November 26, 2024

教科書の問題数では足らない!

3年算数(啓林)の「式と計算」
(1)は例題になるので教科書も分かりやすく改行してある。
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(1)たくみさんはお楽しみ会をするので
1本70円のジュースを6本
1こ30円のみかんを6こ
買いました。
 代金はあわせて何円ですか。
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 ①別々で解く
 70×6=420
 30×6=180
 420+180=600
 ②1組で解く
 70+30=100
 100×6=600
の2通りの解き方を確認し、次の時間にカッコを使う3通り目の解き方を学ぶ
 ③カッコを使って1つの式で解く
 (70+30)×6=600
 4年生でも同じ単元があるので、深入りしなくていい。
 3通りの計算の仕方を教え、自分の好きな方法で解くのではなく、指定された方法で解くことに慣れさせる。
 本時はカッコを使う③の解き方を扱わないので、時間に余裕があるはずだった。
 しかし、1番が足し算、2番が引き算の問題なので、ちょっと手ごわかった。
(2)はるかさんは、高さ7cmの積み木を6こ、弟は高さ4㎝の積み木を6こ積みます。
どちらが何㎝高くなりますか。2通りのしかたで計算しましょう。
 足し算と引き算では思考が違う。 
 1番と同じように2番を解いてみましょうという進め方にはならない。
 実質的には2番も1番のように丁寧に扱う必要がある。
 ならば、1番・2番を「足し算・引き算」としてさっさと進め、先生問題として
3番・・1番のジュースとみかんを「違い」で考えさせる
4番・・2番の姉と弟の積み木を「あわせて」で考えさせる
と2問追加して取り組ませるとよい。
 問題数をこなさないと、子供たちは理解が深まらないからだ。
 今日の授業は指導書通りなのだが、1番2番で終わってしまうと、子供が理解したかどうかは分からないのだ。

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October 22, 2024

「困難は分割せよ」

 3年算数の円の模様のページを見ていて、これは「漢字の読み書き支援」と重なるなと思った。 
(1)漢字が苦手な子の要因の1つに、手先の不器用さの問題がある。
これと同じで、手先の不器用な子は、コンパスを一周させられない。圧が弱いせいか、中心がすぐに外れてしまう。
(2)漢字が苦手な子は漢字をややこしい図形として認識する。
これと同じで、模様をパーツに分けられない子は1つの図形として覚えようとするので、複雑な模様になると混乱する。
 継次処理・・漢字を部首や構成要素に分解して覚えるやり方。
 同時処理・・漢字全体をイメージとして捉え、図形のように覚えるやり方。
でいうと、当然、同時処理の方が難しいので、パーツに分けて継次処理で取り組ませる。
(3)部首を意識すると、部首だけ浮かび上がって見える。
 これと同じで、どの模様も、円・半円・扇の3つの弧の組み合わせであることを確認する。
 この3つのワードが漢字の部首のような働きをする。
 「ここに半円がある」
 「ここに円が6つある」
 「扇が12個ある」
のように発見させる。
(4)面の彩色を無視して、線(弧)を意識させる。そもそも「円」は面ではなく線だ。
(というか、この問題は面に色を塗ることで混乱させている。)
①円(弧)の線を色分けする。
②円(弧)の線を指でなぞる。
③円(弧)の中心(針の位置)に×をつける。
④×に針を置いて、円(弧)をコンパスでなぞる。
(5)なぞった時の同じように、ノートに描く。
ノートに描くのに迷ったら、もう一度なぞる。
(6)いろんな模様を描く楽しい活動を繰り返して、コンパスを回すスキル・「円・半円・扇を見分けるスキル」の上達を図る。
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 中学国語で扱う「握手」のルロイ神父の言葉は「困難は分割せよ」
 完成形を見て「わー何だこ難しい!」と思う模様も、落ち着いて分割すれば、どれも円の組み合わせにすぎない。
 3年でここをクリアしないと、高学年面積が求められない。

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September 20, 2024

掛け算は遺伝する

4年生算数「割り算の性質を活用して工夫して計算する」で、次のような学習をする。

900÷15
(÷5)で、180÷3=60
(÷3)で、300÷5=60
もちろん、÷15の暗算ができるなら、900÷15=60で解ける。
また、×2で1800÷30=60という解き方もある。
5年生になると、これが900と15の公約数である「3・5・15」で割れるという理屈で理解できる。
以前視聴したNHKスペシャル「数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語」
大半は理解できていないが、面白かった。
当時の覚え書きに、次のように書いた。
1)掛け算は、素数の組み合わせで成り立つから答えが予想できる。
 4×21=2×2×3×7
(2)足し算は元の素数と異なる素数が出現するので、答えの予想が難しい。
 4+21=5×5
(3)掛け算の答えは元の数の素数(「遺伝子)を受け継いでいるが、足し算は遺伝子を破壊する。
(4)数学の難問が多いのは、足し算があるから。
   フェルマーの最終定理も足し算だから難しい。掛け算ならすぐに証明できる。
4年算数では、このあと「結合法則」を扱う。
16×35
=(4×4)×(5×7)
=(4×5)×(4×7)
=20×28
=560
16×35
=(8×2)×(5×7)
=(2×5)×(8×7)
=10×56
=560
掛け算は遺伝するんだな、と感じる単元だ。
でも「遺伝子」の話はややこしいから、学校では言わない。自分だけの密かな楽しみである。

