June 11, 2018

QAR 問いと答えの関係

Qar2_300


QAR(question–answer relationship)、日本語では「問いと答えの関係」

日本語の文献がなかなか見つからず、英語のサイトにチャレンジしなくてはならなかった。

http://www.readingrockets.org/strategies/question_answer_...

The question–answer relationship (QAR) strategy helps students understand the different types of questions.
By learning that the answers to some questions are "Right There" in the text,
that some answers require a reader to "Think and Search,"
and that some answers can only be answered "On My Own," students recognize that they must first consider the question before developing an answer.

 Google翻訳を参考にして、めっちゃ簡略に示してみると

QARの戦略は、生徒がさまざまなタイプの質問を理解するのに役立ちます。
生徒は質問に対する答えが

(1)「テキストにある(すぐそこにある)
(2)「思えて、探す」
(3)「自分の中にある」

であることを学習し、答えを出す前に、質問を検討する必要があることを認識しています。

 ここでは3つのステップだが、サイトに示された図を見ると、4つのステップがある。

(1)答えは、本文中にある Right There Questions
(2)答えは、考えて探す  Think and Search Questions
(3)答えは、筆者と自分  Author and You
(4)答えは、自分自身   On My Own

 図の中には、もう少し詳しいアドバイスがある。
(1)は5W1Hみたいな内容だとわかる。

(2)以降は、次のような単語が見える。
Summarize   要約してみる
Compare and Contrast 比べてみる
What caused  何が原因かと言うと
How did    どうやって
Retell      もう一度読むと
Find 2example  2つ例を挙げる

(3)
Use your schema and make an Interence using the story
あなたの経験を用いて、そして話を用いて推論せよ

Predict what will happen
何が起きるか予測せよ

What is tha mein idea of
何が本旨かと言うと

What could be another title for
別の題をつけるとしたら

Why did the author write
なぜ作者は書いたのか

(4)
use your schema and tell your opinion
あなたの経験を用いて、自分の意見を述べよ

Have you ever
あなたはいつもどうしてる

How would you feel if
もし~だったら、あなたならどう思う

Context Clues : Infering Meaning
文脈の手がかり:推論 

Good readers figure out unknown words by using
よき読者は、以下を用いて知らない言葉を理解する
① schema         自分の経験
② clues from the text テキストからの手掛かり
③ clues from pictures 図や写真からの手掛かり
④ rereading       再読

 これは、大学入試資料に見られた問いのマトリックスと重なる。

(1)単純な知識理解の答え
(2)論理的思考を要する答え
(3)自分の判断を要する答え
(4)自分の創造力を要する答え

 QARのサイトでは動画も見られるが、もちろん英語!

http://www.vdoe.whro.org/elementary_reading/QAR1-25-2010_...

 まだまだ知らないことばかりである。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 09, 2018

「読解力向上」と「論理」の私案

★なぜ「論理」なのか~他者意識の始まりが「論理」のはじまり

文相互の関係・段落相互の関係
1)基本的な考え方=「文の構造」
2)文相互の関係を見抜くための「接続語」
3)段落構成を見抜くための「接続語」
4)筆者の主張を読み解くための「イコールのパターン」
5)芥山先生の主張を読み解くための「イコールのパターン」
6)論理力ノート 「イコール」の関係
7)イコールの関係=paraphrase
具体と抽象の関係
1)「小見出し」は具体的な文章の内容を「抽象化」している
2)「小見出し」の意味 その2
3)論理力ノート 「抽象」の訓練になる「見出し」
4)対比は「抽象化」の手だてである
5)具体的な叙述を促すために「例えば」を用いる
6)具体的な提示がないと議論はかみあわない
7)抽象と具体の整合性を確かめる「ケンカ読み」
8)抽象と具象の能力を試す「2段落構成の作文」
9)抽象と具象の能力を試す「ラベリング」

数学的なアプローチ
1)論理数学的な法則性
2)証明教育
3)証明教育の重要性
4)「東大数学」が求めるロジカルな説明力
5)数学的現代文読解法
6)
数学的推論

三角ロジックの考え方
1)基本構造
2)仮説化のロジック
3)「理由」と「主張」と「大前提」
4)「理由」と「根拠」を分けて考える
5)「理由」と「主張」の往復活動
6)「言葉」と「定義」の往復活動

