August 24, 2024

都道府県の旅(カンジー博士)

●滋賀県の琵琶湖は、日本一大きい湖だ。

●京都府には、古い町なみがのこっている

●たこやきは、大阪府の名物だ。

教科書(光村4年)の例文に満足せず、都道府県の特徴を調べて短文つくりをする活動は、国語科としても社会科としても有効だと思います。

都道府県や愛知県の市町村についての関心を夏休み前に高めておきたいです。

休み中に旅行に行ける子も行けない子もいますが、ネット空間でなら平等に旅行体験ができます。

ランダムに情報収集しているうちに、観光名所・グルメ・特産品・有名人などに分類整理できます。

そして分類の観点ができると、その観点でさらに情報収集したくなります。例えば「野球のスタジアム」という観点が決まれば、全国のスタジアムを検索したくなります。

10個・20個と情報収集の「量」が増えると、ますます情報収集が楽しくなり、また分類整理も楽しくなり「質」が高まります。

「シンキングサイクル」が無限ループに入るように仕向けたいです。

社会科的には、都道府県名に続いて「横浜・仙台・神戸・浜松・松本」のような主要都市、「富士山・琵琶湖・能登半島」のような地名についても関心をもたせ、県名と一致させておきたいです。

個人作業でも可能ですが、情報共有させると、お互いが刺激になって探求が加速します。

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August 23, 2024

何のために新聞を作らせるのか?