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August 23, 2024

九九を超えた掛け算

4年2学期算数の授業検討

(3)おまけ:九九を超えた掛け算

4年生で学習する2桁の割り算では「九九を超えた掛け算」がスムーズにできるかどうかが重要です。

5年生になると、倍数・約数・通分・約分などが出てきて、九九を超えた掛け算の理解が重要になります。

たとえば

36は、九九の中では「4×9」しかありませんが、1×36,2×18、3×12 があります。

45は、九九の中では「5×9」しかありませんが、1×45,3×15 があります。

 

計算に慣れた子にとっては、当たり前の掛け算ですから、約数がすぐに浮かび、分数の通分もすぐにできます。

しかし、九九でとどまっている子はここで苦しみます。

むろん、36は、4×9だから、2×2×3×3だから、約数はこの4つの組み合わせの数だけあるという素因数分解の考え方もあります。

それにしても、「20×20」まで覚えた子は楽でしょうね。

2から9の倍数を100までスラスラ言えるようになるといいので、それらを楽しくできる学習ソフトなどを探してみようと思います。

写真は、以下のサイトより

https://www.illust-box.jp/sozai/278960/

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2桁で割るわりざんの筆算

4年2学期算数の授業検討

(1)2桁で割るわりざんの筆算

1学期に1桁で割るわり算の筆算を学習しました。

この時は、68÷2、642÷6、242÷3などだから、九九ができれば何とか解けました。

2学期は2桁で割るわりざんの筆算です。前半は80÷30、96÷32などだから1学期の延長です。

中盤の第4時の175÷35、252÷36、168÷28 から圧倒的に難しくなります

(というか、ここまでは助走問題にすぎないということです)。

 もちろん17÷3、25÷3,16÷2で商のめどを立てるのだから九九レベルですが、商を立てた後の計算は2桁×1桁の掛け算です。35×5、36×8、28×8のような掛け算がスラスラできないと、どんどん遅れていきます。

 だから、割り算の筆算を始める前に(ほんとは1学期から)、2桁×1桁の筆算を習熟させます。

今日の授業の割り算で必要になりそうな2桁×1桁の筆算練習を授業開始時に練習させ、割り算の筆算の際は、その答えを参照させるという方法もあります。上の例でいうと、

35×435×535×6】【36×636×736×8】【28×628×728×8】などを授業開始時に解かせておくという意味です。

※計算の苦手な子ほど、①筆算の問題を書き写すのに時間がかかり、②詰めて書くので間違いやすく、③掛け算を小さく書くので間違しやすく、④引き算でも間違いやすいです。

これらのつまづきを想定して、対処しましょう。特に余白のあるノートつくりを推奨します。

 1時間の基本的な流れは「例題類題練習問題」ですから、「教師主体クラス全体個人」と位置づけて、最後は各自にチャレンジさせるようにしたいです。

例えば、練習問題6問にチャレンジさせると、早い子は6問解くけれど、遅い子は1問もできていないことがあります。

 練習問題が6問なら半分に分けて、5分で3問やらせて答え合わせ、5分で3問やらせて答え合わせとするといいかもしれません。早くできた子も5分なら待てると思いますし、遅い子も1問に集中すれば頑張れると思います。

全員に全問チャレンジを強要すると、計算の苦手な子は終わりません。時間で区切り、できたところまで答え合わせをするという形で良いと思います。多少時間はかかっても、確実に計算できるなら、単元テストは高得点が取れるはずです(テストでいい点が取れるように支援してあげてください)。