その他の論理関係
1)「だが、しかし~」の論法
2)論理力ノート 「譲歩」
3)論理力ノート 「弁証法」
4)因果関係=「なぜ」でつながる文脈~フィンランドメソッド~
5)因果関係=「なぜ」で読み解く『ドラゴン桜』の学習法
6)説得力を増すための「比喩」
7)対照実験の論理をつかむ「対比」の思考
8)文中の数値を具体的にイメージする

★トラックバックいただいた方々の論理
 論理エンジンに近い「文単位」の指導
 論理的な思考
 論理的な思考(2)

★自分のレポート
「要約指導」に関わる授業実践レポート
「要約指導」に関わらない授業実践レポート
 

| | Comments (0) | TrackBack (1)

June 05, 2018

仮説検証のロジック

 昨年の11月に、仮説化の能力について書いた。

 例示は、向山先生の1980年の工業地帯の授業。

◆「〜であれば工業地帯である。(になりやすい)。」
◆「工業地帯であれば、〜である。(見られる。)」という説を創ることができる。
但し、次の条件をつけ加える。
① 自分で調べて証明できると考えられるもの。
② 本などを見てはならない。

 この「仮説化(仮説検証)」の授業は、

 【ある条件】ならば 【主張Aである】という論理に対して、その【根拠】を自分で探す形になっている。

 プログラミングの基礎的な用法に、「If 条件式 Then ...」というのがある。if-thenで条件判定が成立した場合と、成立しなかった場合の2通りに分岐したプログラムを書くことができる。
 対応する文型は、「AならばB」「Aの場合はB」「AするときはB」などになる。
 1980年に向山先生が提起した「仮説化」の授業は、まさに、プログラミング的思考の先駆なのであると言えラる。
 さて、この、向山実践の源流は、向山先生が教育実習で疑問を感じて調べたという「青森のリンゴ」である。
「斉藤喜博を追って」にその記載がある。

「気候が適しているから 青森県は日本で一番りんごを生産している」

→気候は北海道や東北地方と変わらない。
 つまり、気温はりんご生産の要因の1つではあっても、青森県が生産1位になる理由にはならない。

 こうしてみると、「気候とリンゴ生産」には因果関係はあるが、それだけでは青森が生産1位になったことの「原因と結果」を説明できないのだ。

 実際には、 「鉄道」「港」「米作からの転換」「大土地所有制度」「日清戦争」「対ロ貿易」などの条件がが関わっている。「気候→青森のリンゴ」という短絡的な発想がいかに貧弱化が分かる。

 これからの時代はデータ分析が重要だと言われる。
単なる相関関係を、因果関係とすりかえないように、安易な推論に流されないように、ロジカルに疑ってかかる思考スタンスが必要であり、その原型を30年以上前の向山実践に見ることができる。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 03, 2018

「深い学び」を促す言語環境の整備

0603_2
 「幼児教育における審議の取りまとめ」の資料の中に、次のタイトルのものがある。

◆アクテイブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた、幼児教育における学びの過程(5歳児後半の時期)のイメージ

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/057/so...

 「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の3つの関連が図示されてあって、とても分かりやすい。
 中でも、深い学びの項目は、小学校でも十分配慮すべき指導内容になっている。

◆直接的・具体的な体験の中で、「見方・考え方」を働かせて対象と関わって心を動かし、幼児なりのやり方やペースで試行錯誤を繰り返し、生活を意味あるものとして捉える「深い学び」ができているか。

【感触・感覚・感動】
すごいなあ・〇〇だね。

【試行錯誤・気付き・発見の喜び】
なぜ・どうして・どうなるのかな・見つけた

【予想・予測・比較・分類・確認】
〇〇かもしれない・〇〇になりそう
〇〇は同じだけど△△は違う


【規則性・法則性・関連性等の発見と応用】
〇〇だから△△になった
〇〇なのは△△だから
△△すると〇〇になりそう
次に〇〇するとどうなるかな

・・・「皆さん、どうですか?」「賛成」といったくだらない話形の指導をする学級をよく見かけるが、上記のような言葉のやりとりと語彙の習得こそ指導してほしい。いや指導というか、先生が率先して使って、自然に子どもから発せられるような言語環境にしてほしい。