子どもたちは国語・社会・理科・総合などで学習新聞をつくります。

これからの時代はデジタルでできるなら、デジタルで進めていきたいです。

B4サイズのドキュメントを作成させると、文字サイズの調整などが難しいので、レイアウトはスライド型がスムーズです。

4年国語で扱う新聞づくりは〈新聞名・発行日・発行者〉〈見出し〉(写真・絵・図表)〈アンケート〉の4点にスポットを当てています。

そして、トップ記事 ・セカンド記事・サード記事を分担させています。 

『新聞をつくろう!』」(岩崎書店)では、8項目のチェック項目を載せています。

できれば、これらの項目も意識して新聞づくりに取り組ませたいです。


①みんなが興味をもつようなニュースがのっている。

②みんなが知らないことも記事にできた

③個性のある記事を入れられた。             

④わかりやすく、短い文章が書けた。

⑤事実だけでなく、意見や感想も書けた。        

⑥見出しは記事の内容に合っている。

⑦ひと目で読みたくなるような見出しが書けた。   

⑧わかりやすいグラフや表が使われている。

「見やすさ・読みやすさ・わかりやすさ」で、お互いの新聞を評価し、見る目を鍛え、次の新聞づくりに活かします。

装飾や配色に凝りすぎるとかえって読みにくくなることも伝えます。

なお、アンケート結果やランキングに終始すると、自分の意見や感想がおろそかになります。

「自分の伝えたいことは何か」がブレないように進めたいです。

 各教科の調べ学習。校外学習のレポート、係活動などで、新聞づくり・スライドづくりを繰り返し、楽しみながらレベルアップをはかってほしいです。

 国語の教科書では、この後「パンフレットを読もう」の単元があります。

「パンフレットを作る」というアウトプットも大事だと思います。

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August 22, 2024

テスト問題の意味を教えないと汎用的な技能が身につかない。

テスト対策のテクニックとしてしまうと読解力の向上につながらない。
・・・ということは漠然とわかっていたが、どう説明していいか分からなかった。
生成AIに頼ってもいいけど、まずは文献で探ってみた.
「使える『国語』の考え方」橋本陽介 ちくま新書(2019初版)p114〜121
 中学校一年生の学習指導要領「書くこと」の記述の引用があった。
ア 目的や意図に応じて、日常生活の中から題材を決め、集めた材料を整理し、伝えたいことを明確にすること。
イ、書く内容の中心が明確になるように、段落の役割などを意識して、文章の構成や展開を考えること。
ウ、根拠を明確にしながら、自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。
エ、読み手の立場に立って、表記や語句の用法、叙述の仕方などを確かめて、文章を整えること。
オ、根拠の明確さなどについて、読み手からの助言などを踏まえ、自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。
これらを踏まえて、次の5つを留意点として挙げている。
①どういう順番で論じるか
②指示詞や接続詞への注目
③事実と意見の区別
④主張と根拠の確認
⑤抽象的な記述と具体的な記述
「これらの項目は国語の試験問題でも頻繁に問われている」として、具体的な設問が紹介されている。
◆文章の一部分を切り抜いて、どこに入るかを問うのは、①の「どのような順番で論じるか」を問う問題
◆傍線部の理由を問うのは、④の主張に対する根拠を問う問題
◆②指示語や接続詞を問う問題については、以下のように詳しく解説されていた。
✳︎文章とは連続したものなので、個々の文章や段落を互いに関連づける必要がある。互いに関連づけられることによって、全体の意味が連続しているように感じられ、スムーズに理解することができる。そのような意味の連続性が見いだせないと、読者は理解することができなくなる。文章において、意味が連続していることを、言語学ではテクストの結束性と呼ぶ。
✳︎接続詞の分類とは、前と後がどういう関係でつながっているかを示す記号なのである。このため、教師側からすると、文の展開がどうなっているかを読み取れているかどうかは、接続詞を空欄にして埋めさせることによってある程度測ることが可能になる。
✳︎順接では、ある叙述Aから帰結として言えることを導入し、逆接ではそれに反対することを導入する。何か論を導入したら、それに対して説明が必要になるので、説明の接続詞が使用される。「論理的な文章」を書くためには、文の展開をスムーズに行わなければならない。
◆⑤抽象的な文言に傍線を引き、具体的な説明としてふさわしいものを問う問題は、選択肢の場合は、具体例を参考にしつつ、別の言い方に変えている。
・・・私なりに整理すると、テストでは次のような読解スキルを問うている。
だから、授業はこれらの読解スキルを磨くように展開しないといけない。
①論述の順番 
②語のつながりを示す指示詞 
③文のつながりを示す接続詞 
③事実と意見の区別
④主張と根拠の区別
⑤抽象と具体の往復
 指導と評価の一体化だから、授業で指導していないことをテストで問うわけにはいかない。
 しかし往々にして、授業は授業、テストはテストになりやすい。授業とテストで同じ教材を使うから授業中、そのまんまテストの問題を扱うのちょっと難しいからだ。
 授業とテストで別の教材を使うことがスタンダードになったら、汎用的な読解スキルの意識はもっと高まるだろうか。
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August 17, 2024