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June 22, 2024

声に出すことの意義

算数の授業中に声を出す活動は、国語の授業以上に大事だと思う。

(1)全員で問題や答えを読み上げることで、今どこをやっているかを明確にする。ぼやっとしている子に刺激を与える。

(2)みんなで声を出すことで、理解の怪しい子のをサポートする。

(3)あきらめがちな子を授業に参加させる。お客さん状態の子は、ますます置き去りになる。

(4)自分の声を耳から入れることで、理解を促す。

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May 06, 2024

210×0.6で求められる式


平成19年の小学校学力調査で、答えが210×0.6で求められる文章題を1つ選ぶ設問があった。

正答率54.3%だったのが以下の問題。大人から見れば簡単です。

◆1mのねだんが210円のリボンを0.6m買いました。
 リボンのねだんはいくらでしょう。


誤答30.1%で誤って選択されたのが以下の問題。

◆赤いテープの長さは210cm。
赤いテープの長さは白いテープの0.6倍です。
白いテープの長さは何cmでしょう。

設問に「倍」という表現が含まれることから乗法と判断した誤答だと考えられる。
自分が分かるように問題文を正しく置き換える力がほしい。


長さ210cmの赤いテープの0.6倍が白いテープ?cm

白いテープ?cmの0.6倍が、210cmの赤いテープ。


「?cmの0.6倍が210cm」という問題文の構造が分かれば、210×0.6の立式はない。

さて、これは「知識・技能」の問題か、それとも「思考・判断・表現力」の問題か。

思考させています。

だからと言って、「知識_技能」が全く思考を伴わないわけではない。

平成19年は学力調査問題がABに分かれており、これはA問題。

よって、これは「知識・技能」型。

巷の教室では、このレベルの問題を「思考」で評価しているような気がする。

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April 30, 2024

教科書の意地悪問題

チョコレートが16こあります。

この前提で2つの問題がある。

①8人に同じ数ずつ分けると1人分は何個になりますか?

②1人に4個ずつ分けると、何人に分けられますか?

 

子供によっては、いきなり①②の問題を考えようとする子がいる。

そんなことある?と思うかもしれないが、この①②でウンウンうなっている子の中には16を見落としている子がいる。

16という数字を抜きにして、

①は、8÷1

②は、4÷1 

と立式している子が、今日もいた。

これは、教科書の問題の出し方が意地悪だからだが、現実にはこういう設問も多い。

だから、こういう設問があったら「出た、いじわる問題!」と喜んで攻略するように仕向けるとよい。

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ちなみに、このページの3番は

子供35人がいて7人ずつの組に分かれてダンスをします。ダンスの組は何組できますか?

こっちは、数字が2つしかないから「わける」=割り算とさえ分かれば、35÷7と立式できる。

だから、2番より3番の方が簡単なのだ。

 

ちなみに、このページの1番は、割り算の計算が20問、並んでいる。

九九が怪しい子もいるので、20問の割り算をよーいどんで取り組ませば、おそろしいほど時間差が生じる。

だから、このページを取り組むなら、3番ー2番ー1番の順番がスムーズなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

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March 26, 2024

四則計算の復習問題

4 4 4 4 で、1〜10

この計算は定番ネタ。
ただし、数字が4つなので高学年向け。
4×4÷4÷4=1   
4÷4+4÷4=2
(4+4+4)÷4=3   
(4-4)×4+4=4
(4×4+4)÷4=5   
(4+4)÷4+4=6
4+4ー4÷4=7    
4×4-4-4=8
4+4+4÷4=9
10は、ルートを使わないとできないのでは?
 
10月半ば、3年生4年生の算数で交換法則の指導場面があった。
その時、自分で色々試してみた。
4つの数字では、難しいので3つかな。
でも、これを 3 3 3 でやると、以下の答えぐらいしか出ない。
 3×(3−3)=0 
(3+3)÷3 =2
(3×3)÷3 =3    
 3+(3÷3)=4
(3×3)−3 =6   
 3 + 3+3  =9
(3×3)+3 =12  
 3 × 3 × 3 =27

あとで、ネットで調べたら、こんな感じだった。難しい。
で、数字を 3 2 1 に変えてみた。
3ー 2ー 1   = 0
÷(2+1)= 1
ー 2+1  = 2
×(2ー1)= 3
3+2 ー1  = 4
3×2 ー1  = 5
3×2× 1   = 6
3×2+1  = 7
(3+1)× 2 = 8
3×(2+1) = 9
=8の時は、321の順番ではできなかったが、これくらいなら取り組めそう。
計算したノートをコピーして渡した。
こういうのは、持ちネタとしてストックしておくと良い。
単元が終わったので、すぐに生かすことはできないが、いつか使ってもらえるといいな。

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授業の振り返りは、チェックテストで代用できるのか>

◆授業の終わりに「振り返り」を入れるようにとよく言われるが、算数の授業の終わりは、計算スキルで習熟度を確かめた方がはるかに有効ではないのか。


「振り返り」で形式通りの言葉が並ぶだけなら意味がない。
いくら「今日の授業がよく分かった」と書いても、実際にスキル問題が解けないなら意味がない。
そういう意味のないことをやめる覚悟が大事なのだ。

できるかどうかは次の時間の最初に試しす方法もある。
それは学習の定着度を調べるために意味がある行為だ。

無駄な「めあて」、無駄な「振り返り」なら、潔くやめればいい。
ただし、本当はすごく意味があるのに、自分の力不足・理解不足で具現化できていないだけなら威張っても仕方ない。
無駄と言い切るだけの理論武装をしないと、言い訳してさぼっているだけと思われてしまう。

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