 ところで、文科省発行の「言語活動の充実に関する指導事例集【小学校版】」に「児童の発達の段階に応じた指導の充実」の記述がある。
 「つなぎ言葉」に関連する項目のみ抜粋すると以下のようになる。
 幼児期から慣れさせたい発語と、小学校で使わせたい接続語。ここをうまくつなげられたら、論理的思考の指導がうまくいきそうな気がする。
 
【低学年】
○判断と理由の関係を明確にして表現する。
○時系列(例えば,まず,次に,そして,など)で表現できる。

【中学年】
○判断と根拠,結果と原因の関係を明確にして表現する。
○条件文( 例えば,「もし,○○ならば,△△である)で表現する。

【高学年】
○演繹法や帰納法などの論理を用いて表現する。
○規則性やきまりなどを用いて表現する。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

東大数学が求める国語力

 斎藤孝氏の「数学は国語力」の中に、「数独(ナンバープレース)」の魅力を説く箇所がある(あとがきp227)

◆例えば、「このマトリックスで足りないのは、2、4、7、8で、ヨコ軸に2があるから4、7、8が残る」「もしここに8が入ると、他のマスが二つとも5になってしまうから、8はありえない」。この後者のつぶやきをしている時に、「背理法だなあ、これは」と感じたりして楽しかった。(中略)
数独で数字をはめていく作業の最中に、自分が考えていることをすべて言葉にしていくなら、話し方がとても論理的になる

・・・ウイキペデイアにある「数独」の以下のような解答例は、確かにロジカルである。

◆例題の上端横に伸びる赤い線の左端に5があり、上段右のブロックの上段には5は入らない。
同じく、その下の短い横に伸びる赤い線の左端にも5があり、上段右のブロックの中段には5は入らない。
さらに、下段右のブロックの5のある列も上段右のブロックの5の入る候補から排除する。
上段右のブロックのまだ赤線の引かれていない2マスの内、一つは既に数字が確定しているので、残った緑色のマスには5が入る以外にない。

・・・ 先に「偶然は学習ではない」で次のように書いたこととつながる。

◆行き当たりばったりの試行錯誤ではなく、ある程度の仮説や予測に基づいて試行錯誤させるべきだという意味では、プログラミングを実行させる前段階が大事だということになる。

if-then的な思考が数学の問題を解く基本的な思考過程であることが、数独の解答からもよく分かる。
齋藤氏は、数学の解法の過程を日本語で解説していくことの重要さも書いている。

◆東大入試の数学の問題について何人かの東大の先生が言っているのは、「数学を式ばかり並べて終わりと思っては駄目だ。日本語でしっかり説明する努力をしてほしい」ということでした。(中略)
出題している人や採点する人に自分の解答の中で日本語で説明してわからせる、そういう誰が見てもわかるような解答を書く国語的な表現の力、数学はそれが大事なんだよと言っているわけです。
(中略)
なぜ、その式を立てたのか、なぜ立てられたのかを日本語で説明し、こういう条件なので、こういう観点からこの式が立つ。そうすると、次に考えなければいけないことはこうで、今度は別のこの式が成り立つ・・・そういう具合に日本語で丁寧に問い詰めて説明していく力が要求されているわけです。

・・・ 「自分の解法を説明する数学」と「自分の解釈を説明する国語」は、相手に伝わるような論理的な説法という点ではどちらも同じだ。だから数学を解くのに国語力、国語を解くのに数学力が必要というのは、同じ意味なのだ。

 あとがきの言葉が印象的だった。

◆数学は、国語にとって最良のテキストだ。数学のプロセスをすべて日本語で説明してみると、論理的な日本語力が鍛えられるのを感じる。.

 また、あとがきP225には、くだらないエピソードの引用がある。くだらないから印象に残って効果的なのだ。

◆「スケベと変態は違うんです。自分はスケベだけど変態じゃない。でも彼はスケベじゃないけど変態なんです」

・・・この状態について、斎藤氏はマトリックスを用いて、

第一象限には「スケベかつ変態」
第ニ象限には「スケベだが変態ではない」
第四象限には「スケベではないが変態」

と、座標軸として図化できるという。

 整理する=図式化する=記号化する

 よりシンプルに変形させていくことが、数学の魅力ということになるだろうか。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

偶然は学習ではない!