「戦争」を授業するための教養としての読書

「教育トークライン」(「東京教育技術研究所)7月号巻頭の谷先生の言葉が印象に残る。
◆「深い教材解釈」をもった教師が巧みでさりげない「投げかけ」や「ゆさぶり」をすると、子供たちの思考は更に活発になります。
そこには、やはり 優れた教師の教授行為  があります。
・・・「一つの花」に限らず、戦争を題材にした作品の場合、どれくらい予備知識があるかで、読みの深さが変わってくる
。退職した自分でさえ太平洋戦争を知らないのだから、現職の先生は誰一人、太平洋戦争を知らない。
予備知識(スキーマ)があると、読みが深くなるのは先生も子供も同じだから、先生も果敢に情報を取りに行き、深い教材解釈に挑んでほしい。教科書本文だけでは補えない事実がたくさんある。
さて、黒柳徹子の「小さいときから考えてきたこと」(新潮文庫)は、ユニセフ親善大使として訪れた紛争地域での出来事を書いている。
 「黄色い花束」は、コソボで黒柳徹子に手を振る子供たちを見て、過去の自分と重ねた短編エッセイで、「一つの花」の出征の場面を彷彿させる。
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 私が子どものとき、何も知らないで、日の丸の旗を振って送り出した兵隊さんは帰ってこなかった。自由が丘の駅に行って、出征する兵隊さんに旗をふると、スルメの足を焼いたのを一本もらえた。私は、それが欲しくて、時間があると、行っては旗を振った。スルメなんて、あの頃、めったに食べられるものではなかった。知らなかったとはいえ、私は、あのとき、スルメが欲しくて送り出した兵隊さん達が帰って来なかったことを、今も申しわけなく、私の心の傷になっている。あどけなく手を振っている子ども達(竹田注 コソボの子ども達)を裏切っては、いけないのだと、私は子ども達が手を振るのを見るたびに思う。あの女の子から貰った黄色い花は、ノートに挟んで押し花にした、コソボの記念に。
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・・・スルメ欲しさに兵隊さんを見送ったことを後悔する黒柳徹子
 父親との別れの間際におにぎりを欲しがったゆみ子は、いつか自分の行為を後悔する日が来るだろうか。
 いやいや、ゆみ子は覚えていない。だから大人になってそんな「心の傷」を負わなくてすむ。それがせめてもの救いなのだと話者は訴えているのかもしれない。
 このまま授業に使おうとは思ってないが、この黒柳徹子のエピソードを知っていると、『一つの花』を授業す教師側の「構え」が違ってくるような気がする。
 ただし、
 もっともっと知っておくべきエピソード・もっともっと読んでおきべき書籍があるのだと思うと、「知らないことの怖さ」を感じざるを得ない。
 そういえば『知の体力』永田和宏(新潮新書)にも、同じようなことが書いてある。
◆「何も知らない自分」を知らないで、ただ日常を普通に生きていることに満足、充足しているところからは、敢えてしんどい作業を伴う学問、研究などへの興味もモチベーションも生まれないのは当然である。しかし、あぁ、自分は実は世界のほんのちっぽけな一部しかこれまで見てこなかった、知っていなかったと実感できれば、そして自分がこれまで知らなかった世界がいかに驚異に満ち、知る喜びに溢れていることを垣間見ることができれば、おのずから知ることに対する敬意、リスペクトの思いにつながるはずである p56
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August 06, 2024

「対比思考」は情報処理能力

「学習指導要領(国語)」の情報の扱い方に関する事項

情報と情報との関係の1・2学年の項目は、次のようになっている。

ア 共通,相違,事柄の順序など情報と情報との関係について理解すること。

その内容についても具体的な記載がある。

これらは、ズバリ「対比」の思考とも言える。

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共通する関係を理解するとは,事柄同士の中から同じ点を見いだしたり,そのことによって共通であることを認識したりすることである。

例えば,一見異なるように見えるもの同士にも見方によっては共通する部分が見いだせることを理解したり,似ているもの同士のどことどこが似ているのかを明らかにしたりすることなどが考えられる。

相違する関係を理解するとは,事柄同士の様子や特徴などについて違う点を見いだしたり,そのことによって相違していることを認識したりすることである。

例えば,一見似たように見えるもの同士にも見方によっては異なる部分を見いだせることを理解したり,異なるもの同士のどこが異なっているのかを明らかにしたりすることなどが考えられる。

事柄の順序の関係を理解するとは,複数の事柄などが一定の観点に基づいて順序付けられていることを認識することである。

例えば,時間,作業手順,重要度,優先度などの観点に基づいた順序が考えられる。

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  この「共通する関係」「相違する関係」は、ほぼほぼ「対比」のことだ。

「事柄の順序」は「変化」のことだと理解できるが、この「変化」も対比で思考すると整理しやすい。

 光村図書の場合は、「対比」は、4年の「学習で用いる言葉」として提示されている。

◆二つのものをくらべて、ちがいをはっきりさせること。

対比して説明することで、それぞれのにているところとちがうところ、長所や短所などが分かりやすくなる。

という解説は、指導要領の「共通する関係の理解・相違する関係の理解」のことを表している。

 

具体的には

①説明文「思いやりのデザイン」では、案内図のAとBを対比的に紹介している。

②説明文「アップとルーズで伝える」では、アップとルーズのそれぞれの長所短所を対比的に紹介している。

③物語「一つの花」では、戦争中と戦争後の様子等を対比的に描き、戦争の悲惨さを強調している。

 

3つのテキストでトレーニングしたら、「対比」についてはおよそ理解できるような仕組みになっている。

 

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August 05, 2024

「おもしろい」を強要するのはなぜか?

