(少々古い記事だが)。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/111700052/1...nocnt

==============
(1)絶対音感のような聴覚的な音楽能力、精細な音の高低を聞き分けるという点では、欧米人よりアジア人の方が優れています。
ただ、音を聞き分ける能力が語学の学習能力に直結するかどうかは、まだ解明されていません。
 もし外国人の方が日本人より語学の学習能力が上回るとしたら、それは「失敗を恐れない」ということではないでしょうか。
4人の外国人を取材されて、「失敗しても恥ずかしいと思わない」、という共通点が見えたことは、その大きな裏付けにもなりますよね。日本人は、失敗に対する恐怖心や不安感が大きい民族なので、「間違った英語を話しては恥ずかしい」と思い、なかなか話さず、語学が上達しない。これはある意味、「脳科学的に仕方ないこと」といえます。

(2)脳内には「セロトニン」という神経伝達物質があって、これが十分にあると、安心感を覚え、やる気も出ます。
このセロトニンの量を調節しているのが、セロトニントランスポーターというたんぱく質。神経線維の末端から出たセロトニンを再び細胞内に取り込む役割を担っています。
この数が多いと、セロトニンをたくさん使い回せるので、気持ちが安定し、安心感が持てます。逆に少ないと不安傾向が高まります。
 日本人は、このセロトニントランスポーターの数が少ない人の割合が世界で一番多い。つまり世界一、不安になりやすい民族なんです。
================

・・・教育再生実行会議も、日本人の自己肯定感の低さを指定しているが、その根本原因が「セレトニントランスポーター」の数なら、根性論のような対処療法では、簡単に克服できないのかもしれない。
 少なくとも、「世界一不安になりやすい民族」という指摘を受け入れた上で、セレトニンの分泌の少ない日本人に対しても、「失敗しても恥ずかしいと思わない」子が育つためには、どうすればよいかを検討しなければならない。

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January 07, 2017

正しい努力をするためにも、「脳の最適化」

Nou
 
『脳を最適化すれば能力は2倍になる』(文響社) 樺沢紫苑著

 TOSS関連の書籍には、脳科学の知見がさまざまに書かれていた。
たとえは「セロトニン5」と呼ばれる子どもを安心させる5つの手立て。

①見つめる ②ほほ笑む ③話しかける ④ほめる ⑤触れる

 そのほか、

・ドーパミン5(楽しくなり、集中力が高くなる対応)、
・ノルアドレナリン5(緊張し、注意力や意欲が高まるスキル)

などについても、これまでも指摘があった。
 世間的には「ドーパミン学習」がオーソドックスだったと思う。
https://matome.naver.jp/odai/2139492914731412401

 茂木健一郎氏氏は、やりたいことに熱中し、成功体験の繰り返しを「ドーパミン強化学習」と呼んだ。
 ドーパミンを分泌させる7つのステップ

1、明確な目標を設定する
2、目標を達成した自分をイメージする
3、目標を繰り返し確認する
4、楽しみながら実行する
5、目標を達成したら、自分にご褒美を与える
6、すぐに新しい高い目標を設定する
7、目標達成のプロセスをくり返す

 茂木健一郎氏、中野信子氏、池谷裕二氏の著作で部分的には分かっていたが、体系的に脳内物質について解説したものがなくて不満だった。
 そういうわけで前掲の新刊本に飛びついたのだが、2010年に刊行された「脳内物質仕事術」(マガジンハウス)の加筆修正版という事だから、本当は、その時点で入手していてもよいはずの本だった。

https://event-form.jp/event/1334/qc2majZm6yVo
 
 新聞広告に掲載されていた程度の提示なら許されるかな。

(1)ドーパミン分泌(モチベーション向上)小さな目標を設定し、達成した自分を強く想像する。
(2)セロトニン分泌(朝に強くなる)映画で涙を流し、カーテンを開けて寝る。
(3)メラトニン分泌(疲労回復・老化防止)寝る前は蛍光灯の光とスマホを避ける。
(4)ノルアドレナリン分泌(猛烈に仕事がはかどる)恐怖やプレッシャーにあえて自分をさらす
(5)アドレナリン分泌(ピンチで力を発揮できる)大きな声を出し、オフにしっかり休む
(6)アセチルコリン分泌(「ひらめき」が生まれる)卵黄と大豆を摂取し26分間の仮眠をとる。
(7)エンドルフィン(究極の集中力で限界を突破できる)人に感謝して喜んで仕事する。

 あるいは、出版記念講演会の案内

♯感情や思考は「脳内物質」が支配している
♯「脳内物質」は、自分でコントロールが可能である
♯脳の最適化=「脳内物質」のコントロールで、あなたの能力は変わる
♯あなたの願望が次々と実現する夢実現物質を出す方法
♯モチベーションを圧倒的に高める7つのステップ
♯二つのモチベーションの使い分けで「やる気」を自在にコントロールする
♯「怒り」と「興奮」を味方に変える方法
♯「緊張」と「不安」をコントロールする方法
♯気分転換を実現する7つの仕事術
♯「共感力」を鍛えて、心の平安を得る方法
♯やる気が出ないときでも、10分でやる気が出て来る方法
♯睡眠時間を「ひらめき」「発想」時間として活用する方法
♯脳内麻薬を味方にする方法
♯究極の集中力を手に入れる方法
♯今すぐ誰でもエンドルフィンを瞬時に分泌して幸福になる方法
https://event-form.jp/event/1334/qc2majZm6yVo

 努力には正しい努力と間違った努力があると中野信子氏も言う。
 脳科学的な見地から、効果のある努力をするように仕向けていきたい。
 幸せのメカニズム・努力のメカニズムを熟知しなくては。

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