東京書籍の「教室の窓」4月号にプログラミング学習の記事があった。

 プログラミング的思考は「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とされている。

 榎本竜二氏は、この定義を受けて次のように言う。

◆行き当たばったりの数値を調整して面白い動きを偶然見つけたりするような授業は、プログラミング学習ではない。問題を解決する必要があるのだから、目標通りの正しい動作をしなければならない。また、同質の問題が発生したときにも、手順が再現できるものでなければならない。

◆そのため「このように作れば、こう動くので、この問題は解決する」という予測を立ててから、プログラミングの作業を行わせなければならない。与えられた課題を小さな問題に分割していく過程や、予測どおりの動きになるように修正を行う過程で、論理的思考が活躍する。プログラミング教育というのは、このような問題解決の過程を思考しながら繰り返すことで、コンピュータの考え方や動作の原理を学んでいくことなのだ。

 なるほど!
 最後に「コンピュータの考え方や動作の原理を学んでいく」とあるが、これは、「人間の問題解決の思考過程の原理」そのものなのだと思う。
 行き当たりばったりの試行錯誤ではなく、ある程度の仮説や予測に基づいて試行錯誤させるべきだという意味では、プログラミングを実行させる前段階が大事だということになる。
 「偶然は学習ではない」「プログラミング教育には予測が必要」の言葉は重い。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 12, 2018

「イコールの力」=「言い換える力」=「paraphrase」

  「日経アソシエ」5月号の齋藤孝氏の連載の見出しが刺激的だった。

「豊富な語彙と言い換える力が人を動かす武器になる」

◆いかに自分の意思を的確に伝え、なおかつ相手のモチベーションを高めるか。これを実現させるのが、豊富な語彙を駆使して言い換える力だ。

◆知っている言葉が少ないと、会話やニュースに対する読解力が落ちます。自分の意見や感情を的確に表現することもできません。

・・・語彙が大切なことは先にも書いたが、私はむしろ「言い換える力」に注目したい。これも先に書いた「イコール」とつながるからだ。

  「言い換え」は2方向ある。

(1)簡潔に言い換える・抽象化する・要約する。
  「かいつまんで言うと」「一言で言うと」「要するに」

(2)詳細に言い換える・具体化する・敷衍する。
  「詳しく言うと」「分かりやすく言うと」「具体的に言うと」
  「別の言い方をすると」

 「敷衍」は、あまりなじみのない言葉だが、辞書的には「趣旨をおし広げて説明すること。例などをあげて、くわしく説明すること。」である。
 
 説明型のテスト問題には、「簡潔に言い換える」「詳細に言い換える」の双方向があり、この2つの表現の往復活動が、記述式の読解力(読解表現力)の基盤になっていると考えている。

 しかし、「受験国語の神様」とも呼ばれた松本成二氏の『[現代文の科学的研究] I 評論編』 (あずみの書房、1990年)に、「要約」と「敷衍」がセットであるように述べてあることに、ごく最近気づいた。

=============================
 文章法の原則(付7)
 簡単な要約(summary)の原則

 簡単な要約(summary)は、次の形が普通である。
主題(topic)+分析(anaiysis)

 分析(anaiysis)は、敷衍(paraphrase)といっても同じであるが、詳しく説明すること。実例や比較や比喩が表れるのはその後の話である。========================

 
 英単語の理解が足りなくて、苦しい。

◆「主題」」+「分析」=「要約」
◆「分析」と「敷衍」は同義

という記述には驚いたが、

◆「分析・敷衍」と「実例・比喩」は別。

にも驚いた。一般的な辞書の意味である「敷衍=例などをあげて、くわしく説明する」と一致しないからだ。


★ paraphrase
 【自他動】
〔分かりやすく〕言い換える
  ・Let me paraphrase you. : 〔言い換えると〕つまりこういうことですね。
 ・Can you paraphrase that poem in normal spoken English? : その詩を普通の話し言葉の英語で言い換えてもらえますか。
【名】
1.〔語句などの易しい〕言い換え、置き換え
2.〔教育や研究用の原典の〕敷衍、解釈
3.《音楽》〔原曲の自由な〕改変、パラフレーズ