4年2学期国語の物語「友情のかべ新聞」の学習の手引きに次のような課題があった。
◆この物語の、どんなところをおもしろいと思いましたか。理由とともに、まとめましょう。
こういう問い方をすると、文章表現の苦手な子は、すぐに「ない」と答える。
だから、「ない」と言わせないような問い方をした方がいい。
ちなみに、学力調査では「心に残ったところ」を書かせている。 
そもそも・・・
「おもしろい」前提で、このように問う意図がよく分からない。
「一つの花」や「ごんぎつね」のような悲しい話じゃないから、この物語は「どんなところがおもしろいかを聞いても大丈夫」と判断したのだろうか。
 むろん「どんなところをおもしろいと思ったか」は問いやすい。
実質は「文章のどこかを選べ」をクローズに聞いているわけだから
「どんな感想を持ちましたか」
「どう思ったか」
といったオープンクエスチョンよりも答えやすい。
 しかし、4年生2学期後半なので、汎用的に
「この物語を読んで、どう思いましたか。理由とともに、まとめましょう。
として、
「面白い」「つまらない」「納得しない」「感激した」「びっくりした」など様々な感想をもった子が、それぞれの根拠を書けばよい。
子どもから、こうした一言感想を出させて、それぞれ好きなのを選ばせた方が多様でよいではないか。
もっと言うと・・・
「おもしろいところ」を列挙しても作品のテーマを意識させることにはつながりにくい。
「どう思ったか、何を感じたか、何を考えさせられたか」という方向で書かせないと、メッセージやテーマに近づかない。
この作品ならではの特性として「物語のストーリー展開のおもしろさ・謎解きのおもしろさ」を読ませたかった意図は分かる。
しかし、せっかく「一つの花」「ごんぎつね」と読んできたのだから、作品のメッセージ性に着目させたい。
タイトルが「友情のかべ新聞」だから、むしろ主題バレバレの作品だ。
 「この物語を読んで、『友情』についてどう思いましたか。理由とともに、まとめましょう。
と、指定してもよいと思う。
※国語の読みとりには「テーマ」が大事だと思っている。このところ何度か書いています。
http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2024/07/post-1a4a85.html

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「どんなところ」と「どんなこと」

特定の教科書批判をしたいわけではないので、どこの会社は触れません。

ある学年の国語の物語作品の「学習の手引き」に次のような課題がありました。

 

◆この物語の、どんなところをおもしろいと思いましたか。理由とともに、まとめましょう。

 

そのページには、見本の「ノートの例」が示してあります

◆わたしがおもしろいと思ったのは、東君と西君が「油性ペンをさわろうともしなかった」ことに、「ぼく」が着目したことです。

なぜかというと、その部分を読んで、二人が油性ペンをさわりたくないと思うような出来事があったのかなと、想像できたからです。

 

厳密に言うと、「どんなところをおもしろいと思いましたか?」と聞いているので、

「わたしがおもしろいと思ったのは、・・・ところです」になります。

しかも、この例文の場合、

「さわろうともしなかった」ことに、「ぼく」が着目したことです。

と、「こと」が重複していて、読みづらくなっています。

「さわろうともしなかった」ことに、「ぼく」が着目したところです。

と、すれば、素直に読めたのです。

「どんなこと」と聞かれたら「こと」で答える。

「どんなところ」と聞かれたら「ところ」で答える。

「なぜ」と聞かれたら「から・ため」で答える。

聞かれ方に正対して答えるから、言葉に敏感になれるのです。

 

