「抽象のハシゴを降りよ」と宇佐美寛先生も書いておられた。宇佐美先生は、具体的な議論を推奨した。「神は細部に宿り給う」も同じ文脈である。
◆「抽象⇄具体」の往復運動を重視した読解指導について、小学校中高学年で、どのように展開すればよいか教えてください。
ChatGPT:
とても重要なテーマです。
「抽象⇄具体」の往復運動は、子どもたちが「言葉を自分のものにする」「意味を実感する」ために不可欠な力であり、特に小学校中高学年(4~6年生)ではこの力を意識的に育てる必要があります。
以下に、具体的な展開の流れと指導例を示します。
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◆基本の考え方:「抽象⇄具体」の往復とは?
- 抽象:定義・主張・結論・筆者の言いたいこと(一般化・まとめ)
- 具体:事例・場面・経験・描写・比喩・数字など(実際のイメージ)
これを一方向ではなく「行き来」するように促すのが大切です。
◆ 指導の基本ステップ(中高学年向け)
(1)具体例を探す → 抽象的にまとめる(上りの思考)
- 例:筆者が出した具体例は何か?それは何を表しているか?
- 質問例:「この話は、どんなことを言いたいのかな?」「この事例から分かることは?」
(2) 抽象的な主張を具体化する(下りの思考)
- 例:筆者の主張はわかったけど、それってどんな場面で見られる?
- 質問例:「それって、自分の身の回りだとどんなこと?」「反対に、そうでない例って何?」
(3) 両者をつなげて文章全体の構造を理解する
- 「この具体例と主張の関係を図にしてみよう」
- 「主張A → 具体例B → だからまとめC」など、構造を可視化する
◆ 具体的な読解指導の展開例
例1:説明文「クジラは魚か、哺乳類か」(抽象的な分類の話)
授業展開:
- 具体を見つける:「クジラは胎生」「肺で呼吸」「ミルクを与える」
- 抽象を導く:「哺乳類の条件を満たすから、クジラは哺乳類」
- 構造図にする:「具体的特徴→哺乳類の条件→分類」
- 自分で応用:「イルカはどう?」「人間に当てはめると?」
-
例2:文学作品「一つの花」(戦争と家族)
授業展開:
- 抽象を読み取る:「戦争によって大切なものが奪われる」「家族の愛」
- 具体に下ろす:「お父さんの別れの言葉」「一つの花に込めた思い」
- 体験とつなげる:「自分が同じ状況だったら?」「家族との思い出を語る」
- 再び抽象に上げる:「平和って何?」「“一つ”に込められた意味とは」
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◆ 「往復運動」を支える教師の問いかけ(実践的フレーズ)
思考方向教師の問いかけ例
ア)抽象 → 具体
「それって、どんな場面で見られるかな?」
「たとえば、どんなこと?」
イ)具体 → 抽象
「このことから、どんな考えがわかる?」
「どんな言葉でまとめられる?」
ウ)構造を見せる
「なんでこの話がここに出てきたんだろう?」
「この文、前とどうつながってる?」
エ)体験に結ぶ
「自分にもこういうことあった?」「この言葉、自分で使うならいつ?」
◆ 補足:ノート指導や図式化も有効
- 「具体・抽象マップ」や「三段構成チャート(主張→理由→例)」を使わせる
- 対話(ペアトーク・グループ討論)で行き来させる
- 書く活動とセットにして、言語化を支える
◆ まとめ
項目指導のねらい
目的:言葉の背後にある「実感・構造・背景知識」を育てる
方法:抽象と具体を行き来させる問いかけ・図式・対話
子どもの変化:「言葉をなぞる」から「意味を考える」へ
追加質問してみた。
いわゆる「So What?」と「「So Why?」のことですか?
ChatGPT:
はい、まさにその通りです!
「So what?(それがどうした?)」と「So why?(なぜそう言えるの?)」という問いは、まさに抽象と具体を往復する思考のコアになります。
「So what?」= 抽象→具体(意味・意義の追究)
これは、抽象的な主張や言葉に対して、具体的な意味や意義を問う問いです。
例:
- 筆者は「命の大切さを伝えている」と言ってるけど、
- → So what? → それって、私たちの生活でどういうこと?
- → どう生き方に関係するの?
- 「努力は大事」って言ってるけど、
- → So what? → それって、どんなとき? なんで大事?
👉 主張・まとめに対して「それが現実でどう活きるのか?」を問う
「So why?」= 具体→抽象(理由・根拠の追究)
こちらは、何かの主張やまとめに対して、「なぜそう言えるのか?」と問い返すものです。
例:
- 「この人物はやさしいと思う」→
- → So why? → どんな行動からそう思ったの?
- 「この話は平和の大切さを伝えている」→
- → So why? → どの場面? どんな言葉から?
👉 具体例や描写から「なぜそう言えるか?」を引き出し、主張や意図に迫る
◆ 小中学生への指導での活用
これらの問いは、読解や作文、さらには対話活動においてとても使えます。
📌 教室で使える言い換え例:
So what?
「それって、どんな意味があるの?」
「だからどうなるの?」
「自分と関係あるかな?」
So why?
「なんでそう思うの?」
「どこを見てそう感じたの?」
「理由を教えて」
◆ まとめると…
用語抽象⇄具体の関係 主なねらい
So what? = 抽象 → 具体
意味・意義を問う/自分の生活につなげる
So why? = 具体 → 抽象
理由・根拠を問う/論拠を明確にする
この2つの問いを意識して授業を組み立てることで、
- 子どもが「わかったつもり」から脱却できる
- 発言や記述が深まり、文章の構造や意図に目が向く
- 書く・話す際にも「筋道立てる力」がつく
・・・以下は今の私の意見です。
(1)説明文の要約、社会科の調べ学習など、子どもたちが言葉の意味を十分理解しないまままとめていることが多い。
語彙の乏しい子供たちは背伸びして言葉を使うことで、少しずつ言葉の意味を学んでいくのだで、それはそれで良いと思う。
(2)だからこそ、「それってどういうこと?」と意味を問い、借り物でない自分の言葉で説明させること・リライトさせることに意味がある。
(3)「例えばどういうこと?」とテキストにない事例・実体験で説明させることで、言葉を具体的に考えさせる。これが「神は細部に宿り給う」。
(4)そういえば、自分も説明文の授業の最後に、「筆者と同じような経験」「この主張とよく似た自分の体験」を書かせたことがある。
ほとんど無意識だったが
So what? = 抽象 → 具体 = 意味・意義を問う/自分の生活につなげる
に取り組んでいたのだと今になって思う。
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