 「paraphrase」の概念は「詳細に言い換える・簡潔に言い換える」の両方を含んでいるということか。
 「言い換える」を2つに分けた自分の規定が、勇み足だったということになる。
 ただ「説明sなさい」と問いを発する場合、あるいは、「説明しなさい」という問いを読み取る場合には、それが、どっちの言い換えを求めているのかをしっかり把握すべきであろう。

 


 

 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 03, 2018

「=(イコール)」でつなげられる表現はどこか

出口氏の「日本語トレーニング」の中に、文相互の関係を示した部分がある。
出口氏の分類はわずか3つ。

 ①イコールの関係  命題 =  具体例・引用
 ②対立の関係    命題 ←→  対立命題
 ③因果関係      命題 →  次の命題

 「出口式 論理力ノート」の第2章「『論理的な読み方』を身につけよう」では「イコールの関係」について、さらに次の4つを示している。

 ①具体例・・・主張の証拠
 ②体験・・・・・主張の強化
 ③引用・・・・・主張の裏付け
 ④比喩・・・・・言葉にならない思い

 とりわけ、国語の授業する時(教材分析する時)、注意してきたのは、

 「=(イコール)」でつなげられる表現はどこか

であった。
 「イコール」はざっくり3通りであると考えた。
(1)ある言葉を短くまとめている場合
(2)ある言葉を詳しく説明している場合
(3)言い換え・よく似た表現で繰り返している場合

 言葉の定義・解説・同義語反復などが、イコールでつながれる。
 言い換え・要約でいうと「~という現代の課題(「AというB」)のような言い回しもよく見られる。

 今回のセンター入試国語のテクニックというのは、小中学校の通常の国語の授業に応用の利かない部分も多い。
 そんな中で、「ドラゴン桜」13巻で示された芥山先生の選択肢の6つの分類は「なるほど」と思った。

1:正解
2:反対
3:すりかえ(本文中の言葉を使っているが論旨が違う)
4:言い過ぎ(本文の内容の誇張)
5:不足
6:勝手なことを言う(世間的には正しいが、本文にない)

 こうやって書くと正解はすぐに見つかりそうだが、実際はなかなかできない。
 何度か入試問題にチャレンジしているが、ことごとく選択肢ではずしてしまう。
 ラスト2つまでは絞れるが、そこからが難しい。
 
 「言い過ぎ」は、簡単そうに思えるが、「論理の飛躍」や「断定のしすぎ」を見抜くのは決して簡単ではない。「常に・すべて・絶対・だけ・必ず」という言葉があるからすぐに見分けられると芥山先生は言うのだが、そのようなワードの出てこない場合の方が多い。
 「不足」も簡単そうだが、内容的に間違っていないわけだから「不足だ」と断言するのは結構難しい。
 「すりかえ」「勝手なこと」も、思わず納得してしまいそうな「いい内容」が書かれているので、まんまと納得してしまうことが多い。

 さて、この6分類に「=(イコール)」の3つの分類を加えてみると、選択肢が8通りできる

1:正答(具体的な言い換え)
2:正答(抽象的な言い換え)
3:正答(比喩的な言い換え)

4:誤答(反対)
5:誤答(すりかえ:本文中の言葉を使っているが論旨が違う)
6:誤答(言い過ぎ:本文の内容の誇張)
7:誤答(不足)
8:誤答(勝手なことを言う・世間的には正しいが、本文にない内容)

 正答の「具体・抽象・比喩」をうまく読み解かないと、「言い過ぎ」や「すりかえ」のような誤答と混同してしまう。
 具体的な試験問題を提示していないので分かりにくいですね。ごめんなさい。
センター入試は、「イコール」で読み解く問題が多かった。入試の問題文をそのまま引用するとかなり難解なので、どう説明したら悩んでいるが、早急に分かりやすく示してみたい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 18, 2018

国語科と数学科のコラボレーション

大日本図書の「中学校 教育フォーラム2015年秋号」の中に次の記事があった。

http://www.dainipp
on-tosho.co.jp/newsletter/kyoiku/pdf/j15autumn.pdf
◆日常の「説明」と数学の「証明」 近藤裕(奈良教育大学准教授)◆P18/19

 冒頭、朝日新聞の記事からの引用がある。

===========
 「泣いたり騒いだりせずに自分を説明し、相手を説得するには論理しかない。算数・数学はそれを学ぶものです」
 数学者新井紀子氏の言葉
============