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August 04, 2024

学力調査の課題は、授業展開の課題。

6年生の4月に取り組む学力調査。
5年生学年末まで、ペラ1枚の市販テストしか取り組んでいなかったとしたら、それでは子どもが可哀そうだ。
問題は22ページある。時間は45分。
ならば、市販テストは裏表10分で解けるくらいの処理速度が求められると言えよう。
なにしろ、市販テストは既に読んだことのあるテキスト、見覚えのある漢字・語句なのだから。
そして、心に残った場面の感想を5分・下書きなしでスラスラ100字程度書けるくらいの作文力があるとよい。
日頃から、授業の最後3分の振り返りで100字くらい書かせたい。
ここ数年、国語の授業を参観して感じていたのが、第1時の中身の薄さ。
「教材を読んで、感想を書いて終わり」という「とりあえず第1時」では、子どもの頭はフル回転しない。
①テキストの前の「リード文」を読む。
②範読を聞く(CDを聞く)
③必要な個所に線を引いたり、印をつけたりする。
④時代背景などの補足を聞く・画像を見る(スキーマの問題)
⑤自由な感想メモを書く。
⑥主題とか対立軸とか教師の指定する課題についての意見を書く。
⑦一字読解で5W1Hを10問ほど問い、〇付けまで済ます。
ちなみに、1字読解で適切な問題を出すと、次の時間には「市販テスト」が解けてしまう。
学力調査の45分と同じくらいの密度で、
「課題意識をもってテキストを読み、問いに答え、自分の意見を書く」
に取り組ませないと、学力調査問題では時間切れになる。
「無回答」が問題点として話題になるが、時間切れも十分問題なのだ。
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July 31, 2024

学力調査の課題は、PISA調査の課題と変わっていない。

 相変わらず、記述式問題の正答率の低さと、無解答の多さが話題になっている。

 PISA型読解力の定義は「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」とあり、従来の「読解力」と区別して「読解リテラシー」とか「PISA型読解力」と呼ばれてきた。

 PISA調査で話題になった読解力は、○×式やマークシート式ではなく記述式で、次の能力を問うていた。

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「テキストから情報を取り出す」だけではなく、

「テキストから推論したり、2つ以上のテキストを比較し理解したりする【統合・解釈】」

「テキストに書かれた情報を自分の知識や経験に位置づけ理解し評価する【熟考・評価】」

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 ・・・平成20年度の中教審答申で「言語活動の充実」が提言されたのは、PISA調査によって、読解力低下の実態が明らかになったことが直接的な理由である。

 PISA調査では、記述式解答の正解率の低さと無回答の多さが目立ち、「必要な情報を見つけ出し取り出すことは得意だが、それらの関係性を理解して解釈したり、自らの知識や経験と結び付けたりすることがやや苦手である」と考察された。

 簡単に言うと「日本の小中学生は暗記した知識問題には強いが、応用問題には弱い」ということだ。

 こうして、今の学習指導要領にある「思考力・判断力・表現力」の育成が求められるようになった。

 

 現場感覚で言うと

 国語の市販テスト(おもて面の文章問題が10問、裏面の漢字言語問題20問)に30分も40分もかけていては、学力調査問題は解けない。

 しかも多くの国語テストの問題は、既読の文章だ。長文や図表を目で追う速さ、正解を導く判断の速さが「カギ」だと思う。

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July 30, 2024

視点の再考(8)  ~視点人物の存在~

「漫画版 君たちはどう生きるか」に次のコマがある。自分が宙に浮いて、人々を見ているシーン。

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神のような視点(三人称全知視点)で、すべての人の心を読み取る場合は、こんな感じになる。

ただし、このコマは

◆「上空にいる人物」を見ている別の視点人物が存在するという構造になっている。

この場面が一人称視点で描かれていて、話者の見ている世界だけを取り出すなら、地上の人と車だけの絵になる。

 

場面図を書いて、話者(視点人物)まで入れてしまうと、

◆話者を見ている「誰か」が存在するという構造になる。

三人称視点の作品ならそれでもいいが、一人称視点の作品の場合だと、今まで書いてきたように少し補足が必要になる。

 

「大造じいさんとガン」は、もともと三人称視点の作品だから、挿絵にじいさんが含まれてもかまわない。

ただし、クライマックスシーンは、大造じいさんの視点で残雪を語っているので、挿絵にじいさんまで入れてしまうと、それは、ちょっとどうかなということになる。

 

「カレーライス」(6年光村)は、「ぼく」が語る一人称視点の作品なので、その挿絵に「ぼく」が入ると、ちょっとどうかなということになる。

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