 相手を説得する・納得させるために必要なのが「論理」である。
 それは国語ではなく算数・数学で教えられるのだと数学者は言う。
 確かに「証明教育」は数学のジャンルだ。
 しかし、国語を読解したり、相手に伝えるにも「論理」が必要なのだから、数学と国語はきちんとコラボしていかないと犠牲になるには子供たちだ(証明教育に熱心なインドがIT大国であることを考えれば、証明教育や論理指導の軽視は国家的なの損失とも言える)。
 
 数学で「証明」を学ぶ意義について、前掲書では次のように紹介している。

================
 「まず、証明の述べ方がていねいになり、使われる論理が厳密になってこよう。なぜなら、他人がどう考えるかに無関係に、要素を残らず見落とさないように拾い上げることが大切なことであるので、読み人に補って読んでもらうという甘えが許されなくなるからである。」
 (中略)
 数学を学ぶ目的の1つの側面に、「数学は、公理を前提として論理だけに従って考えることができ、他人の考えや権威によって判断する必要がない。このような数学の特質は、自らを律しながら考えたり批判的に考えたりするということに有用である」(長崎ら2007)という点があります。
================

・・・まさに「数学愛」にあふれた文章であると思う。
 でも、その論理の指導や証明教育の意義を「国語」にも背負わせてほしいと思う。国語科にも「公理を前提として論理だけに従って考えることができ、他人の考えや権威によって判断する必要がない」という側面があるはずだからだ。

 「分析批評」や「科学的な読み」「言語技術教育」の提唱、宇佐美先生のような「論理的思考」の提言などを踏まえれば、論理の指導は国語科にとって必須事項である。文科省だって、ちゃんと「論理思考・ロジカルシンキング」の重要性について書いている。
 特に「テスト」の正解は、論理的整合性によって導かれなければならない。

 国語の指導に数学的な要素(つまり「論理的思考」「プログラミング的思考)を加えないと、テストのような客観的な読解力をつけられない。
 そのような意識で、国語科の指導を整理していきたい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 16, 2018

数学的に現代文を解く

Sugaku_3


◆(センター試験の現代文を)本文中にあることだけを手がかりにして、論理的に問題を解いていきましょう。それができれば、センスやヒラメキに関係なく誰もが同じ正解にたどり着けます。特別な才能の有無にかかわらず同じ結論に至ることができるというのは、「論理」の大きな魅力です。◆
  「根っからの文系のためのシンプル数学発想術」永野裕之著 技術評論社 P22。

・・・なんと頼もしい言葉だろう。国語はセンスやヒラメキがある人が点を稼ぐのではなく、論理的思考のできる人が点を稼ぐのだと説いている。

 本書の第一章のタイトルが「超数学的現代文読解法」。
 まず冒頭に紹介されるのが、2004年の慶応の環境情報学部の数学の問題。「数学」です。

=================
1、2、3番の3人が面接を受けている。
このうちいつも真実を述べるのは1人だけで、他の2人は嘘つきである。
1番の発言「2番の人は嘘つきです」
この発言から( )番の人が嘘つきであることが確実にいえる。

( )に入る番号は?
=================

・・・一読した時は分からなかった。
 しかし、ゆっくり場面分けしてみたら分かった。
 まさに「分ける」は「分かる」なのだ。

===================
1番が真実を述べたとしたら、嘘つきは2と3。
1番が嘘つきだとしたら、嘘つきは1と3。
よって、どちらの場合も3番が嘘つきとなるので、確実にいえるのは「3番が嘘つき」ということ。
=====================

・・・この問題のカギは、嘘つきは2人いるが、嘘つきであることが確実にいえるのは何番かだけを問うている点だ。
 そこを慌てて読むと、2人の嘘つきを確定する問題と読み間違えて焦ってしまう。
 
 さて、この試験問題を紹介した後、「数学力とはすなわち、このように論理的に考える力のことです」と解説がある。
 そして、その後、センターの現代文を提示して、冒頭のように述べている。
 数学の問題も国語の問題も「論理的」に考えれば解けるというのが著者の主張なのだ。

 ただし、本書でこの後解説される国語の読解スキルは少々複雑なので、言うほど簡単にセンター入試問題は解けない。よって今回はここまで。

| | Comments (0) | TrackBack (0)